字幕形式字幕制作編集配信

ASS / SSA.ass.ssa

Advanced SubStation Alpha / SubStation Alpha / エーエスエス

字幕ごとにフォント、色、縁取り、位置、回転、フェードまで指定できるテキスト形式の字幕ファイルです。SSAを拡張したものがASSで、アニメのファン字幕やカラオケ字幕、動画への字幕の焼き込みで広く使われています。

拡張子
.ass(Advanced SubStation Alpha)、.ssa(SubStation Alpha)
データ形式
テキスト(UTF-8が一般的)
ファイルの構成
[Script Info]、[V4+ Styles]、[Events] などの節に分かれる
時刻の書き方
時:分:秒.1/100秒(0:00:01.50)
指定できる見た目
フォント、文字サイズ、色、縁取り、影、位置、回転、フェード、カラオケの色替え
主な編集ソフト
Aegisub
主な描画エンジン
libass(mpv、VLC、ffmpegの字幕焼き込みフィルタが利用)
格納できるコンテナ
MKV(MP4は非対応)

.assの字幕を付けた動画をPremiere Proに読み込もうとしても、字幕として認識されない。ASSは見た目の指定に強いテキスト字幕で、描画には専用のエンジンが要ります。放送や配信の納品形式ではなく、再生プレーヤーでの表示や、動画への焼き込みで力を発揮する形式です。

ASS / SSAが使われる場面

いちばん知られているのは、アニメのファン字幕の世界です。セリフの字幕に加えて、画面に映った看板の文字の翻訳を同じ角度と色で重ねたり、主題歌の歌詞を歌に合わせて1文字ずつ色替えするカラオケ字幕を作ったりするのに使われてきました。字幕編集の定番ソフトはAegisubです。

制作の現場では、焼き付け字幕の元データとして使われます。ffmpegの字幕焼き込みのフィルタはASSを直接描画できるので、フォントや縁取りを細かく決めた字幕をASSで作り、そのまま映像に焼き込む流れがよく見られます。SNS向けの動画に、テロップ風の字幕を一括で入れるときにも便利です。

再生側では、mpvやVLCのようなプレーヤーがASSをそのまま表示します。MKVはASSの字幕トラックと、描画に使うフォントファイルを一緒に格納できるため、ファン字幕の配布ではMKVとの組み合わせが定番になりました。

ASSファイルの中身

ファイルは節に分かれていて、[Script Info] に字幕を描く画面の解像度などの基本情報、[V4+ Styles] にフォント、文字サイズ、色、縁取り、位置揃えといったスタイルの定義、[Events] に字幕の1行ずつが入ります。

[Events] の各行には、表示の開始と終了の時刻、使うスタイル、本文が並びます。本文の途中に {\pos(960,1000)} のような波括弧のタグを書くと、その字幕だけ位置や色、回転、フェードを上書きできます。SSAは古い版の形式で、ASSはこれにレイヤーの重ね順や透明度などを加えたものです。

ASSを変換するときの注意

SRTやWebVTTへの変換はできますが、スタイルと波括弧のタグは失われ、本文と時刻だけが残ります。変換ツールによってはタグが本文に文字として残るので、書き出した後に本文を確かめます。

時刻が1/100秒単位なので、29.97fpsや23.976fpsの映像では、字幕の切り替えがフレームの境目にぴったり合わないことがあります。ASSを経由して納品用の形式を作る場合は、最後にフレーム単位でタイミングを確かめます。

MP4はASSの字幕トラックを格納できません。ffmpegでMKVからMP4に詰め替えるときは、字幕を装飾のないテキスト字幕(mov_text)に変換することになり、スタイルは消えます。

ASSの字幕が正しく表示されないとき

見た目が作った人の画面と違う場合、原因の多くはフォントです。スタイルで指定したフォントが再生するパソコンに入っていないと、別のフォントで代わりに描かれ、文字の幅や改行位置が変わります。MKVにフォントを同梱するか、同じフォントを入れてから再生します。

Premiere Proをはじめ、多くの編集ソフトの字幕機能はASSを読み込めないので、いったんSRTなどに変換します。見た目も含めて取り込みたいなら、ASSで焼き込んだ映像を素材として読み込む方法になります。

よくある質問

ASS字幕はYouTubeにアップロードできますか

YouTubeの対応する字幕形式にASSは含まれていません。SRTかWebVTTに変換してアップロードするか、見た目を残したい場合は焼き込んだ動画を上げます。

ASSとSRTはどちらを使えばいいですか

配信サービスや編集ソフトに渡すならSRTです。字幕の見た目を作り込みたいとき、焼き込みの元データにするときはASSが向いています。ほかの形式との違いは字幕ファイル形式の早見表で比べられます。

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似ている形式との違い

名前主に使う場面ASS / SSAとの違い
SRT編集ソフト・配信時刻と本文だけの形式。見た目の指定はほぼできないが、対応するソフトやサービスがはるかに多い
WebVTTWebブラウザの動画位置とCSSによる装飾は書けるが、回転やカラオケのような表現はない
PGSBlu-rayの字幕字幕を画像で持つ形式。見た目は固定されるが、文字としての編集や検索はできない

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