GOP
Group of Pictures / ジーオーピー
動画を圧縮するときにひとまとまりとして扱うフレームの組のことです。先頭の独立したIフレームと、差分を記録するPフレームやBフレームで構成され、その長さが編集のしやすさや配信の区切りを左右します。
- 正式名称
- Group of Pictures
- フレームの種類
- Iフレーム(単独で復元できる)、Pフレーム(前を参照)、Bフレーム(前後を参照)
- GOP長
- 次のIフレームまでのフレーム数。キーフレーム間隔とも呼ぶ
- 構造の種類
- クローズドGOP(GOPの外を参照しない)、オープンGOP(前のGOPを参照する)
- H.264以降の先頭フレーム
- IDRフレーム。それ以前のフレームを参照させない
- 配信での目安
- YouTubeのライブ推奨は2秒ごと、AppleのHLSガイドラインも2秒ごと
配信サービスの推奨設定に「キーフレーム間隔2秒」とあったり、編集ソフトで特定の素材だけ動作が重かったりするとき、裏にあるのがGOPです。GOPは圧縮のときに「どのフレームを基準にして、どこまで差分で済ませるか」を決めるまとまりで、その長さが配信の区切りや編集の軽さにつながります。
GOPが使われる場面
ライブ配信では、GOPの長さを秒で指定する場面がよくあります。YouTubeはライブ用エンコーダの推奨設定でキーフレームを2秒ごとにするよう求めており、4秒を超えないよう注意書きがあります。OBSでは「キーフレーム間隔」の欄に秒数を入れ、FFmpegでは -g オプションでフレーム数を指定します。30fpsで2秒なら60フレームです。
オンデマンド配信でも同じ考え方をします。HLSでは動画を数秒ごとのセグメントに区切り、各セグメントはIDRフレームから始める必要があります。Appleのガイドラインはセグメントの長さを6秒、キーフレームを2秒ごとにすることを推奨しています。GOPが揃っていないと、画質の切り替えや途中からの再生がうまくいきません。
収録や納品では、GOPの構造がコーデックの性格を決めます。XDCAM HD422やAVC-LongGのように長いGOPを使う形式と、ProResやAVC-Intraのように全フレームを独立させる形式があり、納品仕様書ではコーデック名でどちらかが指定されます。
GOPの仕組み、I・P・Bフレームの違い
Iフレームは1枚の静止画として圧縮され、それだけで絵を復元できます。Pフレームは前のフレームとの差分だけを記録し、Bフレームは前後両方のフレームを参照します。差分で済むPやBはデータ量が小さく、Iフレームは大きくなります。
GOPはIフレームから次のIフレームの手前までのまとまりです。GOPを長くするとIフレームが減ってデータ量が節約でき、短くすると途中から再生を始めたときの待ち時間や、編集で任意の位置を切るときの負担が減ります。
GOPの外側のフレームを参照しないものをクローズドGOP、前のGOPのフレームを参照するものをオープンGOPと呼びます。YouTubeはアップロード用の推奨設定でクローズドGOPを指定しています。H.264やHEVCでは、それ以前のフレームを一切参照させない特別なIフレームをIDRフレームと呼び、配信の区切りにはこちらが使われます。
GOPの設定で間違えやすい点
キーフレーム間隔を秒で考えるか、フレーム数で考えるかを取り違えるのがよくある失敗です。FFmpegの -g 60 は60フレームの意味で、60fpsの映像なら1秒、30fpsなら2秒になります。フレームレートを変えたら、GOPの設定も見直してください。
x264などのエンコーダは、場面が切り替わった瞬間に自動でIフレームを入れる機能を持っています。ファイルの書き出しでは画質のために有効ですが、配信のセグメントを一定間隔で揃えたいときは、この挿入がGOPの長さを不揃いにする原因になります。
よくある質問
GOPは長いほうが画質が良いのですか
同じビットレートなら、GOPが長いほどIフレームが減るので、差分に回せるデータが増えて画質は上がりやすくなります。ただし、途中からの再生や編集での切り出しは重くなり、データが欠けたときの乱れも次のIフレームまで続きます。
キーフレーム間隔は何秒にすればよいですか
ライブ配信なら2秒が一般的な値で、YouTubeもこれを推奨しています。オンデマンド配信ではセグメント長で割り切れる値にします。細かな理由はHLSとMPEG-DASHの違いで扱っています。
GOPを確認する方法はありますか
ffprobeでフレームごとの種類を出力すると、IやPやBの並びからGOPの長さが分かります。MediaInfoでも、コーデックによっては「Format settings, GOP」の欄に構造が表示されます。
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