CBR / VBR
Constant Bit Rate / Variable Bit Rate / シービーアール ブイビーアール
圧縮した映像や音声のデータ量を、時間を通して一定に保つのがCBR(固定ビットレート)、場面の難しさに合わせて増減させるのがVBR(可変ビットレート)です。書き出しや配信のエンコード設定で選びます。
- CBR
- Constant Bit Rate。データ量を常に一定に保つ
- VBR
- Variable Bit Rate。平均値を目標に、場面ごとにデータ量を配分する
- 2パスVBR
- 1回目で映像全体を解析し、2回目で配分を決めて圧縮する方式
- 品質固定の方式
- x264・x265のCRF、OBSのCQPなど。データ量ではなく画質を指定する
- ライブ配信
- YouTubeのライブ用エンコーダ設定はCBRを指定している
- 業務用の例
- XDCAM HD422 50MbpsはCBR、XDCAM HDの35MbpsモードはVBR
エンコーダの設定画面で「CBR」「VBR」「2パス」と並んでいて、どれを選べばよいか迷う人は多いはずです。答えは用途で決まります。回線の帯域に収める必要があるライブ配信や伝送はCBR、ファイルとして渡す書き出しはVBRが基本です。
CBRとVBRが使われる場面
ライブ配信では、CBRが標準です。YouTubeはライブ用のエンコーダ設定でレート制御にCBRを指定しており、OBSで配信する場合もCBRを選ぶのが一般的です。配信中にデータ量が急に跳ね上がると、上り回線に収まらずコマ落ちや切断が起きるため、上限が読めることが優先されます。
ファイルの書き出しでは、VBRが主流です。Premiere ProやAdobe Media EncoderでH.264を書き出すときは「CBR」「VBR、1パス」「VBR、2パス」から選べ、Web用やアーカイブ用にはVBRが使われます。動きの少ない場面でデータ量を節約し、その分を動きの激しい場面に回せるので、同じファイルサイズでも画質が上がります。
業務用カメラの記録形式でも使い分けがあります。XDCAM HD422の50MbpsモードはCBR、XDCAM HDの35MbpsモードはVBRです。放送波そのものは伝送路の帯域が決まっているため、最終的には一定レートのストリームとして送られます。
CBRとVBRの仕組みと2パスの違い
CBRは、1秒ごとのデータ量を目標値の近くに保ちます。簡単な場面ではデータが余り、難しい場面では足りなくなるので、画質は場面によって上下します。
VBRは、平均ビットレートを目標にしながら、場面の難しさに応じてデータを配分します。多くのエンコーダでは平均値と最大値の2つを指定します。1パスは映像を先頭から順に見ながら配分を決め、2パスは1回目で全体を解析してから2回目で配分するため、同じ平均値でも画質が安定します。そのかわりエンコード時間はおよそ2倍です。
x264やx265のCRF、OBSのCQPのように、データ量ではなく画質の水準を指定する方式もあります。仕上がりの画質は揃いますが、ファイルサイズは書き出すまで分かりません。
CBRとVBRを設定するときに間違えやすい点
VBRの最大値を大きくしすぎると、配信で問題になります。AppleのHLSの作成ガイドラインは、オンデマンドの動画では最大ビットレートを平均の200%以内に収めるよう求めています。平均だけ見て設定すると、一瞬のピークでプレイヤーのバッファが尽きることがあります。
ライブ配信でCBRを選んでも、設定値が回線の実効速度に近すぎると安定しません。上り速度を測ってから、音声の分も含めて十分な余裕を残した値にします。
局への納品では、CBRかVBRかは仕様書で決まっています。自分で選べる場面ではないので、書き出しプリセットが仕様どおりの方式になっているか、ビットレートの値と一緒に確かめてください。
よくある質問
CBRとVBRはどちらが画質が良いですか
同じ平均ビットレートなら、VBRのほうが画質は良くなります。難しい場面にデータを多く回せるためです。CBRを選ぶ理由は画質ではなく、データ量の上限を守れることにあります。
ライブ配信はなぜCBRが推奨されるのですか
データ量が一定なら、回線の帯域を超えずに送り続けられるからです。YouTubeやTwitchのようにRTMPで映像を受け付ける配信サービスは、エンコーダの推奨設定でCBRを指定しています。
2パスエンコードは何をしているのですか
1回目で映像全体を解析して、どの場面が圧縮しにくいかを調べます。2回目でその結果をもとにデータ量を配分して本番の圧縮をします。時間はかかりますが、ファイルサイズを決めたうえで画質を最大にしたいときに向いています。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
関連する用語
最終更新
