MCC.mcc
MacCaption Closed Caption / エムシーシー
北米のテレビ字幕規格CEA-708とCEA-608のデータを、タイムコードと一緒にそのまま記録するテキスト形式の字幕ファイルです。MacCaption(現在はTelestreamの製品)の保存形式として生まれました。
- 拡張子
- .mcc
- 開発元
- MacCaption(現在はTelestreamが所有)
- 中身
- タイムコードと、字幕データのパケット(CDP)を16進数で並べたテキスト
- 運べる字幕
- CEA-708とCEA-608の両方
- 関係する規格
- SMPTE ST 334-1(VANCへの格納)、SMPTE ST 334-2(CDP)
- ファイル先頭の識別
- File Format=MacCaption_MCC V1.0 または V2.0
- 扱える主なソフト
- Telestream MacCaption / CaptionMaker、Premiere Pro(読み込み)
MCCファイルをテキストエディタで開くと、タイムコードの後ろに英数字の羅列が続くだけで、台詞がどこにも見当たりません。MCCは字幕の文章を書いたファイルではなく、北米のテレビ放送で映像信号に乗せる字幕データを、そのままの形で保存したファイルだからです。
MCCファイルが使われる場面
米国やカナダ向けの番組・映像を納品するときに登場します。北米のHD放送の字幕はCEA-708という規格で、SDI信号のVANC(映像の見えない領域)に字幕パケットとして乗って送られます。その同じパケットを、フレームごとのタイムコードと並べてファイルに書き出したものがMCCです。
北米向けの字幕ファイルとして長く使われてきたSCCは、アナログ時代からのCEA-608しか記録できません。708の字幕が必要な納品では、608と708を1つのファイルで両方持てるMCCが指定されます。
作る側では、Telestreamの字幕制作ソフトMacCaptionやCaptionMakerで字幕を作り、MCCで書き出すのが一般的な流れです。受け取る側では、エンコーダーや送出サーバー、トランスコーダーがMCCを読み込み、MXFやSDI出力のVANCに字幕を埋め込みます。Premiere ProもMCCの読み込みに対応していて、608と708のキャプショントラックとして開けます。
MCCファイルの仕組みと中身
1行は「タイムコード、タブ、16進数のデータ」でできています。データの部分はCDP(Caption Distribution Packet)と呼ばれる字幕の配送単位で、SMPTE ST 334-2が形を定めています。CDPの中に708の字幕データと608の字幕データが同居しているので、1本のMCCから両方の字幕を取り出せます。
ファイルが大きくなりすぎないよう、頻繁に現れるバイトの並びを1文字の記号に置き換えて短くする工夫も入っています。人が読んで直す前提の形式ではないため、文言の修正は制作ソフトに読み込んで行います。
MCCとSCCの変換と注意点
MCCからSCCへは、608の部分だけを取り出せば変換できます。反対にSCCからMCCへ変換する場合、元のファイルには708の字幕が無いので、変換ソフトが608の内容から708を組み立てることになります。708ならではの書体や色の指定は、元のデータに無い以上は入りません。
変換後に確かめたい点は次の通りです。
- ファイルのフレームレートと、映像のフレームレートやドロップフレームの有無がそろっているか
- 開始タイムコードが映像側と一致しているか
- 708のサービス番号や608のチャンネル(CC1など)が納品仕様どおりか
タイムコードが1時間ずれている、ドロップフレームの扱いが逆になっている、というのが北米向け字幕の納品で起きやすい手戻りです。
よくある質問
MCCファイルはメモ帳で編集できますか
開くことはできますが、字幕の文章は16進数のデータに変換されているため、そのまま直すのは現実的ではありません。MacCaptionやCaptionMakerなどの字幕制作ソフトに読み込んで編集します。
MCCとSCCはどちらで納品すればよいですか
納品先の仕様書に従います。708の字幕を求められているならMCC、608だけでよいならSCCが指定されることが多いです。北米のテレビ字幕の全体像はクローズドキャプションの解説にまとめています。
日本の放送でMCCは使いますか
使いません。日本の地上デジタル放送の字幕はARIBの規格で、交換用のファイル形式も別に定められています。MCCが出てくるのは、北米向けの番組や配信を扱うときです。
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