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焼き付け字幕

ヤキツケジマク

字幕の文字を映像の画素として描き込み、1本の動画ファイルとして書き出すことです。どの再生環境でも字幕が必ず表示される代わりに、書き出した後は文字の修正も非表示もできなくなります。

英語表記
burn-in subtitles / burned-in captions、hardsub
出来上がるもの
オープンキャプション(消せない字幕)の入った動画
必要な処理
映像の再エンコード(入れ物の詰め替えだけではできない)
主なソフトの設定
Premiere Proの書き出し設定、DaVinci ResolveのDeliverページ、Final Cut Proの共有の設定
コマンドでの方法
FFmpegの subtitles フィルター(libassを使う)
元になる字幕
SRT、ASS、編集ソフト内の字幕トラックなど

字幕を焼き付けるかどうかは、書き出しボタンを押す前に決めておくことです。一度映像に描き込んだ文字は、誤字を1つ直すだけでも字幕なしの元データから書き出し直すしかありません。作業そのものは設定1つで済むので、迷うのは手順より判断のほうです。

焼き付け字幕が使われる場面

多いのは、SNSに投稿する動画です。タイムラインでは音を消した状態で自動再生されることが多く、字幕ファイルを付けても表示されない場所があるため、最初から映像に字幕を入れておきます。縦型のショート動画では、字幕のデザイン自体が見せ方の一部になっています。

ほかにも次のような場面で焼き付けが選ばれます。

  • 字幕ファイルを読めない再生機器で流す展示映像や店頭のサイネージ
  • 海外の映画祭やイベントに出す、英語字幕入りの上映用ファイル
  • 取引先への確認用に送る、字幕入りの試写ファイル
  • 社内研修の動画を、再生環境を問わず字幕付きで配る場合

反対に、テレビの字幕放送やNetflixなどの配信サービスへの納品では、字幕を別ファイルで求められるのが普通です。納品先の仕様書に字幕ファイルの指定があるのに焼き付けて出すと、差し戻しになります。

字幕を焼き付ける方法と設定

編集ソフトでは、書き出しの画面で字幕の扱いを選びます。Premiere Proは書き出し設定のキャプションの項目、DaVinci ResolveはDeliverページの字幕の設定、Final Cut Proは共有の画面で、字幕を映像に焼き付ける選択肢を選びます。いずれも字幕を別ファイルとして書き出す選択肢と並んでいるので、選び間違いに気をつけます。

DVDなどから変換するときに使われるHandBrakeでは、字幕タブで焼き付ける字幕トラックを1本指定します。コマンドで大量に処理するなら、FFmpegの subtitles フィルターで SRT や ASS の字幕を映像に描き込めます。ASSを使うと、書体、縁取り、位置まで字幕ファイル側で指定できます。

どの方法でも映像をエンコードし直すことになるため、画質とファイルサイズの設定は通常の書き出しと同じように決めます。

焼き付けで失敗しやすい点

失敗の多くは、書き出す前の確認不足から起きます。

  • 書体がパソコンに入っていない、または商用利用の許諾がない
  • 縦型に切り出したときに、字幕が画面の外や操作ボタンの下に隠れる
  • 字幕が小さすぎて、スマートフォンでは読めない
  • 字幕なしの映像と字幕のテキストを残しておらず、後の修正ができない

縦型のSNS動画では、画面下部にアプリの説明文やボタンが重なります。字幕はセーフエリアより少し上に置くと隠れにくくなります。翻訳字幕を焼き付ける場合は、言語によって文字数が大きく変わり、改行や表示時間の調整が必要になります。この点は動画字幕のAI翻訳で崩れる場所でも取り上げています。

よくある質問

焼き付けた字幕を消す方法はありますか

基本的にはありません。映像の一部として描き込まれているので、字幕なしの元データから書き出し直すのが唯一の確実な方法です。字幕の部分を切り取ったり、ぼかしで隠したりすることはできますが、元の映像は戻りません。

焼き付け字幕と字幕ファイル、どちらで渡せばよいですか

相手の再生環境で決めます。字幕ファイルを読める配信サービスや放送局への納品なら字幕ファイル、どこで再生されるか分からないSNSや展示映像なら焼き付けが向いています。迷ったら両方用意しておくと作り直しが起きません。

MP4に字幕を焼き付けると画質は落ちますか

再エンコードするので、設定によってはわずかに落ちます。元の映像と同じ程度のビットレートで書き出せば、見て分かるほどの劣化はほとんど起きません。

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似ている形式との違い

名前主に使う場面焼き付け字幕との違い
クローズドキャプション放送・配信の切り替えられる字幕字幕を別データのまま渡す。映像は書き出し直さない
オープンキャプション字幕付き上映・SNS動画消せない字幕という性質の呼び名。焼き付けはそれを作る工程
テロップ番組の演出文字画面デザインとして入れる文字。台詞を文字にする字幕とは役割が違う

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