タイムコード
SMPTE Timecode / タイムコード
映像の1コマごとに「時・分・秒・フレーム」の番地を振る仕組みです。SMPTE ST 12-1で規定され、編集点の指定、カメラと録音機の同期、納品素材の頭合わせ、字幕の表示位置まで、制作と放送のあらゆる工程で基準として使われます。
- 規格
- SMPTE ST 12-1
- 表記
- 時・分・秒・フレームの4組(01:00:00:00の形)
- 範囲
- 00:00:00:00から23:59:59の最終フレームまで
- 数え方
- ノンドロップフレーム、ドロップフレーム(29.97fpsと59.94fps)
- 記録のされ方
- LTC、VITC、SDIのアンシラリデータ(SMPTE ST 12-2)、ファイル内のタイムコードトラック
- 進め方
- レックラン(録画中だけ進む)、フリーラン(時計のように常に進む)
編集ソフトの画面に出ている「01:00:00:00」のような8桁の数字がタイムコードです。時計のように見えますが、実際には映像の1コマごとに振られた番地で、最後の2桁は秒ではなくフレームの番号を表しています。
タイムコードが使われる場面
撮影では、複数のカメラと録音機に同じタイムコードを入れておき、編集で素材を並べたときに一発で同期させます。ドラマや音楽ライブの収録では、録音部の機器から各カメラへタイムコードを配る「ジャムシンク」が定番の準備作業です。
編集では、EDLなどの編集データが「どの素材のどこからどこまでを、タイムラインのどこに置くか」をすべてタイムコードで書いています。オフライン編集からオンライン編集へ、編集からMAへと工程をまたぐとき、共通の番地として働きます。
納品でも欠かせません。番組の完パケは本編の頭を01:00:00:00にそろえる指定がよく見られ、テレビCMの素材搬入基準では、CMの開始点を「任意の時・00分00秒00フレーム」にすることが定められています。字幕の制作では、字幕の出る位置と消える位置を素材のタイムコードで指定します。
タイムコードの仕組みと表記の読み方
表記は「時:分:秒:フレーム」の4組です。フレームの桁はフレームレートによって上限が変わり、25fpsなら00〜24、30fpsや29.97fpsなら00〜29まで数えてから秒が1つ進みます。24時間を超えると00:00:00:00に戻ります。
29.97fpsの素材を30の数え方のまま進めると、実時間から1時間で約3.6秒ずれます。このずれを番号の飛ばし方で吸収するのがドロップフレームで、表記の最後の区切りがセミコロンになっていたらドロップフレームだと分かります。
タイムコードがどこに記録されているかは、機材や時代によって違います。音声の信号として録るLTC、映像の走査線に書き込むVITC、SDIの信号の中に埋め込むもの、MXFやMOVのファイルの中にタイムコードのトラックとして持つものがあります。
タイムコードの設定で間違えやすい点
撮影から納品までで起きやすい取り違えは次の通りです。
- カメラをレックランにしたまま複数台で撮り、同じ時刻のはずのタイムコードがカメラごとにばらばらになる。同期させたいならフリーランにして全台をジャムシンクする
- フリーランでジャムシンクしたあと、長時間のうちにカメラの内部時計がずれていく。休憩のたびに合わせ直すか、外部のタイムコード発生器をつなぎっぱなしにする
- ドロップフレームとノンドロップフレームの素材が混ざり、同じ場面の時刻表示が素材ごとに違って見える
- 素材は01:00:00:00始まりなのに、字幕ファイルは00:00:00:00始まりで作られていて、1時間ずれる
どれも素材を受け取った時点で確かめられることなので、仕様書の段階で開始タイムコードと数え方を決めておくのが確実です。フレームレートとの関係は、29.97fpsとドロップフレームのコラムで詳しく解説しています。
よくある質問
タイムコードの見方を教えてください
左から時、分、秒、フレームです。01:02:03:15なら、1時間2分3秒の位置から15コマ目という意味になります。最後の区切りがセミコロンならドロップフレームです。
複数のカメラのタイムコードを合わせるにはどうすればよいですか
全台をフリーランにし、1台のカメラかタイムコード発生器から同じタイムコードを配ってジャムシンクします。長時間の撮影では、発生器を各カメラにつけたままにしておくとずれにくくなります。
編集ソフトで素材のタイムコードを変更できますか
Premiere Proではクリップの「変更」メニューの「タイムコード」から、DaVinci Resolveではクリップ属性から、開始タイムコードを書き換えられます。元のファイルは変わらず、プロジェクトの中での表示だけが変わります。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | タイムコードとの違い |
|---|---|---|
| 実時間の表記 | SRTなどの字幕ファイル・Web動画 | 時・分・秒とミリ秒で時刻を持ち、フレームの番号は持たない。変換のたびに端数が出る |
| フレーム番号 | VFX・連番画像 | 先頭から通しで数えた整数。フレームレートが分からないと時刻に読み替えられない |
| MIDIタイムコード | DAW・照明・演出機器の同期 | SMPTEのタイムコードをMIDIの信号で送る形式。映像の中には記録されない |
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