カラーバー
Color Bars / カラーバー
白・黄・シアン・緑・マゼンタ・赤・青の縦縞を並べた基準映像です。映像レベルやモニターの色を合わせる物差しとして、機材の調整や番組素材の頭に入れて使います。
- 英語表記
- Color Bars
- 日本のHD用規格
- ARIB STD-B28(マルチフォーマット・カラーバー、2000年策定)
- SMPTEの対応規格
- SMPTE RP 219(ARIB STD-B28をもとに2002年に発行)
- UHD用規格
- ARIB STD-B66(UHDTVマルチフォーマット・カラーバー)
- HDR用
- ITU-R BT.2111
- 主な構成
- 75%カラーバー、100%白、Yランプ、PLUGE(黒レベル調整用)
- 一緒に入れる音
- 1kHzの正弦波(基準レベルのトーン)
テレビ局に納める番組素材の頭に入っている、7色の縦縞と「ピー」という音。あれは飾りではなく、受け取った側が映像と音のレベルを確かめるための物差しです。日本の放送で使うHDのカラーバーは、ARIB STD-B28という規格で形が決まっています。
カラーバーが使われる場面
目にする機会が多いのは、完パケの素材の頭です。納品仕様書には、カラーバーと1kHzのトーン、番組名などを書いたスレート、黒味、本編という並びと、それぞれの長さが指定されていることがよくあります。受け取った局は、波形モニターでカラーバーの各色のレベルを見て、素材の映像レベルが途中の変換でずれていないかを確かめます。
撮影の現場では、カメラから出したカラーバーを収録の頭に数十秒入れておく習慣があります。業務用カメラの多くはメニューやボタン1つでカラーバーを出力でき、これを収録しておくと、編集室で素材ごとのレベル差を確かめられます。
マスターモニターの調整にも使います。カラーバーの下段にあるPLUGEと呼ばれる黒に近い細い帯を見ながら、モニターの明るさを合わせます。
ARIB STD-B28カラーバーの仕組み
ARIB STD-B28は、HDの16:9で使いつつ、SDの4:3にダウンコンバートしてもそのまま物差しとして使えるように作られたカラーバーです。上から4つの段で構成されています。
- 1段目は75%のカラーバー(白・黄・シアン・緑・マゼンタ・赤・青)で、4:3の範囲に収め、外側は40%グレー
- 2段目は色合わせ用の75%白と、両端の100%シアン・100%青。シアンの隣の1区画は75%白、100%白、+I信号から運用で選ぶ
- 3段目は黒から白へ明るさが連続して変わるYランプで、デジタル処理のビット落ちを見つける
- 4段目は100%白と黒、HD用とSD用のPLUGE(-2%、+2%、+4%の帯)
10bitの値で見ると、75%白の輝度は721、100%白は940、黒は64です。波形モニターでこの値に乗っていれば、レベルは正しく通っています。
カラーバーを書き出すときに間違えやすい点
編集ソフトで作ったカラーバーを書き出すと、途中のレベル変換で値がずれることがあります。素材のレンジと書き出し設定のフルレンジ・リミテッドレンジの扱いが食い違うと、白が940より上に出たり、黒が64より下に沈んだりして、局の検査で映像レベルの異常として指摘されます。書き出した素材を波形モニターやスコープで一度見ておくと確実です。
トーンのレベルも確かめます。基準にするレベルは地域や納品先で異なり、欧州ではEBUの勧告に沿って最大値より18dB低い-18dBFSを使います。海外で作った素材をそのまま納めると、納品仕様書の指定と食い違うことがあります。
HDRの番組では、SDRのカラーバーをそのまま使うと物差しになりません。HDR用にはITU-R BT.2111のカラーバーがあり、HLGかPQかで値が変わります。
よくある質問
カラーバーの「ピー」という音は何ですか
1kHzの正弦波で、音声レベルの基準を示すトーンです。受け取った側はこの音をメーターで見て、素材の音声レベルが基準どおりかを確かめます。番組本編の音量の目安は、これとは別にラウドネスの値で管理します。
カラーバーは何秒入れればいいですか
長さは局や納品先の仕様書で決まっており、一律の決まりはありません。仕様書に指定がないときは、納品先に確認するのが確実です。
Premiere ProやDaVinci Resolveでカラーバーは作れますか
どちらもカラーバーを生成する機能があり、タイムラインに置いて書き出せます。ただしソフトが生成するパターンがARIB STD-B28と同じとは限らないので、局の指定がARIB準拠なら、準拠した素材や信号発生器の出力を使うほうが確実です。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | カラーバーとの違い |
|---|---|---|
| EBUカラーバー | 欧州の放送 | 8本の縦縞を画面全体に並べたシンプルな形式。PLUGEやランプは含まない |
| SMPTEカラーバー(SD) | 北米のSD時代の基準 | 4:3画面用。HDの16:9に対応するため作られたのがARIB STD-B28とSMPTE RP 219 |
| ブラック(黒味) | 素材の頭や尻の余白 | 映像レベル0%の黒一色。レベルの物差しにはならず、カラーバーの後や本編の前後に置く |
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