信号・規格の用語一覧
放送局の納品仕様書や編集の現場で出てくる、拡張子・コーデック・字幕形式・規格・現場用語をまとめています。拡張子をそのまま入れても探せます。
A
- AES3 信号・規格 業務用のデジタル音声を機器間で受け渡すための規格で、1本のケーブルで2チャンネルの非圧縮音声を送ります。AESとEBUが共同で作ったため、現場ではAES/EBUと呼ばれることが多いです。
- AES67 信号・規格 メーカーや方式の違うIP音声の機器どうしが、非圧縮の音声をやり取りできるように決めた共通の送り方の規格です。AESが2013年に発行し、Dante、RAVENNA、LivewireなどがAES67に対応しています。
- ARIB 信号・規格 日本の通信・放送の電波利用システムについて、標準規格と技術資料を策定している一般社団法人です。デジタル放送の伝送方式、字幕、番組情報、ラウドネスの運用まで、放送の仕様書に出てくる「ARIB STD」「ARIB TR」はここが発行しています。
- ARIB STD-B10 信号・規格 日本のデジタル放送で、チャンネルの構成や番組名、放送時刻、ジャンルなどを受信機に伝える番組配列情報(SI)のデータ構造を定めたARIBの標準規格です。EPGや選局、録画予約の元データはこの規格の形で送られています。
- ARIB STD-B21 信号・規格 BSデジタル、110度CS(広帯域CS)デジタル、地上デジタルテレビジョン放送を受ける受信装置について、基本の機能、定格、性能の望ましい仕様を定めたARIBの標準規格です。テレビやレコーダー、チューナーの設計の土台になります。
- ARIB STD-B25 信号・規格 日本のデジタル放送で、番組にスクランブルをかけ、契約や権利に応じて受信機に解かせる仕組み(アクセス制御)を定めたARIBの標準規格です。B-CASカードなどが担う限定受信方式の中身は、この規格で決まっています。
- ARIB STD-B31 信号・規格 日本の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式(ISDB-T)を定めたARIBの標準規格です。13セグメントのOFDMの変調、誤り訂正、階層伝送、送信のパラメータと、送信所や中継局の運用ガイドラインがまとめられています。
- ARIB STD-B32 信号・規格 日本のデジタル放送で使う映像と音声の符号化方式、それらを1本の信号にまとめる多重化方式を定めたARIBの標準規格です。MPEG-2やHEVCなど国際規格のうち、放送で使える形式とパラメータの範囲をここで絞り込んでいます。
- ARIB STD-B60 信号・規格 新4K8K衛星放送などで、映像、音声、字幕、データをMMTで運ぶ方式と、その制御情報を定めたARIBの標準規格です。TSで送る2K放送のPSI/SIに当たる情報も、MMTの形でここに定義されています。
- ARIB STD-B62 信号・規格 新4K8K衛星放送のデータ放送と字幕・文字スーパーの符号化を定めたARIBの標準規格です。データ放送はHTML5、字幕はTTMLを土台にしたARIB-TTMLで記述し、2K放送のSTD-B24に代わる第2世代の方式になっています。
- ARIB TR-B14 信号・規格 日本の地上デジタルテレビジョン放送について、放送局での運用と受信機が持つべき機能を細かく定めたARIBの技術資料です。データ放送、番組情報、限定受信、コピー制御まで、方式の規格を実際の放送で使うための決まりが集まっています。
- ARIB TR-B15 信号・規格 BSデジタル放送と110度CS(広帯域CS)デジタル放送について、放送局での運用と受信機の機能仕様を定めたARIBの技術資料です。衛星の2K放送のデータ放送、番組情報、限定受信、コンテンツ保護の実際の決まりがここにあります。
- ARIB TR-B32 信号・規格 日本のデジタルテレビ放送で、番組とCMの音量感を揃えるためにARIBが定めたラウドネスの運用規定です。平均ラウドネス値の目標を-24 LKFS、許容範囲を±1 dB、トゥルーピークの上限を-1 dBTPとしています。
- ARIB TR-B39 信号・規格 新4K8K衛星放送(高度広帯域衛星デジタル放送)について、放送局での運用と受信機の機能仕様を定めたARIBの技術資料です。MMTによる多重化、ARIB-TTMLの字幕、HTML5のマルチメディアサービスの使い方がここで決まります。
B
- BML .bml 信号・規格 日本のデジタル放送で、データ放送の画面を書くための記述言語です。ARIB STD-B24で定められ、XHTMLを土台にした文書とCSS、ECMAScriptのスクリプトでニュースや天気、番組連動の画面を作ります。テレビに内蔵されたBMLブラウザが表示します。
- BT.2020 信号・規格 ITU-Rが2012年に定めた4K・8Kテレビの映像規格です。3840×2160と7680×4320の画素数、最大120Hzのフレームレート、BT.709より大幅に広い色域、10bitと12bitの量子化を決めています。
- BT.709 信号・規格 ITU-Rが定めたHDテレビの映像規格です。1920×1080の画素数やフレームレートに加え、色域と明るさの変換カーブ、輝度と色差の計算式を決めており、SDRのHD映像の色の基準として使われています。
C
D
E
G
H
- HDR 信号・規格 従来のSDRよりも明るい部分と暗い部分の幅を大きく取り、光の輝きや夜景を現実に近い明るさで表示する映像の方式です。PQとHLGの2つの方式があり、ITU-R BT.2100で規格化されています。
- HDR10 信号・規格 PQの明るさのカーブ、BT.2020の色域、10bitの量子化に、作品全体で1組の静的メタデータを付けたHDRフォーマットです。UHD Blu-rayで必須とされ、HDR対応のテレビや配信で最も広く再生できます。
- HLG 信号・規格 NHKとBBCが共同で開発したHDRの方式です。明るさを相対値で扱うためメタデータが要らず、SDRのテレビでもある程度そのまま映せる互換性があり、日本の4K8K衛星放送で採用されています。
L
- LKFS / LUFS 信号・規格 番組や楽曲のラウドネスを表す単位です。LKFSはITUやARIB、LUFSはEBUが使う呼び名で、どちらも同じ値を指します。デジタルの最大値を基準にするため、値は通常マイナスになります。
- Log撮影 信号・規格 被写体の明るさを対数(ログ)のカーブで記録し、白飛びや黒つぶれを抑えて広い明暗を残す撮影方法です。撮ったままでは眠い灰色がかった絵になり、編集でLUTやカラーグレーディングをかけて仕上げます。
- Long GOP 信号・規格 数フレームから数十フレームを1つのGOPにまとめ、Iフレームの間を前後との差分で記録する圧縮方式です。少ないデータ量で高い画質を出せる一方、編集ソフトでの動作は重くなりがちです。
- LTC 信号・規格 タイムコードを音声帯域のパルス信号にして、ケーブルや音声トラックで運ぶ形式です。SMPTE ST 12-1で規定され、カメラと録音機の同期、ライブ演出の機器の連動、テープやファイルの主たるタイムコードの記録に使われます。
M
P
S
- S-Log3 信号・規格 ソニーのカメラが使うLogガンマで、映画用フィルムのスキャンで使われてきたCineonに近い特性で広い明暗を記録します。色域のS-Gamut3かS-Gamut3.Cineと組み合わせて使い、LUTやグレーディングで仕上げます。
- SDI 信号・規格 非圧縮のデジタル映像と音声、タイムコードなどを、BNC端子の同軸ケーブル1本で送る業務用の映像伝送規格です。SMPTEが規格化しており、放送局のスタジオや中継車、業務用カメラやスイッチャーの接続で標準的に使われています。
- SMPTE 436M 信号・規格 SDI信号のVANCやVBIに載っている補助データを、MXFファイルの中にトラックとして格納するための規格です。放送用MXFに字幕やAFDを持たせるときに使われます。
V
- V-Log 信号・規格 パナソニックのカメラが使うLogガンマです。シネマカメラVARICAM向けに作られ、現在はLUMIXのミラーレスカメラにも搭載されています。色域V-Gamutと組み合わせて使い、LUTやグレーディングで仕上げます。
- VANC 信号・規格 SDIの映像信号のうち、画面に映らない垂直帰線の区間に載せる補助データのことです。字幕、タイムコード、AFD、CM差し替えの合図などが、映像と同じケーブルで同期して運ばれます。
- VITC 信号・規格 映像信号の垂直帰線区間にある走査線に、タイムコードを書き込む形式です。SMPTE ST 12-1で規定され、静止やスロー再生でも読めるのが特徴です。デジタルのSDIでは、アンシラリデータの中にVITCとして同じ情報が引き継がれています。
Y
0-9
- 1080i / 1080p 信号・規格 縦1080本のHD映像のうち、1枚の絵を奇数行と偶数行の2回に分けて送るのが1080i、1枚をまとめて送るのが1080pです。日本のテレビ放送のHDは1080iで運用されています。
- 12G-SDI 信号・規格 伝送速度11.88GbpsのSDIで、3840×2160の4K映像を60フレームまで同軸ケーブル1本で送れる規格です。SMPTE ST 2082として規格化され、4K制作のカメラやスイッチャー、モニターの接続に使われています。
- 29.97fps 信号・規格 日本や北米のテレビ放送の基準になっているフレームレートで、正確には30000÷1001、約29.97002997fpsです。NTSC方式のカラー化で30fpsをわずかに下げた名残で、ドロップフレームや30fps素材とのずれの原因になります。
- 3G-SDI 信号・規格 伝送速度2.97GbpsのSDIで、1080pの50・59.94・60フレームの映像を同軸ケーブル1本で送れる規格です。映像の詰め方にLevel AとLevel Bの2種類があり、機器どうしの相性問題の原因になりやすい規格でもあります。
- 3値シンク 信号・規格 HD以降の映像機器を同期させるための基準信号です。0Vから負、正へ振れて0Vに戻る3つの電圧レベルのパルスで、ブラックバーストより時間の基準点を正確に取れます。
- 4K / UHD 信号・規格 横およそ4,000画素の映像の総称が4Kで、テレビや配信で使う3840×2160をUHD、映画用の4096×2160をDCI 4Kと呼び分けます。UHDの画素数はフルHDのちょうど4倍です。
- 8K 信号・規格 横7680×縦4320画素の映像規格です。フルHDの16倍、4K(UHD)の4倍の画素数を持ち、日本では2018年12月からNHKがBS8Kで衛星放送を続けています。
ア
- アスペクト比 信号・規格 映像の横幅と高さの比率のことです。テレビやYouTubeは16:9、アナログ時代のテレビは4:3、縦型のショート動画は9:16が標準です。画面の比率と画素の形の比率を分けて考える必要があります。
- 色空間 信号・規格 映像の数値がどの色を指すかを決める約束事です。三原色の位置(色域)、白の基準(白色点)、明るさの変換(伝達特性)の組み合わせで決まり、BT.709、BT.2020、DCI-P3、sRGBなどがあります。
- オールイントラ 信号・規格 動画のすべてのフレームを、前後のフレームを参照せず1枚ずつ独立して圧縮する方式です。データ量は大きくなりますが、どのフレームでも単独で復元できるため、編集ソフトでの動作が軽く、切り出しも正確です。
カ
- カラーバー 信号・規格 白・黄・シアン・緑・マゼンタ・赤・青の縦縞を並べた基準映像です。映像レベルやモニターの色を合わせる物差しとして、機材の調整や番組素材の頭に入れて使います。
- クロマサブサンプリング 信号・規格 映像を明るさ(輝度)と色差に分けたうえで、人の目が気づきにくい色差の情報を間引いてデータ量を減らす仕組みです。4:2:2や4:2:0のような比で表し、放送の素材は4:2:2、配信や家庭用の機器は4:2:0が一般的です。
- ゲンロック 信号・規格 カメラやスイッチャー、送出機器などの映像のタイミングを、共通の基準信号にそろえる同期のことです。フレームの頭と走査の位置が全機器で一致するので、スイッチャーで切り替えても映像が乱れません。
サ
タ
- タイムコード 信号・規格 映像の1コマごとに「時・分・秒・フレーム」の番地を振る仕組みです。SMPTE ST 12-1で規定され、編集点の指定、カメラと録音機の同期、納品素材の頭合わせ、字幕の表示位置まで、制作と放送のあらゆる工程で基準として使われます。
- データカルーセル 信号・規格 データ放送のファイルなどを放送波で届けるために、同じデータを一定の周期で繰り返し送り続ける伝送の方式です。MPEG-2のDSM-CCで定められた仕組みで、日本のデジタル放送ではBMLの文書や画像をこの方式でTSに多重して送っています。
- ドロップフレーム 信号・規格 29.97fpsや59.94fpsの素材で、タイムコードの番号を決まった規則で飛ばし、表示される時刻を実時間に合わせる数え方です。飛ばすのは番号だけで、映像のコマは1枚も捨てません。飛ばさない数え方はノンドロップフレームと呼びます。
ハ
- ビット深度 信号・規格 映像の1画素の明るさや色を、何段階の数値で表すかを示す値です。8bitは各成分256段階、10bitは1,024段階で、ビット数が多いほど滑らかな階調を記録でき、Log撮影やHDRでは10bit以上が前提になります。
- ビットレート 信号・規格 1秒あたりに使うデータ量のことで、動画では映像や音声を圧縮したあとの情報量を表します。単位はbps(ビット毎秒)で、Mbpsがよく使われます。画質とファイルサイズの両方を左右する数値です。
- フルレンジ / リミテッドレンジ 信号・規格 映像の数値のうち、どこからどこまでを黒から白に割り当てるかの違いです。8bitなら16〜235を使うのがリミテッドレンジ、0〜255をすべて使うのがフルレンジで、解釈を取り違えると黒が浮いたり潰れたりします。
- フレームレート 信号・規格 動画が1秒間に何枚の静止画(フレーム)で構成されるかを表す値で、単位はfpsです。日本の放送は29.97fps(59.94i)、映画は24fps、欧州などの旧PAL圏は25fpsが基準になっており、撮影から納品まで同じ値でそろえるのが基本です。