映像アーカイブ
エイゾウアーカイブ
放送済みの番組や取材映像を、後から探して再利用できる形で長く保存しておくこと、またその保存の仕組みや施設のことです。保存媒体の世代交代と、探すための情報付けが大きな課題になります。
- 意味
- 番組や取材素材を、検索・再利用できる形で長期保存すること。またその保存庫
- 主な保存媒体
- LTO(LTFS)、光ディスク、ディスクストレージ、クラウドストレージ
- よく使われる保存形式
- MXF(XDCAM HD422など)
- 探すための情報
- 番組名、放送日、出演者、内容の記述などのメタデータ
- 国内の代表的な施設
- NHKアーカイブス(埼玉県川口市)、放送ライブラリー(横浜市)
- 長期保存の課題
- 媒体と再生機の世代交代に合わせた移し替え(マイグレーション)
映像アーカイブで難しいのは、保存することよりも、後で見つけて使えるようにしておくことです。棚にテープが何万本あっても、どの1本に何が映っているかが分からなければ、使える資産にはなりません。
映像アーカイブが使われる場面
いちばん身近なのは報道です。大きな災害から何年という節目の特集、著名人の訃報、事件の続報では、過去のニュース映像がすぐに必要になります。記者はアーカイブを検索し、当時の映像を取り寄せて番組に組み込みます。
番組の再放送や配信での二次利用もアーカイブが支えます。ドラマやドキュメンタリーを配信サービスに出すときは、保存してある完パケを探し出し、配信用の形式に変換します。このとき、出演者や音楽の権利がどこまで処理済みかという記録も一緒に必要になります。
公共の施設としては、NHKアーカイブス(埼玉県川口市)が過去の番組を保存し、一部を公開ライブラリーで視聴できるようにしています。横浜市の放送ライブラリーは、NHKと民放の番組を収集して一般に公開しています。
映像アーカイブの保存媒体と形式の選び方
放送局のアーカイブでは、MXFのファイルをLTOのデータテープに保存する形が広く使われています。LTOは容量あたりの費用が安く、電源を入れずに棚で保管できるためです。LTFSという形式で書き込めば、テープの中身をフォルダのように見られます。すぐに使う素材はディスクストレージに置き、使用頻度に応じてテープやクラウドへ移す階層型の運用が一般的です。
形式を選ぶときの基本は、将来も読めるものにしておくことです。独自形式や特殊なコーデックは避け、放送で広く使われているMXFとXDCAM HD422のような組み合わせに寄せておくと、機材が変わっても読み出せる見込みが高くなります。
映像アーカイブで探せない・再生できないとき
探せない原因の多くは、メタデータの不足です。番組名と放送日しか登録されていないと、「この政治家が映っている場面」「桜の空撮」のような探し方ができません。書き起こしや映っている文字、人物の情報を後から付ける作業には手間がかかるため、音声認識や文字認識で下書きを作る取り組みが進んでいます。
再生できない原因は、媒体と機材の世代交代です。U-maticやベータカム、HDCAMなどの古いテープは、再生できるVTRと保守部品が年々減っています。磁気テープの劣化も進むため、再生できるうちにファイルへ移し替える作業が各地で続いています。LTOも、ドライブが読み書きできる世代は限られるので、新しい世代への移し替えを計画に入れておく必要があります。
よくある質問
映像アーカイブにはどの保存媒体が向いていますか
放送局の規模なら、LTOとディスクストレージの組み合わせが主流です。容量が小さく頻繁に使うなら、ディスクストレージとクラウドの組み合わせでも運用できます。どれを選んでも、世代が変わるときの移し替えを前提にしてください。
古いビデオテープの映像はどうすれば残せますか
再生機が手に入るうちに、ファイルへデジタル化するのが唯一の方法です。業務用テープの場合は、対応するVTRを持つ専門の業者に依頼するのが確実です。
映像アーカイブとMAMは何が違いますか
映像アーカイブは素材を長期に保存することや保存先を指し、MAMはその素材を検索し、出し入れするための管理システムです。多くの局では、MAMからアーカイブを操作する形で両者を組み合わせています。
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似ている用語との違い
| 名前 | 主に使う場面 | 映像アーカイブとの違い |
|---|---|---|
| MAM | 素材の管理システム | アーカイブへの出し入れや検索を担う仕組み。アーカイブは保存そのものや保存先を指す |
| バックアップ | 障害に備えた複製 | 壊れたときに戻すための複製で、探して再利用することは目的にしていない |
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