ビットレート
Bit rate / ビットレート
1秒あたりに使うデータ量のことで、動画では映像や音声を圧縮したあとの情報量を表します。単位はbps(ビット毎秒)で、Mbpsがよく使われます。画質とファイルサイズの両方を左右する数値です。
- 単位
- bps(ビット毎秒)。映像ではMbps(100万bps)が一般的
- ファイルサイズの目安
- ビットレート(Mbps)× 秒数 ÷ 8 = メガバイト
- 制御方式
- CBR(固定)、VBR(可変)など
- 業務用の例
- XDCAM HD422は50Mbps、AVC-Intra 100は100Mbps
- 編集用の例
- ProRes 422 HQは1080p・29.97fpsで約220Mbps
- Web配信の例
- YouTubeの推奨アップロード値は1080p・30fpsのSDRで8Mbps
書き出し設定の画面や納品仕様書で「50Mbps」「8Mbps」と書かれていても、その数字だけで画質は決まりません。ビットレートは1秒間に使えるデータの量で、同じ数字でもコーデックが違えば見た目は大きく変わります。
ビットレートが使われる場面
いちばん身近なのは書き出しの設定です。Premiere ProやDaVinci Resolveで動画を書き出すとき、H.264やHEVCでは目標のビットレートを数値で指定します。数値を上げれば画質は上がり、ファイルは大きくなります。
放送の納品では、ビットレートはコーデック名とセットで仕様書に書かれます。「XDCAM HD422 50Mbps」のように、局が受け入れる形式が決まっていて、制作側に選ぶ余地はありません。カメラの収録モードも同じで、業務用カメラの記録形式は名前の中にビットレートが入っていることが多く、AVC-Intra 100は100Mbpsで記録します。
配信では、1本の動画を複数のビットレートで用意し、視聴者の回線に合わせて切り替えるABRが一般的です。YouTubeは1080p・30fpsのSDRで8Mbpsをアップロードの推奨値としています。
ビットレートからファイルサイズを計算する方法
ビットレートの単位はビット、ファイルサイズの単位はバイトで、1バイトは8ビットです。そのため「ビットレート(Mbps)× 秒数 ÷ 8」でメガバイトが出ます。
例を挙げると次の通りです。
- 50Mbpsで60分:50 × 3,600 ÷ 8 = 22,500MB で約22.5GB
- 8Mbpsで10分:8 × 600 ÷ 8 = 600MB
- 220Mbpsで1分:220 × 60 ÷ 8 = 1,650MB で約1.65GB
これは映像だけの数字なので、音声の分を上乗せします。非圧縮のステレオ音声(48kHz・24bit)は約2.3Mbpsで、8チャンネルならその4倍です。アーカイブのストレージ容量を見積もるときも、この式が出発点になります。
ビットレートと画質の関係、設定の考え方
同じビットレートでも、圧縮効率の高いコーデックほど画質は上がります。HEVCはH.264と比べて同じ画質をより少ないデータ量で出せるとされ、配信でHEVCが選ばれる理由の1つです。反対に、ProResのように編集しやすさを優先したコーデックは、H.264の10倍以上のビットレートを使います。
画質の決まり方には、GOPの構造も効いてきます。前後のフレームとの差分だけを記録するLong GOPは少ないデータ量で済み、全フレームを1枚ずつ圧縮するオールイントラは多くのデータを使います。50MbpsのLong GOPと100Mbpsのオールイントラは、数字だけでは優劣を比べられません。
映像の中身も影響します。動きが少ないインタビューは低いビットレートでも破綻しにくく、紙吹雪や水しぶき、細かい葉が揺れる映像はブロックノイズが出やすくなります。こうした場面が多い素材では、平均値だけでなくCBRかVBRかという配分の方法も確認しておくと安心です。
よくある質問
ビットレートは高いほど良いのですか
画質の面では高いほど有利ですが、上げるほど効果は小さくなり、ファイルは大きくなります。配信や送信では回線の帯域を超えると再生が止まるため、用途に合った値を選ぶことが大切です。
ビットレートとフレームレートの違いは何ですか
ビットレートは1秒あたりのデータ量、フレームレートは1秒あたりのコマ数です。フレームレートを上げると1秒に記録する絵が増えるので、同じ画質を保つにはビットレートも上げる必要があります。
動画のビットレートはどうやって確認できますか
MediaInfoでファイルを開くと、映像の欄に「Bit rate」として表示されます。Windowsではファイルのプロパティの詳細タブ、Macでは QuickTime Player のムービーインスペクタでも確認できます。
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