MAM
Media Asset Management / エムエーエム
映像素材のファイルと、その内容を説明するメタデータ、確認用のプロキシをまとめて管理し、検索・取り込み・受け渡し・保管までを1つの仕組みで扱うためのシステムです。放送局や制作会社の素材管理の中心に置かれます。
- 正式名称
- Media Asset Management
- 管理するもの
- 素材の実体ファイル、プロキシ、メタデータ、権利や使用履歴の情報
- 主な機能
- 取り込み、プロキシ生成、検索、ワークフロー管理、アーカイブとの連携
- 代表的な製品
- Avid MediaCentral、Dalet Flex、Viz One、CatDV、iconik
- よく連携する先
- 編集ソフト、送出サーバー、LTOなどのアーカイブ
- 似た呼び方
- DAM(デジタルアセット管理)、PAM(制作用のアセット管理)
共有サーバーに素材を置くだけでは、半年もすると「あの映像がどこにあるか分からない」状態になります。MAMは、映像ファイルと「中に何が映っているか」の情報を結び付けて管理し、探す・渡す・しまうを1つの画面で済ませるための仕組みです。
MAMが使われる場面
放送局の報道では、取材映像が毎日大量に入ってきます。MAMは取り込みと同時に軽いプロキシを作り、記者やデスクはブラウザで映像を見ながら使う場面に印を付けます。編集担当は、その印を手がかりに高画質の素材を編集ソフトへ呼び出します。Avid MediaCentralやViz Oneが報道の現場で使われるのは、この流れを編集機とつなげて回せるからです。
放送後の素材は、MAMの指示でLTOなどのアーカイブへ移されます。数年後に特集や追悼番組で古い映像が必要になったときも、MAMで検索すれば保管先のテープが分かり、必要な部分だけを呼び戻せます。制作会社やスポーツ団体、企業の広報部門でも、CatDVやiconikのような製品で過去の映像資産を管理する例があります。
MAMの仕組み
MAMの中身は、大きく3つの層に分けて考えると分かりやすくなります。
- 実体の層。高画質の素材ファイルそのもので、共有ストレージやLTO、クラウドに置かれる
- 閲覧の層。検索と確認のためのプロキシとサムネイル
- 情報の層。タイトル、撮影日、場所、出演者、使用権利などの映像メタデータ
検索で引っかかるかどうかは、情報の層の厚さで決まります。システムを入れても、メタデータを入力する運用が回らなければ、ファイル名でしか探せない状態に戻ります。
MAMの導入で間違えやすい点
よくあるつまずきは、メタデータの入力を人手に頼りすぎることです。取材が重なる日ほど入力は後回しになり、検索できない素材がたまっていきます。最近は、音声認識による書き起こしやテロップの文字読み取り、シーンの切れ目の検出で、記述メタデータの下書きを自動で作る仕組みを組み合わせる例が増えています。
もう一つは、素材をどこに置くかの設計です。未公開の取材映像を扱うため、MAMや周辺の処理をクラウドに出すか局内に閉じるかは慎重に決められます。考え方は放送素材のセキュリティでまとめています。
よくある質問
MAMとDAMの違いは何ですか
DAMは画像や文書を含むデジタル資産全般を管理する仕組みで、MAMはその中でも映像を扱うことに特化したものです。MAMは尺やタイムコード、コーデック、プロキシ再生といった映像ならではの情報と機能を持っています。
MAMとファイルサーバーの違いは何ですか
ファイルサーバーはファイルを置く場所で、探す手がかりはフォルダとファイル名だけです。MAMは内容の情報で検索でき、プロキシでの確認や、アーカイブへの出し入れ、編集ソフトへの受け渡しまで管理します。
小さな制作会社でもMAMは必要ですか
素材の量と、過去の映像を使い回す頻度によります。数TB程度で探し物に困っていないなら、フォルダの命名規則で足りることも多いです。案件をまたいで素材を再利用するようになったら、検討する価値があります。
この用語を扱ったコラム
似ている用語との違い
| 名前 | 主に使う場面 | MAMとの違い |
|---|---|---|
| DAM | 画像・文書を含む全社の資産管理 | 写真やロゴ、資料など映像以外も広く扱う。MAMは映像の尺やタイムコード、コーデックを前提にしている |
| PAM | 編集中の素材管理 | 1つの番組の制作中に共有ストレージ上の素材を管理する。MAMは局全体で長く持つ素材まで扱う |
| 映像アーカイブ | 長期保管 | 素材を保管する場所や活動を指す。MAMはそこへ出し入れし、探すための管理システム |
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