字幕形式字幕制作納品

テロップいかし

テロップイカシ

画面にすでに出ているテロップが音声の内容をそのまま文字にしている区間で、同じ内容の字幕を重ねて出さず、そのテロップに読ませる判断のことです。画面が文字で埋まるのを避けるために使います。

判断の対象
映像に焼き込まれたテロップと、音声を文字にした字幕が同じ内容になる区間
処理の中身
その区間は字幕を出さない(またはテロップが触れていない情報だけを出す)
決め方
局や番組ごとの字幕制作ルール、番組担当との申し送り
確認すること
テロップの文言が音声と一致しているか、表示の長さが読むのに足りるか
注意
字幕をオンにしている視聴者にも、テロップは常に見えている
対になる作業
テロップよけ(重ならないように字幕の位置を動かす)

出演者の発言が画面いっぱいのテロップになっているのに、その下にまったく同じ文章の字幕が出る。これでは画面が文字だらけになるだけで、読みやすさは下がります。その区間の字幕をあえて出さず、テロップに読ませるのが「テロップいかし」です。字幕を動かすテロップよけとは反対の判断になります。

テロップいかしが選ばれる場面

出やすいのはバラエティと情報番組です。出演者の発言をそのまま大きな文字で出すコメントフォローは、音声と文字が一対一で対応しているので、字幕を重ねても情報は増えません。番組冒頭のナレーションに合わせてキーワードが1語ずつ出る演出、料理番組の材料と分量、通販番組の価格表示なども同じです。

もう1つは、画面のほとんどをテロップが占めていて、字幕を逃がす余地がない場面です。選挙特番の開票速報の画面、スポーツ中継の成績表、L字表示のときの本編領域では、字幕を出す場所そのものが残っていないことがあります。

この判断は制作者が勝手に決めるものではなく、局や番組の字幕制作ルールで「テロップと同内容の区間は字幕を省く」と決めてある場合と、番組担当との申し送りで区間ごとに決める場合があります。案件の最初にどちらなのかを確かめます。

テロップいかしを決めるときに確認すること

いかしにしてよいかは、テロップの側を見て判断します。確認する点は次の通りです。

  • テロップの文言が、実際に話している内容と一致しているか
  • 発言の一部だけを抜き出したテロップになっていないか
  • 表示されている時間が、読み切るのに足りているか
  • 文字がセーフエリアの内側にあり、端で欠けていないか
  • 誰の発言かが画面から分かるか

テロップは演出のために作られているので、音声の内容を網羅しているとは限りません。強調したい断片だけを抜き出したテロップをいかしにしてしまうと、音の届かない視聴者には内容の半分しか伝わりません。その場合は、テロップが触れていない部分だけを字幕にする、という中間の扱いになります。

テロップいかしで起きやすいトラブル

多いのは、編集の直しでテロップが消えたケースです。字幕側はいかしのつもりで空けてあるので、テロップが無くなった区間はまるごと無音のまま何も出ない画面になります。映像の差し替えが入った案件では、いかしの区間を必ず見直します。

次に多いのが、出し分けでテロップが読めなくなるケースです。携帯端末向けの画面やサイドカットされたSD画面では、テロップの文字が小さくなったり端が切れたりします。HDの画面では十分に読めたテロップが、別の画面では読めないことがあります。

字幕放送は音声の情報を文字で補うサービスなので、いかしを増やしすぎると「字幕が付いているのに出ない時間が長い番組」になります。話者の交代や効果音の説明など、テロップが担えない情報は字幕として残すのが基本です。

よくある質問

テロップいかしとテロップよけはどちらを優先しますか

番組のルールによります。テロップと同内容なら省く、という決まりがあればいかしが先に来ます。決まりがない場合は字幕を出したうえで位置を逃がすほうが安全で、テロップを字幕の代わりに数えない運用の局もあります。

テロップがあれば字幕は付けなくてよいのですか

テロップは演出の文字で、音声の内容を網羅する目的では作られていません。発言の断片や画面の情報しか載っていないことが多いため、テロップだけで字幕を代替することはできません。字幕とテロップの役割の違いはクローズドキャプションとはで整理しています。

テロップいかしの区間は字幕データにどう残しますか

その区間に字幕のページを作らない、という形になります。ファイルの上では前後の字幕の間が空いているだけなので、意図的に空けたのか作業漏れなのかが後から分かりません。申し送りの一覧にいかしの区間を書き出しておくのが一般的です。

この用語を扱ったコラム

似ている形式との違い

名前主に使う場面テロップいかしとの違い
テロップよけ重なりの回避字幕は出したうえで、テロップに重ならない位置へ動かす。いかしは字幕そのものを出さない判断
オープンキャプション映像に焼き込む字幕消せない字幕として最初から映像に入れる方式。いかしは、すでに入っているテロップを字幕の代わりに数える判断
クローズドキャプション切り替えられる字幕視聴者が表示を切り替える字幕のこと。いかしはその字幕を出さない区間を作る運用

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