DCP.mxf.xml

Digital Cinema Package / ディーシーピー

映画館のデジタルシネマサーバーで上映するための映像・音声・字幕のパッケージです。映像はJPEG 2000、音声は非圧縮PCMで、それぞれMXFに入れ、再生の順番をXMLで指示します。

仕様
DCI(Digital Cinema Initiatives)のデジタルシネマ仕様
規格
SMPTE ST 428・429・430 シリーズ
映像
JPEG 2000、12bit、X′Y′Z′色空間
解像度
2K(2048×1080)、4K(4096×2160)の枠内
映像の最大ビットレート
250Mbps
音声
24bitのリニアPCM(48kHzまたは96kHz)
構成ファイル
CPL、PKL、ASSETMAP、映像と音声のMXF
暗号化
上映の鍵をKDMというファイルで別に配る
主な作成ソフト
DCP-o-matic、easyDCP、DaVinci Resolve Studio

映画祭への応募や劇場公開が決まると、「上映素材はDCPで」と指定されます。DCPは1本の動画ファイルではなく、フォルダーに入ったXMLとMXFの組なので、編集ソフトの書き出しプリセットをMP4から切り替えるだけでは作れません。色、フレームレート、画面サイズを上映の決まりに合わせる工程が別に要ります。

DCPが使われる場面

国内のシネコンや多くの映画館は、デジタルシネマサーバーとプロジェクターでDCPを上映しています。配給会社が劇場に送る本編、予告編、劇場CMは、どれもDCPで届けられます。

独立系の作品では、国内外の映画祭が上映素材としてDCPを求めることがほとんどです。ミニシアターやイベント上映ではBlu-rayやProResのファイルを受け付ける場合もありますが、劇場公開を目指すならDCPを用意するのが前提になります。

受け渡しは、ext2やext3でフォーマットしたハードディスクを劇場のサーバーにつないで取り込む方法が一般的で、ネットワーク経由のダウンロードで配信する仕組みも使われています。

DCPの仕組み

DCPのフォルダーには、上映の順番を指示するCPL、ファイル一覧とハッシュ値のPKL、ファイルの置き場所を示すASSETMAP、そして映像と音声のMXFが並びます。映像は1フレームずつJPEG 2000で圧縮され、色は家庭用テレビのRGBではなく、映写機の色域を包むX′Y′Z′という色空間で記録されます。

DCPには、古いInterop DCPと、SMPTEの規格に沿ったSMPTE DCPの2種類があります。今から作るなら、映画祭や劇場の指定がない限りSMPTE DCPを選ぶのが一般的です。字幕は映像に焼き付けるか、XMLの字幕ファイルとしてパッケージに入れます。

DCPの作り方と間違えやすい点

作成には、無料のDCP-o-matic、Fraunhofer IISのeasyDCP、DaVinci Resolve Studioの書き出し機能がよく使われます。ProResなどの完成マスターを読み込んで変換する流れです。

間違えやすい点は次の通りです。

  • フレームレートが23.976fpsのまま。上映は24fpsが基本なので、24fpsに合わせて音声の速さも揃える
  • 画面の枠が合っていない。ビスタ(Flat)は1998×1080、シネスコ(Scope)は2048×858が2Kでの基準
  • テレビ向けのRec.709の色のまま作り、劇場で色が浅く見える
  • ファイル名がISDCFの命名規則に沿っておらず、劇場側で作品や版を取り違える

作ったDCPは、試写室や劇場の設備で一度通して上映し、色、音、字幕の位置を確かめてから納めます。

よくある質問

DCPはパソコンで再生できますか

一般的な動画プレーヤーでは再生できません。DCP-o-maticに付属のプレーヤーやeasyDCP Playerのような専用ソフトで確認できますが、暗号化されたDCPは鍵のKDMがないと再生できません。

DCPの容量はどれくらいになりますか

映像の最大ビットレートが250Mbpsなので、上限いっぱいで作ると2時間の作品で200GBを超えます。実際の容量は設定するビットレートで変わり、100Mbps前後で作れば半分以下に収まります。

DCPとIMFの違いは何ですか

DCPは映画館で上映するためのパッケージ、IMFは配信や放送向けの版を作るためのマスターです。どちらもMXFとXMLで構成しますが、色空間やフレームレートの決まりが違います。

似ている形式との違い

名前主に使う場面DCPとの違い
IMF配信・放送向けマスターDCPの考え方を元に作られた納品用パッケージ。上映ではなく、いろいろな出口向けの版を作るために使う
ProRes編集・マスター保存ポスプロで作る完成マスターの定番。DCPはこのマスターから変換して作ることが多い
Blu-ray小規模上映・家庭一部のミニシアターやイベント上映で受け付けることがある。映画館の標準の上映形式ではない

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