CM素材搬入
シーエムソザイハンニュウ
完成したテレビCMの素材を、放送局が定める搬入基準に沿った形式で局へ届けることです。現在はXDCAMのプロフェッショナルディスクか、オンライン送稿のどちらかで、MXFファイルとメタデータのXMLを納めます。
- よりどころ
- 日本民間放送連盟と日本広告業協会の「テレビCM素材搬入基準」と各局の基準
- 搬入の方法
- オンライン送稿、プロフェッショナルディスク(XDCAM)
- ファイル形式
- MXF。映像はMPEG HD422 50Mbps
- 映像フォーマット
- 有効走査線1080本、インターレース、16:9、フィールド周波数59.94Hz
- 音声
- リニアPCM 48kHz 24bit。ステレオは第1チャンネルがL、第2チャンネルがR
- ラウドネス
- 制作時の目標は平均ラウドネス値-24.0LKFS。記録票かメタデータに数値を記入
- 識別コード
- 10桁CMコード(広告事業者コード4桁と素材コード6桁)
- ファイル名
- CM_10桁CMコード.MXF(メタデータはCM_10桁CMコード.XML)
テレビCMは、ポストプロダクションで仕上げた映像をそのまま局に送っても受け付けてもらえません。映像と音声の形式、素材の頭に付ける信号、ファイル名、メタデータまで、業界で共通の搬入基準が決まっていて、それに合わせた素材だけが放送されます。
CM素材搬入の現場での使われ方
CMの完パケができると、広告会社が放送局ごとの放送スケジュールに合わせて素材を届けます。方法は2つあります。1つはソニーのXDCAM用プロフェッショナルディスクに記録して運ぶ方法、もう1つはネットワーク経由で送るオンライン送稿です。オンライン送稿は2017年10月に東京・名古屋・大阪を含む19局で始まり、送稿の仕組みは広告EDIセンターが担っています。
局に届いた素材は、CMバンクと呼ばれる送出用のサーバーに登録され、放送時刻になるとマスターから自動で送り出されます。搬入の前後には、局の考査部門によるCM考査が別に進みます。
すべてのCM素材には、10桁CMコードが付きます。先頭4桁が共通コード管理センターの発番する広告事業者コード、後ろ6桁が広告事業者が素材ごとに付ける素材コードで、表記では「9AB8=CDE765」のようにイコールでつなぎます。秒数や音声モードが違えば別の素材として別のコードになり、コードのない素材は原則として放送できません。
CM素材の構成とファイルの決まり
搬入基準に沿った素材の構成は、おおよそ次の通りです。
- 冒頭にカラーバーと1kHzの基準音。カラーバーの長さは5秒が推奨
- 続いて、素材広告主名、CM素材名、10桁CMコード、素材秒数、音声種別、CM字幕の有無を書いたクレジット
- CM開始点の3秒前からファーストカット、CMの後にラストカットを3秒
- CM本編の開始から0.5秒と、終わりの0.5秒は無音
タイムコードはドロップフレームで、CM開始点の分・秒・フレームが00分00秒00フレームにそろうように記録します。時の桁は01〜23の任意の値で、00時は原則として使いません。ファイルはXDCAM方式のMXFで、映像はMPEG HD422 50Mbps、ファイル名はすべて半角英数大文字で「CM_10桁CMコード.MXF」とします。同じ媒体には、素材の情報を書いたメタデータのXMLを1つだけ添えます。
CM素材搬入で間違えやすい点・トラブル
差し戻しで多いのは音です。制作時に目標とする平均ラウドネス値は-24.0LKFSで、記録票かメタデータに小数点以下1桁まで書きます。-28.0LKFSを下回る場合は理由も書き添える決まりで、基準を守っていない素材は不良素材として作り直しを求められます。5.1chサラウンドのCMでは、ステレオにダウンミックスした音声を第7・第8チャンネルに入れる決まりがあり、ここが抜けていると作り直しになります。
ほかにも、CM素材名が全角30文字を超えている、ファイル名を手で書き換えてしまった、ディスクのフォルダ構造を変えてしまった、といった形式面のミスで差し戻されることがあります。完パケの工程全体は完パケとは?白完との違いと納品までの工程で整理しています。
よくある質問
CM素材はMP4で搬入できますか
地上波の民放では、搬入基準で決められたXDCAM方式のMXFが前提で、MP4のままでは受け付けてもらえません。編集ソフトからMP4やMOVで書き出した素材は、ポストプロダクションで搬入用の形式に変換してもらうのが一般的です。
10桁CMコードはどうやって取得しますか
先頭4桁の広告事業者コードは、共通コード管理センターに登録すると発番されます。後ろ6桁の素材コードは広告事業者が素材ごとに自分で付けます。
CMのオンライン送稿とXDCAM搬入はどちらが多いですか
オンライン送稿に対応する局は2017年以降に増えていますが、ディスクでの搬入を併用する局もあります。どちらを使えるかは、放送する局と広告会社に確認してください。
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