IMF.mxf.xml

Interoperable Master Format / アイエムエフ

映画やドラマの完成マスターを、映像・音声・字幕を別々のファイルに分けたまま1つのパッケージとして納品するための形式です。SMPTE ST 2067シリーズで規格化され、Netflixなどの配信事業者への納品で使われています。

規格
SMPTE ST 2067 シリーズ(初版は2013年)
策定団体
SMPTE
構成ファイル
CPL(再生の設計図)、PKL、ASSETMAP、MXFのトラックファイル
映像
Application 2E ではJPEG 2000(4K・HDRまで)
音声
24bit・48kHzのリニアPCMをMXFに格納
字幕
IMSC1系(TTMLの配信向けプロファイル)をMXFに格納
主な検証ツール
Netflix Photon(オープンソース)

納品仕様書に「IMF App 2E」と書かれていても、手元にある完成マスターのMOVを書き出し直せば済む話ではありません。IMFは1本の動画ファイルではなく、映像・音声・字幕を別々のMXFファイルに分け、それをどう組み合わせて再生するかをXMLで指示するパッケージだからです。

IMFが使われる場面

いちばん身近なのは、Netflixへの作品納品です。Netflixは、映像の納品をSMPTE ST 2067-21で定められたIMF Application 2Eで受け付けています。国内の制作会社やポスプロが、配信向けのドラマやアニメ、映画をIMFで書き出して納めるのは、この流れが中心です。

IMFが選ばれる理由は、言語違いや尺違いの版を効率よく作れる点にあります。映画を20の言語で配信するなら、映像は1本のまま、音声と字幕のファイルだけを差し替えた再生の設計図を用意すれば済みます。本編に修正が入った場合も、変わった部分だけを追加する補足パッケージで対応でき、全体を書き出し直す必要はありません。

映画会社や配信事業者のアーカイブでは、上映用のDCPとは別に、あとから各地域向けの版を作り出せるマスターとしてIMFで保管する例も増えています。EBUやイギリスのDPPも、放送局の番組交換にIMFを使う検討を進めてきました。

IMFパッケージの仕組み

IMFのパッケージ(IMP)は、1つのフォルダーに次のファイルが並ぶ構成です。

  • CPL(Composition Playlist)は、どの映像・音声・字幕を、どの時間から、どの順番で再生するかを書いたXML
  • PKL(Packing List)は、パッケージに含まれるファイルの一覧と、壊れていないかを確かめるハッシュ値
  • ASSETMAPは、各ファイルのIDと置き場所の対応表
  • トラックファイルは、映像、言語ごとの音声、字幕をそれぞれ入れたMXF

映像のコーデックは、どのApplication(用途別のプロファイル)を使うかで決まります。Application 2EではJPEG 2000を使い、SDから4K、SDRからHDRまでを扱えます。字幕はTTMLを配信向けに絞ったIMSC1の形で、MXFに包んで収めます。

IMFの作り方と納品で間違えやすい点

IMFの書き出しは、DaVinci Resolve Studio、Colorfront Transkoderなどの対応ソフトで行います。書き出したパッケージは、NetflixがオープンソースにしているPhotonのような検証ツールで、規格に沿っているかを確かめてから納めるのが一般的です。

つまずきやすいのは、音声の並びと字幕の形です。5.1chとステレオを別のトラックとして持つ、言語ごとにCPLを分けるなど、納品先ごとの細かい決まりがあります。字幕はSRTのままでは入れられず、IMSC1への変換が必要で、ルビや位置の指定がどう残るかも確認が要ります。フォルダーの中のファイルを1つでも手で差し替えると、PKLのハッシュ値と合わなくなり、検証で弾かれます。

よくある質問

IMFファイルはどうやって再生できますか

VLCなどの一般的なプレーヤーではパッケージとして再生できません。CPLを読んで再生できる専用のプレーヤーか、IMFに対応した編集・変換ソフトで開きます。

IMFとDCPの違いは何ですか

DCPは映画館のサーバーで上映するためのパッケージで、色やフレームレートが上映向けに決まっています。IMFは配信や放送など、いろいろな出口向けの版を作るためのマスターで、どちらもMXFとXMLで構成する点は共通しています。

IMFの字幕にはどの形式を使いますか

TTMLのプロファイルであるIMSC1を使います。字幕の形式ごとの違いは字幕ファイル形式の早見表で比べています。

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似ている形式との違い

名前主に使う場面IMFとの違い
DCP映画館での上映IMFの元になった上映用パッケージ。IMFは上映ではなく、配信や放送向けに作り分けるためのマスター
MXF OP1a放送局への納品映像と音声を1本のファイルにまとめる。言語違いの版ごとに丸ごと別ファイルが要る
ProRes編集・マスター保存コーデックの名前。QuickTimeのMOVで持つのが一般的で、IMFではProRes用のアプリケーションも定められている

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