放送・映像用語辞典
放送局の納品仕様書や編集の現場で出てくる、拡張子・コーデック・字幕形式・規格・現場用語をまとめています。拡張子をそのまま入れても探せます。
A
- AAC .aac .m4a .mp4 音声形式 MP3の後継としてMPEGで規格化された、非可逆圧縮の音声コーデックです。MP4の動画やYouTube、HLS配信の音声、日本の地上デジタル放送の音声まで、映像に付く音の圧縮形式として最も広く使われています。
- AAF .aaf 編集データ 編集ソフトのタイムラインを、映像と音声のトラック構成や音量の調整、素材への参照ごと別のソフトへ渡すための交換形式です。編集からMA(音声の仕上げ)へ渡すときの標準的な形式として使われています。
- ABR 配信・伝送 同じ映像を複数の画質とビットレートで用意しておき、視聴者の回線速度に合わせてプレイヤーが途中で切り替えながら再生する配信方式です。HLSやMPEG-DASHで使われ、動画配信サービスで再生を止めにくくする基本の仕組みです。
- AC-3 .ac3 音声形式 ドルビーデジタルの名で知られる、ドルビーラボラトリーズの非可逆の音声圧縮方式です。5.1チャンネルのサラウンドを最大640kbpsに収め、DVD、ブルーレイ、米国のデジタル放送で標準的に使われてきました。
- ACAS 現場用語 2018年12月に始まった新4K8K衛星放送に合わせて導入された、新しい限定受信システム(CAS)の方式です。カードではなく受信機に組み込まれたACASチップで動き、4K・8Kの有料放送の視聴制限やコピー制御を担います。従来のB-CASの機能も含んでいます。
- ADM BWF .wav 音声形式 立体音響のミックスを、音声トラックと「どの音を空間のどこに置くか」というメタデータごと1本のWAVにまとめたファイル形式です。ITUが規格化したオープンな形式で、Dolby Atmosのマスター納品の標準になっています。
- .aep .aep .aepx 編集データ Adobe After Effectsのプロジェクトファイルです。コンポジション、レイヤー、エフェクト、キーフレームを記録していますが、使っている映像や画像、フォントは含まれません。
- AES3 信号・規格 業務用のデジタル音声を機器間で受け渡すための規格で、1本のケーブルで2チャンネルの非圧縮音声を送ります。AESとEBUが共同で作ったため、現場ではAES/EBUと呼ばれることが多いです。
- AES67 信号・規格 メーカーや方式の違うIP音声の機器どうしが、非圧縮の音声をやり取りできるように決めた共通の送り方の規格です。AESが2013年に発行し、Dante、RAVENNA、LivewireなどがAES67に対応しています。
- AIFF .aiff .aif .aifc 音声形式 Appleが1988年に定めた、非圧縮のリニアPCMを主に保存する音声ファイル形式です。音質はWAVと同等で、Macの音楽制作ソフトで長く標準的に使われてきました。映像制作では、Macで作業する作曲家から届くBGMや効果音の形式として出会います。
- ALE .ale 編集データ クリップ名、タイムコード、シーン・テイク、カメラロールなどの素材情報を、タブ区切りのテキストで受け渡すAvid由来の形式です。撮影現場で作ったデイリーズの情報をAvid Media Composerのビンに流し込むときに使われます。
- Amazon IVS ツール・サービス 配信ソフトからRTMPSやSRTで映像を送るだけで、変換から視聴者への配信までをまとめて受け持つAWSのライブ配信サービスです。遅延5秒未満の低遅延配信と、300ミリ秒未満のリアルタイム配信(ステージ)の2系統があります。
- ARIB 信号・規格 日本の通信・放送の電波利用システムについて、標準規格と技術資料を策定している一般社団法人です。デジタル放送の伝送方式、字幕、番組情報、ラウドネスの運用まで、放送の仕様書に出てくる「ARIB STD」「ARIB TR」はここが発行しています。
- ARIB STD-B10 信号・規格 日本のデジタル放送で、チャンネルの構成や番組名、放送時刻、ジャンルなどを受信機に伝える番組配列情報(SI)のデータ構造を定めたARIBの標準規格です。EPGや選局、録画予約の元データはこの規格の形で送られています。
- ARIB STD-B21 信号・規格 BSデジタル、110度CS(広帯域CS)デジタル、地上デジタルテレビジョン放送を受ける受信装置について、基本の機能、定格、性能の望ましい仕様を定めたARIBの標準規格です。テレビやレコーダー、チューナーの設計の土台になります。
- ARIB STD-B24 字幕形式 日本のデジタル放送で、データ放送と字幕・文字スーパーの符号化と伝送の方式を定めたARIBの標準規格です。放送波に乗る字幕の文字コード(8単位符号)や外字、色、表示位置の表し方はこの規格で決まっています。
- ARIB STD-B25 信号・規格 日本のデジタル放送で、番組にスクランブルをかけ、契約や権利に応じて受信機に解かせる仕組み(アクセス制御)を定めたARIBの標準規格です。B-CASカードなどが担う限定受信方式の中身は、この規格で決まっています。
- ARIB STD-B31 信号・規格 日本の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式(ISDB-T)を定めたARIBの標準規格です。13セグメントのOFDMの変調、誤り訂正、階層伝送、送信のパラメータと、送信所や中継局の運用ガイドラインがまとめられています。
- ARIB STD-B32 信号・規格 日本のデジタル放送で使う映像と音声の符号化方式、それらを1本の信号にまとめる多重化方式を定めたARIBの標準規格です。MPEG-2やHEVCなど国際規格のうち、放送で使える形式とパラメータの範囲をここで絞り込んでいます。
- ARIB STD-B36 .1HD .1SD 字幕形式 日本のデジタルテレビ放送で、字幕制作会社と放送局のあいだで字幕データをファイルとして受け渡すための形式を定めたARIBの標準規格です。文字、表示時刻、位置、色、外字をバイナリで持ちます。
- ARIB STD-B37 字幕形式 スタジオで使うSDI信号の垂直補助データ領域に、映像と同期して表示する字幕データを載せて運ぶための構造と運用を定めたARIBの標準規格です。字幕付きの番組やCMを素材ごと納品するときの形式になります。
- ARIB STD-B60 信号・規格 新4K8K衛星放送などで、映像、音声、字幕、データをMMTで運ぶ方式と、その制御情報を定めたARIBの標準規格です。TSで送る2K放送のPSI/SIに当たる情報も、MMTの形でここに定義されています。
- ARIB STD-B62 信号・規格 新4K8K衛星放送のデータ放送と字幕・文字スーパーの符号化を定めたARIBの標準規格です。データ放送はHTML5、字幕はTTMLを土台にしたARIB-TTMLで記述し、2K放送のSTD-B24に代わる第2世代の方式になっています。
- ARIB TR-B14 信号・規格 日本の地上デジタルテレビジョン放送について、放送局での運用と受信機が持つべき機能を細かく定めたARIBの技術資料です。データ放送、番組情報、限定受信、コピー制御まで、方式の規格を実際の放送で使うための決まりが集まっています。
- ARIB TR-B15 信号・規格 BSデジタル放送と110度CS(広帯域CS)デジタル放送について、放送局での運用と受信機の機能仕様を定めたARIBの技術資料です。衛星の2K放送のデータ放送、番組情報、限定受信、コンテンツ保護の実際の決まりがここにあります。
- ARIB TR-B32 信号・規格 日本のデジタルテレビ放送で、番組とCMの音量感を揃えるためにARIBが定めたラウドネスの運用規定です。平均ラウドネス値の目標を-24 LKFS、許容範囲を±1 dB、トゥルーピークの上限を-1 dBTPとしています。
- ARIB TR-B39 信号・規格 新4K8K衛星放送(高度広帯域衛星デジタル放送)について、放送局での運用と受信機の機能仕様を定めたARIBの技術資料です。MMTによる多重化、ARIB-TTMLの字幕、HTML5のマルチメディアサービスの使い方がここで決まります。
- aribb24.js ツール・サービス 日本のデジタル放送の字幕と文字スーパー(ARIB STD-B24)を、Webブラウザの動画の上に描くためのJavaScriptライブラリです。MITライセンスのオープンソースで、EPGStationやKonomiTVといったブラウザで番組を見るソフトの字幕表示に使われています。
- ARRIRAW .ari .mxf .arx 映像コーデック ARRIのシネマカメラALEXAシリーズが記録するRAW形式です。センサーの出力を非可逆な圧縮をかけずにLog符号化で記録するため画質の余裕が大きく、映画やハイエンドのCM、配信ドラマの撮影で使われます。
- AS-11 .mxf コンテナ・ファイル形式 完成した番組を放送局へファイルで納品するための、MXFの作り方を細かく決めた仕様です。AMWAが策定し、イギリスの放送局が2014年から共通の納品形式として採用したAS-11 UK DPPが代表例です。
- ASC CDL .cdl .cc .ccc 編集データ 撮影現場で決めた色の調整を、Slope・Offset・Power と Saturation の10個の数値で記録し、別のソフトへそのまま渡すための形式です。米国撮影監督協会(ASC)がまとめ、デイリーズや本編集の色の受け渡しに使われます。
- ASF .asf .wmv .wma コンテナ・ファイル形式 Microsoftが定めた、Windows Mediaの映像や音声を入れるための入れ物(コンテナ)形式です。拡張子.wmvや.wmaのファイルも中身はASFで、インターネットでの配信を前提に、ヘッダー・データ・索引の3つの部分で構成されています。
- ASS / SSA .ass .ssa 字幕形式 字幕ごとにフォント、色、縁取り、位置、回転、フェードまで指定できるテキスト形式の字幕ファイルです。SSAを拡張したものがASSで、アニメのファン字幕やカラオケ字幕、動画への字幕の焼き込みで広く使われています。
- AV1 映像コーデック GoogleやNetflixなどが参加するAOMediaが2018年に仕様を公開した、特許料のかからない動画圧縮方式です。HEVCと同水準の圧縮効率を持ち、YouTubeやNetflixの配信で使われています。
- AVC-Intra .mxf 映像コーデック パナソニックが2007年に実用化した、H.264をフレームごとの圧縮だけで使う業務用の映像形式です。10bitで記録し、P2カードのMXFファイルとして収録するほか、英国のAS-11 DPPなど海外の放送納品でも指定されています。
- AVC-LongG .mxf 映像コーデック パナソニックの業務用コーデック群AVC-ULTRAに含まれる、H.264をLong GOPで使う映像形式です。AVC-LongG50と25は10bit 4:2:2のフルHDを低いビットレートで記録でき、P2カメラの取材素材で使われています。
- AVCHD .mts コンテナ・ファイル形式 ソニーとパナソニックが2006年に発表した、ビデオカメラでHD映像を記録するための形式です。H.264の映像をMPEG-2 TSに入れ、Blu-rayと同じ系統のフォルダー構成でSDカードなどに書き込みます。
- AVI .avi コンテナ・ファイル形式 Microsoftが1992年に発表した、Windows向けの動画ファイル形式です。RIFFという汎用の入れ物を土台にしており、中に入れるコーデックの自由度が高いため、DVの取り込みや編集の中間ファイル、計測用カメラの記録などで長く使われてきました。
- Avid Media Composer ツール・サービス Avid Technologyの映像編集ソフトです。取り込んだ素材をMXFとして専用のフォルダで管理し、共有ストレージの上で複数の編集室が同じプロジェクトを扱う運用に強く、映画、ドラマ、放送局の番組編集で長く使われています。
- AWS Elemental MediaConnect ツール・サービス ライブ映像のトランスポートストリームを、SRTやZixi、RIST、RTPでAWSのクラウドへ運び込み、別の拠点や別のAWSアカウントへ受け渡す伝送サービスです。中継回線や素材の分配をクラウド上に置き換えるときに使われます。
- AWS Elemental MediaConvert ツール・サービス AWS上で動くファイルベースの映像変換(トランスコード)サービスです。S3に置いたMXFやMOVなどの素材を「ジョブ」単位で変換し、HLSやDASH、MP4、放送向けのMXFとして書き出します。
- AWS Elemental MediaLive ツール・サービス AWS上で動くライブ映像のエンコーダーサービスです。RTMPやSRT、MediaConnectから受けた映像を、画質の異なる複数の配信用ストリームにリアルタイムで変換し、HLSやMediaPackageへ送り出します。
- AWS Elemental MediaPackage ツール・サービス エンコーダーから受け取ったライブ映像を、視聴端末の要求に応じてHLSやDASHの形に組み立てて配る、AWSのパッケージング兼オリジンサービスです。DRMの暗号化や、追いかけ再生などの時間を戻す視聴も受け持ちます。
B
- B-CAS 現場用語 日本のデジタル放送で、有料放送の視聴制限と番組のコピー制御に使われている限定受信システムと、そのICカードの呼び名です。株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが運用し、地上・BS・110度CSの2K放送の受信機に同梱されています。
- BDMV .bdmv .m2ts .mpls .clpi コンテナ・ファイル形式 Blu-rayビデオのディスクで、映像・音声・字幕とメニューや再生順の情報を収めるフォルダーの構成です。映像本体はSTREAMフォルダーのm2tsファイルで、再生の順番はPLAYLISTのmplsファイルが決めます。
- Blackmagic RAW .braw .sidecar 映像コーデック Blackmagic Designが2018年に発表した、同社のシネマカメラ向けのRAW記録形式です。拡張子は.braw。撮影後にISOやホワイトバランスを変えられるRAWの利点を保ちながら、カメラ内で処理の一部を済ませることでファイルを軽くしています。
- BML .bml 信号・規格 日本のデジタル放送で、データ放送の画面を書くための記述言語です。ARIB STD-B24で定められ、XHTMLを土台にした文書とCSS、ECMAScriptのスクリプトでニュースや天気、番組連動の画面を作ります。テレビに内蔵されたBMLブラウザが表示します。
- BT.2020 信号・規格 ITU-Rが2012年に定めた4K・8Kテレビの映像規格です。3840×2160と7680×4320の画素数、最大120Hzのフレームレート、BT.709より大幅に広い色域、10bitと12bitの量子化を決めています。
- BT.709 信号・規格 ITU-Rが定めたHDテレビの映像規格です。1920×1080の画素数やフレームレートに加え、色域と明るさの変換カーブ、輝度と色差の計算式を決めており、SDRのHD映像の色の基準として使われています。
- BWF .wav .bwf 音声形式 WAVに、録音の開始位置(タイムコードの基になる値)や説明文、作成者などの情報を加えた放送向けの音声ファイル形式です。EBUが1997年に規格化し、撮影現場の録音機から編集、MAまで、映像と音を合わせる工程の土台になっています。
C
- CBR / VBR 信号・規格 圧縮した映像や音声のデータ量を、時間を通して一定に保つのがCBR(固定ビットレート)、場面の難しさに合わせて増減させるのがVBR(可変ビットレート)です。書き出しや配信のエンコード設定で選びます。
- CDN 配信・伝送 配信元のサーバー(オリジン)の前に世界各地のキャッシュサーバーを並べ、視聴者に近い拠点からファイルを返す仕組みです。HLSやMPEG-DASHの動画配信では、同時視聴が増えてもオリジンに負荷を集めないための土台になります。
- CEA-608 字幕形式 北米のアナログテレビで、映像信号の21ライン目に字幕データを載せるために作られたクローズドキャプションの規格です。現在の名称はCTA-608で、デジタル放送や配信でも互換用の字幕として使われ続けています。
- CEA-708 字幕形式 米国とカナダのATSCデジタル放送で使われるクローズドキャプションの規格です。映像データの中に字幕を埋め込んで送り、フォント、色、表示窓を細かく指定できます。互換用にCEA-608の字幕も一緒に運べます。
- CineForm 映像コーデック ウェーブレット変換を使う編集向けの中間コーデックです。GoProが2011年に開発元を買収し、2017年にオープンソース化しました。SMPTE ST 2073(VC-5)として規格化され、Windowsでも書き出せるProResの代わりとして使われてきました。
- Cinema RAW Light .crm 映像コーデック キヤノンがCinema EOSなどのカメラ向けに用意したRAW記録形式で、拡張子は.CRMです。2017年のEOS C200で登場し、RAWの調整幅を残しながらデータ量を抑えて、本体のカードに直接記録できるようにしています。
- CMAF .cmfv .cmfa .cmft .m4s .mp4 配信・伝送 HLSとMPEG-DASHの両方から同じセグメントファイルを参照できるようにする、配信用メディアファイルの形式の規格です。fMP4をもとにISO/IECが規格化し、配信の保存容量とCDNのキャッシュを節約できます。
- CM考査 現場用語 テレビ局がCMを放送する前に、広告主の事業内容とCMの表現が放送基準や法令に合っているかを審査することです。各局の考査部門が担当し、企画段階の事前相談と完成素材の審査の両方で行われます。
- CM素材搬入 現場用語 完成したテレビCMの素材を、放送局が定める搬入基準に沿った形式で局へ届けることです。現在はXDCAMのプロフェッショナルディスクか、オンライン送稿のどちらかで、MXFファイルとメタデータのXMLを納めます。
D
- Dante 信号・規格 オーストラリアのAudinate社が開発した、Ethernetのネットワークで非圧縮のデジタル音声を多チャンネル、低遅延でやり取りする技術です。ミキサーやマイク受信機など対応機器が多く、LANでの音声配線で広く使われています。
- DaVinci Resolve .drp ツール・サービス 編集、カラーグレーディング、VFX、音声の仕上げ、書き出しを1本にまとめたBlackmagic Designの映像制作ソフトです。無償版と有償のDaVinci Resolve Studioがあり、映画やCM、番組の色の仕上げで広く使われています。
- DCP .mxf .xml コンテナ・ファイル形式 映画館のデジタルシネマサーバーで上映するための映像・音声・字幕のパッケージです。映像はJPEG 2000、音声は非圧縮PCMで、それぞれMXFに入れ、再生の順番をXMLで指示します。
- DFXP .dfxp .xml 字幕形式 W3Cの字幕形式TTMLが、勧告される前に使っていた名前です。FlashやSilverlightの時代に広まったため、いまも拡張子 .dfxp や字幕形式の選択肢の名前として残っています。中身はXMLで書いたTTMLの字幕です。
- DNxHD 映像コーデック Avidが2004年に編集用として開発した、HD解像度向けの動画コーデックです。SMPTE VC-3として規格化され、DNxHD 145やDNxHD 220のようにビットレートの数字で種類を呼び分けます。
- DNxHR 映像コーデック Avidが2014年に発表した、DNxHDの解像度の制限をなくした後継の編集用コーデックです。2KやUHD、4K以上の素材を扱え、LB・SQ・HQ・HQX・444の5段階から品質を選びます。Windowsの環境の中間ファイルとしてもよく使われます。
- Dolby Atmos .atmos .wav 音声形式 音をスピーカーの数ではなく「空間のどこに置くか」で記録する、ドルビーの立体音響の方式です。高さ方向を含めた音の位置をメタデータで持ち、映画館から家庭のテレビ、ヘッドホンまで、再生環境に合わせて鳴らし分けます。
- Dolby E 音声形式 5.1チャンネルなど最大8チャンネルの音声を、AES3の2チャンネル分に圧縮して運ぶ業務用の音声形式です。映像のフレームに合わせて区切られ、局間の伝送や素材ファイルでサラウンドを受け渡すのに使われます。
- Dolby Vision 信号・規格 Dolbyが提供するHDRフォーマットです。PQを土台に、ショットごとの動的メタデータを付けて、表示するテレビの性能に合わせた明るさの変換を指示します。配信大手のHDR作品の納品で広く求められています。
- DPX .dpx 画像形式 映像を1フレーム1ファイルの静止画として保存する、映画・ポスプロ向けの画像形式です。SMPTEが規格化しており、フィルムスキャンやDI(デジタルインターミディエイト)、カラーグレーディングの受け渡しで、10bitの連番ファイルとして使われます。
- .drp .drp 編集データ DaVinci Resolveのプロジェクトを1つのファイルとして書き出したものです。タイムライン、カラーグレーディング、各種設定を含みますが、映像や音声の素材そのものは入っていません。
- DV .dv .dif .avi .mov 映像コーデック 1995年に登場した、標準画質のデジタル映像をテープに記録する規格と、その圧縮方式です。約25Mbpsのフレーム内圧縮で、MiniDVテープの家庭用ビデオカメラから業務用のDVCAM・DVCPROまで広く使われました。
- DVB字幕 字幕形式 欧州のDVB方式のデジタル放送で使われる、字幕を画像として送る方式です。ETSI EN 300 743で規定され、送り手が作った字幕の画像を受信機がそのまま映像に重ねるため、文字の種類を問わず表示できます。
- DVCPRO HD .mxf .mov 映像コーデック パナソニックが2000年に実用化した、DVの技術を拡張して最大100Mbpsでハイビジョンを記録する業務用の映像形式です。テープのほかP2カードにMXFで記録でき、報道の取材やVariCamによる撮影で使われました。
- dボタン 現場用語 デジタル放送に対応したテレビのリモコンにある、データ放送を呼び出すためのボタンです。押すとニュースや天気予報、番組に連動した情報の画面が出て、十字キーや4色のボタンで操作します。テレビ番組の中で「dボタンを押して参加」と呼びかけるときのdもこれです。
E
- E-AC-3 .ec3 .eac3 音声形式 ドルビーデジタルプラスの名で知られる、AC-3を拡張した音声圧縮方式です。AC-3より低いビットレートでサラウンドを運べ、動画配信サービスのDolby Atmos音声の多くはこの方式にメタデータを載せて届けられています。
- EBU R128 信号・規格 欧州放送連合(EBU)が定めた、放送音声のラウドネスを揃えるための勧告です。番組の平均ラウドネスを-23 LUFSに合わせ、トゥルーピークを-1 dBTP以下に抑えることを求めています。
- EBU STL .stl 字幕形式 欧州放送連合(EBU)が1991年に定めた、放送用字幕を交換するためのバイナリのファイル形式です。拡張子は.stlで、欧州の放送局への字幕納品や、テレテキスト字幕の制作で使われてきました。
- EDIUS ツール・サービス グラスバレー(旧カノープス)が開発するWindows用のノンリニア編集ソフトです。XDCAMやP2、XAVCといった業務用カメラの素材を変換せずに編集でき、放送局の報道・情報番組の編集室で長く使われてきました。
- EDL .edl 編集データ 編集で「どの素材のどこからどこまでを、完成尺のどこに置くか」を1行ずつ並べたテキストファイルです。テープ編集の時代から使われてきた、もっとも古く単純な編集データの受け渡し形式です。
- EIT 信号・規格 デジタル放送の番組配列情報(SI)のうち、番組ごとの名前、開始時刻、長さ、内容の説明、ジャンルなどを運ぶ表です。テレビやレコーダーの番組表と録画予約は、放送波で届くこのEITを元に作られています。
- ENG 現場用語 肩に担げる業務用ビデオカメラで現場を撮影し、ニュースの素材を集める取材の方式です。転じて、そのカメラや取材班そのものも指します。撮った映像はメディアを持ち帰るか、回線で局へ送ります。
- EPG 現場用語 テレビやレコーダーの画面に表示される電子番組表のことです。デジタル放送では番組名や放送時刻、内容の情報が映像と一緒に放送波で送られ、受信機がそれを受け取って番組表や録画予約に使います。
F
- FCPXML .fcpxml .fcpxmld 編集データ 現行のFinal Cut Proが、プロジェクトやイベントをほかのソフトとやり取りするために使うXML形式です。Final Cut Pro 7時代のXML(XMEML)とは構造が違う、別の形式です。
- FFmpeg ツール・サービス 動画・音声の変換、切り出し、入れ物の詰め替え、配信用の書き出しをコマンドで行うオープンソースのソフトウェア群です。HandBrakeなど多くの変換ソフトも、内部でFFmpegのライブラリを使っています。
- ffprobe ツール・サービス FFmpegに同梱されている、動画・音声ファイルの中身を調べるコマンドです。コーデック、解像度、フレームレート、音声チャンネル数などを表示し、JSONやCSVでも出力できるため、変換前後の確認や取り込み処理の自動チェックに使われます。
- Final Cut Pro ツール・サービス Appleが開発・販売するMac用のノンリニア編集ソフトです(iPad版もあります)。ProResとの相性がよく、Web動画や企業VP、YouTube向けの編集で広く使われます。放送向けのMXF書き出しは、同じAppleのCompressorを組み合わせて行います。
- FLAC .flac 音声形式 音質を一切落とさずにWAVなどの音声データを小さくする、可逆圧縮の音声形式です。展開すれば元のデータに完全に戻るため、ハイレゾ音源の配信や音楽の保存に広く使われています。仕様はオープンで、IETFがRFC 9639として標準化しています。
- FLV .flv コンテナ・ファイル形式 Adobe Flash Playerで動画を再生するために使われていたコンテナ形式です。Flashの提供終了で再生環境はほぼ消えましたが、ライブ配信のRTMPが今もFLVの構造でデータを運んでいます。
- fMP4 .mp4 .m4s コンテナ・ファイル形式 MP4を「目次とデータの小さな組」の連続として書く形式です。途中から読み込んだり、書き込みの途中で止まっても手前までを再生できたりするため、HLSやMPEG-DASHの配信セグメントや、録画ソフトの記録形式に使われます。
G
H
- H.264 映像コーデック ITU-TとISO/IECが共同で策定した動画圧縮規格で、MPEG-4 AVCとも呼ばれます。スマートフォン、Web配信、Blu-ray、業務用カメラまで対応機器が最も多く、相手の再生環境を選ばない書き出し形式として使われています。
- H.265 / HEVC 映像コーデック H.264の後継として2013年に規格化された動画圧縮方式です。同じ画質をおよそ半分のビットレートで出せるため、4K8K衛星放送やiPhoneの標準の撮影形式に使われていますが、再生側の対応が揃っていない環境もまだあります。
- H.266 / VVC 映像コーデック HEVCの後継として2020年に規格化された動画圧縮方式です。同じ画質に必要なビットレートをHEVCからさらに減らすことを狙っており、ブラジルの新しい地上放送TV 3.0などで採用が決まっていますが、再生できる機器やソフトはまだ限られます。
- HandBrake ツール・サービス 手元の動画をMP4・MKV・WebMに変換する無償のオープンソースソフトです。端末や用途別のプリセットを選ぶだけでH.264やH.265で書き出せるため、確認用や配布用の軽いファイルづくりによく使われます。
- HAP 映像コーデック 映像のデコードをCPUではなくGPUに任せることで、高解像度の映像を軽く再生できるようにした映像コーデックです。VJソフトのVDMXを作るVidvoxが中心になって公開し、プロジェクションマッピングやライブの映像演出で広く使われています。
- HDCAM 映像コーデック ソニーが1997年に発売した、1/2インチのテープにハイビジョン映像を記録する業務用VTRの規格です。1440×1080・3:1:1の映像を約144Mbpsに圧縮して記録し、ファイル化が進む前の日本の番組納品やマスター保存で広く使われました。
- HDCAM SR 映像コーデック ソニーが2003年に投入した、HDCAMの上位にあたる1/2インチテープのVTR規格です。MPEG-4 Studio Profileで10bitの映像を440Mbpsなどで記録し、映画やドラマ、海外への番組販売のマスターとして使われました。
- HDR 信号・規格 従来のSDRよりも明るい部分と暗い部分の幅を大きく取り、光の輝きや夜景を現実に近い明るさで表示する映像の方式です。PQとHLGの2つの方式があり、ITU-R BT.2100で規格化されています。
- HDR10 信号・規格 PQの明るさのカーブ、BT.2020の色域、10bitの量子化に、作品全体で1組の静的メタデータを付けたHDRフォーマットです。UHD Blu-rayで必須とされ、HDR対応のテレビや配信で最も広く再生できます。
- HDV .m2t 映像コーデック DVと同じMiniDVテープに、MPEG-2で圧縮したハイビジョン映像を記録する規格です。2003年にJVC・ソニー・キヤノン・シャープが策定し、1080iでは1440×1080の映像を約25Mbpsで記録します。
- HLG 信号・規格 NHKとBBCが共同で開発したHDRの方式です。明るさを相対値で扱うためメタデータが要らず、SDRのテレビでもある程度そのまま映せる互換性があり、日本の4K8K衛星放送で採用されています。
- HLS .m3u8 .ts .m4s 配信・伝送 映像を数秒ごとの小さなファイルに分け、再生リスト(m3u8)と一緒に普通のWebサーバーから配る配信方式です。Appleが開発し、iPhoneのSafariが標準で再生できることから、ライブ配信や見逃し配信で広く使われています。
- HQX 映像コーデック 編集ソフトEDIUSの標準的な中間コーデックです。旧カノープスが開発し、現在はGrass Valleyの名前で提供されています。8bitと10bit、アルファチャンネルに対応し、AVIやMOV、MXFに格納して使われます。
I
- IMF .mxf .xml コンテナ・ファイル形式 映画やドラマの完成マスターを、映像・音声・字幕を別々のファイルに分けたまま1つのパッケージとして納品するための形式です。SMPTE ST 2067シリーズで規格化され、Netflixなどの配信事業者への納品で使われています。
- IMSC1 .xml .ttml 字幕形式 XMLの字幕形式TTMLから、配信や納品で使う機能だけを絞り込んだW3Cの規格です。どの再生環境でも同じ表示になることを狙っており、IMFやCMAF、ATSC 3.0の字幕、Netflixの日本語字幕の納品に使われています。
- ISDB-S 配信・伝送 日本のBSデジタル放送と110度CSデジタル放送で使われている、衛星向けのデジタル放送の伝送方式です。ARIBが策定し、1つの中継器を時間で区切って複数の放送局で分け合います。4K・8K放送には後継のISDB-S3が使われています。
- ISDB-T 配信・伝送 日本の地上デジタル放送の伝送方式です。6MHzのチャンネルを13のセグメントに分けてOFDMで送り、固定受信のハイビジョンと携帯向けのワンセグを1つの電波で同時に届けられます。ARIBが策定し、ブラジルなど中南米の国々でも採用されています。
- ISOBMFF コンテナ・ファイル形式 MP4や3GP、HEIF、CMAFなどの土台になっている、ボックスと呼ぶ単位を入れ子に積み上げるファイル構造の規格です。ISO/IECが14496-12として定めており、AppleのQuickTimeの形式が元になっています。
J
L
- Lambda Cap .cap 字幕形式 日本語字幕のルビや縦書き、縦中横をテキストのまま表せる字幕ファイルの形式で、拡張子は.capです。映画や映像配信の日本語字幕を、字幕制作ソフトのあいだで受け渡す形式として長く使われてきました。
- LKFS / LUFS 信号・規格 番組や楽曲のラウドネスを表す単位です。LKFSはITUやARIB、LUFSはEBUが使う呼び名で、どちらも同じ値を指します。デジタルの最大値を基準にするため、値は通常マイナスになります。
- LL-HLS .m3u8 .m4s 配信・伝送 HLSのライブ配信の遅延を、通常の数十秒から数秒程度まで縮めるための拡張仕様です。Appleが2019年に発表し、セグメントをさらに細かい部分セグメントに分けて、できた部分から順にプレーヤーへ届けます。
- Log撮影 信号・規格 被写体の明るさを対数(ログ)のカーブで記録し、白飛びや黒つぶれを抑えて広い明暗を残す撮影方法です。撮ったままでは眠い灰色がかった絵になり、編集でLUTやカラーグレーディングをかけて仕上げます。
- Long GOP 信号・規格 数フレームから数十フレームを1つのGOPにまとめ、Iフレームの間を前後との差分で記録する圧縮方式です。少ないデータ量で高い画質を出せる一方、編集ソフトでの動作は重くなりがちです。
- LRC .lrc 字幕形式 曲の再生位置に合わせて歌詞を表示するためのテキストファイルです。各行の先頭に [分:秒.百分の一秒] の時刻を書くだけの単純な形式で、音楽プレーヤーやカラオケ風の歌詞表示に使われます。
- LTC 信号・規格 タイムコードを音声帯域のパルス信号にして、ケーブルや音声トラックで運ぶ形式です。SMPTE ST 12-1で規定され、カメラと録音機の同期、ライブ演出の機器の連動、テープやファイルの主たるタイムコードの記録に使われます。
- LTO 現場用語 大容量のデータを長く保管するための磁気テープの規格です。映像業界では撮影素材や完成した番組の保管に使われ、LTFSで書き込めばファイルをフォルダのように扱えます。世代ごとに容量が増え、読み書きできる世代に制限があります。
- LUT .cube .3dl 編集データ 入力された色の値を、あらかじめ決めた出力の値に置き換えるための対応表です。Log撮影の映像を見やすい色に戻す変換や、作品の雰囲気を付けるルックに使われ、.cube などのファイルでカメラ、モニター、編集ソフトの間を受け渡します。
M
- M2T .m2t コンテナ・ファイル形式 HDVのビデオカメラで記録した映像を、テープからパソコンに取り込んだときによく使われる拡張子です。中身はMPEG-2 TSで、映像はMPEG-2、音声はMPEG-1 Audio Layer IIのステレオが入っています。
- M2TS .m2ts コンテナ・ファイル形式 Blu-rayディスクとAVCHDで使われる、MPEG-2 TSの各パケットに4バイトの時刻情報を足した192バイト単位の形式です。拡張子は.m2tsで、ディスクの中では再生順を決める管理ファイルと組になって動きます。
- m3u8 .m3u8 .m3u 配信・伝送 HLS配信で使われる再生リストのファイルです。映像そのものは入っておらず、細かく分けた映像ファイル(セグメント)の場所と長さ、画質の種類をテキストで並べています。プレーヤーはこのリストを読んで映像を取りに行きます。
- M4A .m4a 音声形式 音声だけを収めたMP4ファイルに付ける拡張子です。中身はたいていAACで、Apple Lossless(ALAC)の場合もあります。iPhoneのボイスメモやWeb会議の録音、Apple Musicで扱う音声としてよく見かけます。
- M4V .m4v コンテナ・ファイル形式 AppleがiTunes StoreやApple TV向けの動画に使ってきた、MP4とほぼ同じ構造の動画ファイル形式です。拡張子は.m4vで、購入・レンタルした作品にはApple独自の著作権保護(FairPlay)がかかっていることがあります。
- MA 現場用語 編集が終わった映像にナレーション、効果音、BGMを重ね、音量や音質を整えて完成音声に仕上げる工程です。Multi Audioの略とされる和製英語で、英語圏ではaudio post productionと呼ばれます。
- MADI 信号・規格 1本の同軸ケーブルや光ファイバーで、48kHzの非圧縮デジタル音声を最大64チャンネルまとめて送る規格です。AES10として規格化され、中継車やスタジオでミキサーと周辺機器をつなぐのに使われます。
- MAM 現場用語 映像素材のファイルと、その内容を説明するメタデータ、確認用のプロキシをまとめて管理し、検索・取り込み・受け渡し・保管までを1つの仕組みで扱うためのシステムです。放送局や制作会社の素材管理の中心に置かれます。
- MCC .mcc 字幕形式 北米のテレビ字幕規格CEA-708とCEA-608のデータを、タイムコードと一緒にそのまま記録するテキスト形式の字幕ファイルです。MacCaption(現在はTelestreamの製品)の保存形式として生まれました。
- MediaInfo ツール・サービス 動画・音声ファイルのコンテナ、コーデック、ビットレート、フレームレート、音声チャンネル、タイムコードなどを一覧で表示する無償のオープンソースソフトです。ファイルを落とすだけで中身が分かるため、開けないときや納品前の確認で最初に使われます。
- MHL .mhl 編集データ カメラのカードからコピーした素材ファイルごとのハッシュ値(チェックサム)を記録したXMLファイルです。コピー先のファイルが原本と1ビットも違わないことを後から検証するために、撮影現場のデータ管理で使われます。
- MKV .mkv .mka .mks コンテナ・ファイル形式 映像・音声・字幕のトラックをいくつでも1ファイルに入れられる、オープンな動画コンテナ形式です。IETFでRFC 9559として規格化され、OBS Studioの録画や映像アーカイブ、多言語の字幕付き動画に使われます。
- MMT・TLV 配信・伝送 新4K8K衛星放送で映像や音声、字幕を運ぶための多重化の仕組みです。MMTはIPを前提にしたメディアの運び方の規格で、TLVはそのIPパケットを放送波に載せるための入れ物を指します。従来のMPEG-2 TSに代わるものです。
- Motion JPEG 映像コーデック 動画の1フレームずつを独立したJPEG画像として圧縮する映像コーデックです。フレーム間の差分を使わないため処理が軽く編集もしやすい一方、同じ画質ならH.264などよりファイルが大きくなります。監視カメラやWebカメラで今も広く使われています。
- MOV .mov .qt コンテナ・ファイル形式 Appleが策定したQuickTimeの動画ファイル形式で、拡張子は.movです。ProResやH.264、HEVCを入れる入れ物として、iPhoneの撮影から編集ソフトの中間素材まで広く使われています。
- MP3 .mp3 音声形式 人の耳に聞こえにくい成分を削って音声を小さくする、非可逆圧縮の音声形式です。1990年代にMPEGで規格化され、音楽ファイルの代名詞になりました。映像制作では仮当ての音楽や打ち合わせの録音として届くことが多く、仕上げの素材には使いません。
- MP4 .mp4 コンテナ・ファイル形式 映像と音声を1つにまとめる汎用の入れ物(コンテナ)形式で、拡張子は.mp4です。ISO/IEC 14496-14で規格化され、Web配信やSNS投稿、スマホやカメラの記録まで最も広く使われています。
- MPD .mpd 配信・伝送 MPEG-DASHの配信で使われる、XMLで書かれたマニフェストファイルです。映像そのものは入っておらず、画質ごとのセグメントの場所、長さ、ビットレートを記述しています。プレーヤーはこれを読んで再生する画質とセグメントを決めます。
- MPEG-2 .m2v 映像コーデック 1990年代にISO/IEC MPEGとITU-Tが策定した動画圧縮方式です。日本の地上デジタル放送とBSデジタル放送、DVD-Video、XDCAM HD422の映像に使われており、放送局への納品では今も最もよく目にする映像コーデックの一つです。
- MPEG-4 Visual 映像コーデック MPEG-4規格群の第2部として1999年に規格化された動画圧縮方式です。DivXやXvid、初期の携帯電話やデジタルカメラの動画で広く使われましたが、同じMPEG-4の名を持つH.264(第10部)とは別の方式です。
- MPEG-DASH .mpd .m4s 配信・伝送 映像を短いセグメントに分けてHTTPで配り、回線の速さに合わせて画質を切り替えるための国際規格です。ISO/IECが規格化しており、XMLのマニフェスト(MPD)でセグメントの場所と画質の一覧を示します。
- MPEG-H 3D Audio 音声形式 チャンネル、オブジェクト、アンビソニックスの立体音響を1つの方式で符号化できるMPEGの音声規格です。視聴者が会話の大きさなどを選べる仕組みを持ち、韓国やブラジルの地上波放送、ソニーの360 Reality Audioに採用されています。
- MPG .mpg .mpeg コンテナ・ファイル形式 MPEG-1またはMPEG-2で圧縮した映像と音声を、プログラムストリームという形で1本にまとめたファイルです。ビデオCDやDVD、キャプチャーボードの録画など、2000年代までの映像で広く使われました。
- MTS .mts コンテナ・ファイル形式 ソニーやパナソニックなどのAVCHD対応ビデオカメラが、SDカードや内蔵メモリに記録する動画ファイルの拡張子です。中身はBlu-rayと同じ192バイト単位のTSで、映像はH.264、音声はDolby DigitalかリニアPCMが入ります。
- MXF .mxf コンテナ・ファイル形式 映像・音声・タイムコード・字幕などの付随データを1つのファイルにまとめて運ぶ、放送業務用の入れ物(コンテナ)形式です。SMPTEが規格化しており、業務用カメラの収録から局への納品、送出サーバーまで同じ形式で通せます。
N
- NAB形式 字幕形式 日本民間放送連盟(民放連、英語略称NAB)の技術規準に由来する、アナログ放送時代からの字幕データの交換形式です。4:3画面を横15.5文字×8行のグリッドで区切り、字幕の位置を文字単位で決めます。
- NDI 配信・伝送 LAN上で映像・音声・タリーなどを低遅延でやり取りするための映像伝送技術です。NewTekが2015年に発表しました。配信スタジオやイベントの現場で、SDIケーブルの代わりにネットワークで映像を回すときに使われます。
- NMOS 配信・伝送 ST 2110などのIP放送設備で、ネットワーク上の機器を見つけ、どの送り手をどの受け手につなぐかを制御するための仕様群です。AMWAが策定しており、IS-04(検出と登録)とIS-05(接続管理)が中心になります。
O
- OBS Studio ツール・サービス パソコンの画面、カメラ、キャプチャーカードの映像を組み合わせて、録画やライブ配信を行う無償のオープンソースソフトです。シーンの切り替え、音声のミキシング、配信サービスへの送出を1台のパソコンでまかなえます。
- OCR AI・自動化 画像に写った文字を読み取ってテキストデータに変える技術です。映像の分野では、番組のフレームからテロップを読み取り、アーカイブの検索用メタデータや、字幕・翻訳の作業の下書きを作るのに使われます。
- OGV .ogv コンテナ・ファイル形式 Xiph.Orgが作ったオープンなコンテナOggのうち、映像を含むファイルに付ける拡張子です。中身は多くの場合Theoraの映像とVorbisの音声で、ブラウザでの再生環境は縮小しています。
- OMF .omf 編集データ 編集ソフトのタイムラインにある音声クリップの並びと音声データを、MA用のソフトへ渡すための古い交換形式です。Avidが開発し、AAFが普及する前から編集とMAの受け渡しに使われてきました。
- OP-Atom .mxf コンテナ・ファイル形式 MXFの運用パターンの1つで、映像と音声を1トラックずつ別々のファイルに分けて持つ形です。SMPTE ST 390で規定され、Avid Media ComposerのメディアファイルやパナソニックのP2カードで使われています。
- OP1a .mxf コンテナ・ファイル形式 MXFファイルの中身の並べ方(運用パターン)の1つで、1本の素材の映像と音声とタイムコードを1ファイルにまとめる形です。SMPTE ST 378で規定され、放送局へのファイル納品で最もよく指定されます。
- OpenEXR .exr 画像形式 明るさを浮動小数点の値で持ち、1つのファイルに多数のチャンネルを入れられるVFX・CG向けの画像形式です。ILMが開発してオープンソースで公開し、CGのレンダリング出力や合成の受け渡しで標準的に使われます。
- OpenTimelineIO .otio .otioz .otiod 編集データ 編集のタイムラインを、特定のソフトに縛られない形で書き表すためのオープンソースの形式とライブラリです。Pixarが始め、現在はAcademy Software Foundationのプロジェクトとして開発されています。
- Opus .opus 音声形式 通話の音声から音楽まで1つの方式で扱える、遅延の小さい非可逆の音声コーデックです。ライセンス料が要らず、WebRTCの標準コーデックとして、またYouTubeの音声やビデオ会議で広く使われています。
P
- P2カード .mxf 現場用語 パナソニックが2004年に導入した、業務用カメラ向けのメモリーカードです。PCカードと同じ形をしており、映像と音声をトラックごとに別々のMXFファイルとして記録します。放送局のENGカメラで広く使われてきました。
- PGS .sup 字幕形式 Blu-ray Discで使われる、字幕を画像として持つ形式です。ディスクから字幕だけを取り出すと拡張子.supのファイルになります。見た目はディスクのまま再現されますが、文字として編集するにはOCRが必要です。
- PQ 信号・規格 人の目の明るさの感じ方に合わせて信号値を割り当てた、HDR用の明るさの変換カーブです。信号値ごとに0〜10,000cd/m²の絶対的な明るさが決まっており、HDR10やDolby Visionの土台になっています。
- Premiere Pro .prproj ツール・サービス Adobeの映像編集ソフトで、Creative Cloudのサブスクリプションで提供されています。After EffectsやPhotoshopとの連携が強く、Web動画から番組・CMのオフライン編集まで幅広く使われています。現在の製品名は「Adobe Premiere」です。
- ProRes 映像コーデック Appleが編集用に開発した動画コーデックの一族です。1フレームずつ独立して圧縮するので編集ソフトで軽く扱え、再圧縮しても画質が落ちにくいことから、撮影素材、編集の中間ファイル、納品マスターまで広く使われています。
- ProRes 422 HQ 映像コーデック Apple ProResのうち、4:2:2・10bitの映像を最も高い品質で保つ種類です。1920×1080・29.97fpsで約220Mbpsと大きめですが、再圧縮に強く、納品マスターや高画質の中間ファイルとしてよく指定されます。
- ProRes 4444 映像コーデック Apple ProResのうち、4:4:4の色情報とアルファチャンネル(透明度)を持てる種類です。色は最大12bit、アルファは最大16bitを劣化なしで保存でき、透過付きのテロップやモーショングラフィックス、合成素材の受け渡しに使われます。
- ProRes Proxy 映像コーデック Apple ProResの中でいちばんデータ量の小さい種類で、正式名はApple ProRes 422 Proxyです。1920×1080・29.97fpsで約45Mbpsと軽く、4Kや8Kの素材を編集するためのプロキシに使われます。
- ProRes RAW 映像コーデック カメラのセンサーが捉えたRAWデータを、ProResと同じ考え方で扱いやすく圧縮したAppleの形式です。2018年に登場し、明るさや色をあとから大きく調整できる余地を残したまま、通常のProResに近い軽さで編集できます。
- .prproj .prproj 編集データ Adobe Premiere Proのプロジェクトファイルです。シーケンス、読み込んだ素材の一覧と場所、エフェクトの設定などを記録していますが、映像や音声の素材そのものは入っていません。
- PSI/SI 信号・規格 デジタル放送のTSに映像や音声と一緒に流れる、制御と案内のための情報の総称です。PSIはどのパケットが何かを示す表、SIはチャンネル名や番組名、放送時刻を伝える表で、受信機はこれを読んで選局し番組表を作ります。
- PTP 配信・伝送 ネットワークにつながった機器の時計を、マイクロ秒以下の精度でそろえるためのプロトコルです。IEEE 1588として規格化されており、ST 2110やAES67のIP放送設備では、ブラックバーストや3値シンクに代わる同期の基準になります。
Q
R
- REDCODE RAW .r3d 映像コーデック RED Digital Cinemaのシネマカメラが記録するRAW形式で、ファイルの拡張子は.R3Dです。センサーのデータをカメラ内でウェーブレット圧縮して記録するため、RAWのまま容量を大きく抑えられます。2024年からRED社はニコンの子会社です。
- RIST 配信・伝送 インターネット回線で放送品質のライブ映像を送るために、Video Services Forum(VSF)が策定した伝送プロトコルです。RTPとRTCPを土台に欠けたパケットの再送を行い、メーカーの違う機器同士でもつながるように作られています。
- RTMP 配信・伝送 配信ソフトやエンコーダーから、YouTube LiveやTwitchなどの配信サービスへ映像を送り込むときに使われるプロトコルです。Flash向けに作られましたが、Flashの終了後も「配信サービスへの入口」として使われ続けています。
- RTP 配信・伝送 映像や音声をIPネットワークでリアルタイムに運ぶために、パケットの番号付けと時刻の書き方を決めたIETFのプロトコルです。ST 2110やWebRTC、RTSP、IP電話など、多くの映像・音声伝送の土台になっています。
- RTSP 配信・伝送 ネットワークカメラやメディアサーバーの映像を、再生・一時停止などの操作を指示しながら受け取るための制御用プロトコルです。映像そのものはRTPで運ばれ、防犯カメラやPTZカメラの映像を取り込むときによく使われます。
S
- S-Log3 信号・規格 ソニーのカメラが使うLogガンマで、映画用フィルムのスキャンで使われてきたCineonに近い特性で広い明暗を記録します。色域のS-Gamut3かS-Gamut3.Cineと組み合わせて使い、LUTやグレーディングで仕上げます。
- SAMI .smi .sami 字幕形式 Microsoftが1998年に公開した、HTMLに似たタグで字幕を書くテキスト形式の字幕ファイルです。拡張子は.smiで、Windows Media Playerの字幕用に作られ、韓国の動画プレーヤーなどで広く使われてきました。
- SBV .sbv 字幕形式 YouTubeの字幕の書き出しや取り込みで使われる、テキスト形式の単純な字幕ファイルです。拡張子は.sbvで、YouTubeのヘルプではSubViewer形式として扱われています。時刻と本文だけを持ち、装飾や位置の情報は持ちません。
- SCC .scc 字幕形式 北米のテレビ字幕(CEA-608)のデータを、タイムコードと16進数で書き並べたテキスト形式の字幕ファイルです。DVDオーサリングソフトScenaristの形式が元で、米国向けの字幕納品で今も広く使われますが、日本語は表せません。
- SDI 信号・規格 非圧縮のデジタル映像と音声、タイムコードなどを、BNC端子の同軸ケーブル1本で送る業務用の映像伝送規格です。SMPTEが規格化しており、放送局のスタジオや中継車、業務用カメラやスイッチャーの接続で標準的に使われています。
- Shutter Encoder ツール・サービス FFmpegを土台にした無料の映像・音声変換ソフトです。ProResやDNxHD、XDCAM HD422への書き出し、再エンコードなしのカットやリラップ、ラウドネス測定を、ファイルをドラッグして機能を選ぶだけの画面で扱えます。
- SMPTE 436M 信号・規格 SDI信号のVANCやVBIに載っている補助データを、MXFファイルの中にトラックとして格納するための規格です。放送用MXFに字幕やAFDを持たせるときに使われます。
- SMPTE ST 2022-6 配信・伝送 SDIの信号を、ブランキングや埋め込み音声も含めて丸ごとIPパケットに詰めて運ぶSMPTEの規格です。2012年に公開され、SDIの設備をそのままIPネットワークで延長・中継する用途で使われてきました。
- SMPTE ST 2022-7 配信・伝送 同じ映像ストリームを2つの別経路で同時に送り、受信側でパケット単位に組み合わせて、片方の経路が止まっても映像を途切れさせないためのSMPTEの冗長化規格です。ST 2110やST 2022-6の設備で標準的に使われます。
- SMPTE ST 2110 配信・伝送 放送局の設備の中で、映像・音声・付随データを別々のIPストリームとして運ぶためのSMPTEの規格群です。SDIの代わりにIPネットワークを基幹にする放送IP化の中心となる規格で、PTPで全機器の時刻をそろえて運用します。
- SMPTE-TT .xml .ttml 字幕形式 W3CのTTMLに、テレビ放送の字幕データや字幕の画像を運ぶ拡張を加えたSMPTEの字幕形式です。米国FCCがネット配信の字幕の「セーフハーバー」形式と認めており、テレビで放送した番組をネットで配信するときの字幕の受け渡しに使われます。
- SRT .srt 字幕形式 字幕の通し番号、表示の開始と終了の時刻、本文だけを並べた、最も広く使われているテキスト形式の字幕ファイルです。メモ帳でも読み書きでき、YouTubeや主要な編集ソフトのほとんどが読み込めます。
- SRT(伝送プロトコル) 配信・伝送 インターネット回線でも途切れにくく、遅延の少ないライブ映像伝送を行うためのプロトコルです。Haivisionが開発してオープンソース化し、中継現場から局やクラウドへの素材伝送で広く使われています。
- SSAI 配信・伝送 動画配信の広告を、プレイヤーではなく配信サーバーの側で本編の映像ストリームに縫い込む方式です。広告も本編と同じプレイリストのセグメントとして届くため、切り替わりの読み込み待ちが出にくく、広告ブロッカーにも止められにくくなります。
- Subtitle Edit ツール・サービス 字幕ファイルを作成・編集・変換する無料のオープンソースソフトです。380以上の字幕形式を読み書きでき、音声波形を見ながらのタイミング調整、画像字幕のOCR、一括変換までを1つの画面で扱えます。
- SxS 現場用語 ソニーとサンディスクが2007年に発表した、業務用カメラ向けのメモリーカード規格です。ExpressCardと同じ形とPCI Expressの接続を持ち、XDCAM EXやXAVCのカメラで収録メディアとして使われています。
T
- TGA .tga 画像形式 米Truevision社がグラフィックボード向けに作った、構造の単純な画像形式です。アルファチャンネルを持てることから、CGのレンダリング出力やアニメ制作の仕上げ・撮影の工程で、連番の受け渡し形式として長く使われてきました。
- TIFF .tif .tiff 画像形式 画像の属性をタグで記述する、印刷や写真の分野で長く使われてきた汎用の画像形式です。映像の分野では、16bitの連番でDCPを作るときの素材や、フィルム・写真のデジタル化の保存形式として使われます。
- TS .ts コンテナ・ファイル形式 映像・音声・字幕などを188バイトの小さなパケットに切って順に流す形式です。途中から受信しても再生を始められるため、デジタル放送の電波やIP伝送、HLSの配信セグメントに使われます。
- TTML .ttml .xml .dfxp 字幕形式 字幕の文字、表示時刻、画面上の位置や書式をXMLで記述する、W3Cが勧告した字幕形式です。動画配信サービスへの字幕納品や、欧州の放送・配信で使われ、IMSCやSMPTE-TTなど用途別の派生規格の土台になっています。
V
- V-Log 信号・規格 パナソニックのカメラが使うLogガンマです。シネマカメラVARICAM向けに作られ、現在はLUMIXのミラーレスカメラにも搭載されています。色域V-Gamutと組み合わせて使い、LUTやグレーディングで仕上げます。
- VAD AI・自動化 音声の中で人が話している区間と、無音や雑音、BGMだけの区間を見分ける技術です。音声認識や話者分離の前処理として発話区間を切り出すほか、字幕の表示タイミングの候補作りや無音部分のカット編集に使われます。
- VANC 信号・規格 SDIの映像信号のうち、画面に映らない垂直帰線の区間に載せる補助データのことです。字幕、タイムコード、AFD、CM差し替えの合図などが、映像と同じケーブルで同期して運ばれます。
- VITC 信号・規格 映像信号の垂直帰線区間にある走査線に、タイムコードを書き込む形式です。SMPTE ST 12-1で規定され、静止やスロー再生でも読めるのが特徴です。デジタルのSDIでは、アンシラリデータの中にVITCとして同じ情報が引き継がれています。
- VLC media player ツール・サービス ほとんどの動画・音声形式を追加のコーデックなしで再生できる、無償のオープンソースのメディアプレーヤーです。OSの標準プレーヤーで開けないMXFやTS、MKVの確認や、ネットワーク配信の受信テストに使われます。
- VOB .vob コンテナ・ファイル形式 DVDビデオのディスクで映像・音声・字幕・メニューを収めるファイルです。中身はMPEG-2プログラムストリームで、VIDEO_TSフォルダーの中にIFOファイルと組になって並びます。
- VobSub .idx .sub 字幕形式 DVDの字幕を画像のまま抜き出して保存する形式です。タイミングと色の情報を持つテキストの .idx と、字幕の絵そのものが入ったバイナリの .sub の2つで1組になります。
- VP8 映像コーデック On2 Technologiesが開発し、同社を買収したGoogleが2010年にオープンソースで公開した動画圧縮方式です。WebMの最初の映像コーデックで、WebRTCではH.264と並んでブラウザが必ず実装すべき方式に定められています。
- VP9 映像コーデック Googleが開発し、2013年に仕様を固めた特許料のかからない動画圧縮方式です。YouTubeの4KやHDRの配信、WebMファイル、WebRTCで使われ、VP8やH.264より少ないデータ量で同じ画質を出せます。
- VRO .vro コンテナ・ファイル形式 DVDレコーダーがVRモードで録画したディスクに書き込む映像ファイルです。中身はMPEG-2プログラムストリームで、録画したすべての番組が VR_MOVIE.VRO という1つのファイルにまとまっています。
- VTR 現場用語 本来は映像を磁気テープに記録・再生する装置のことですが、テレビの現場では番組の中で流す、あらかじめ撮影・編集した映像を指します。テープを使わなくなった今も「VTRをご覧ください」のように使われ続けています。
W
- WAV .wav 音声形式 音声を主に非圧縮のリニアPCMで保存するファイル形式です。MicrosoftとIBMが1991年に定めたRIFFという入れ物の一種で、映像制作やMAでは48kHz・24bitのWAVが音声の受け渡しの標準になっています。
- web-bml ツール・サービス 日本のデジタル放送のデータ放送(BML)を、パソコンのWebブラウザで表示するオープンソースのBMLブラウザです。Node.jsで動くサーバーが放送や録画のTSからデータを取り出し、ブラウザ側で画面とスクリプトを動かします。MITライセンスで公開されています。
- WebM .webm コンテナ・ファイル形式 Googleが中心になって公開した、Webブラウザー向けの動画ファイル形式です。Matroska(MKV)の構造を土台に、映像はVP8・VP9・AV1、音声はVorbis・Opusという、ロイヤリティフリーとして公開されたコーデックに絞っています。
- WebRTC 配信・伝送 ブラウザ同士やブラウザとサーバーの間で、映像・音声を1秒未満の遅延でやり取りするための技術群です。W3CがブラウザのAPIを、IETFが通信の手順を定めており、ビデオ会議やリモート出演、超低遅延の配信に使われます。
- WebVTT .vtt 字幕形式 Webページの動画に字幕を付けるためにW3Cが仕様をまとめた、テキスト形式の字幕ファイルです。HTMLの track 要素で読み込めて、表示位置やスタイル、縦書きやルビまで指定できます。HLS配信の字幕にも使われます。
- WER / CER AI・自動化 音声認識の結果が正解の文章とどれだけ違うかを示す誤り率です。WERは単語、CERは文字を単位に、置換・脱落・挿入の数を正解の長さで割って求めます。日本語では単語の区切りが揺れるため、CERがよく使われます。
- WHIP 配信・伝送 WebRTCで配信サービスやメディアサーバーへ映像を送り込むときの、接続手順を決めたIETFの規格です。HTTPのリクエストを送るだけで接続でき、RTMPの代わりに1秒未満の遅延で映像を打ち上げられます。
- WMV .wmv コンテナ・ファイル形式 Microsoftが開発したWindows Media Videoの映像を、同社のASFという入れ物に収めた動画ファイルです。拡張子は.wmvで、2000年代のWindowsでの動画配信や社内向けの動画、ムービーメーカーの書き出しに広く使われました。
X
- XAVC .mxf 映像コーデック ソニーが2012年に発表した、H.264/MPEG-4 AVCをもとにする業務用の記録フォーマットです。4Kや10bit・4:2:2の収録に対応し、フレームごとに圧縮するXAVC IntraとLong GOPのXAVC Longを、MXFファイルとして記録します。
- XAVC HS .mp4 映像コーデック ソニーが2020年にα7S IIIで導入した、H.265/HEVCで記録するXAVCです。4Kや8Kの映像を10bitでMP4ファイルに収め、同じ画質ならH.264のXAVC Sよりファイルを小さくできますが、再生にはHEVCのデコードが必要です。
- XAVC S .mp4 映像コーデック ソニーが2013年に発表した、民生機や小型のカメラ向けのXAVCです。H.264の映像をMP4ファイルに記録し、αシリーズのミラーレスやハンディカム、FXシリーズで4KやHDの動画を撮るときの標準の形式になっています。
- XDCAM .mxf 映像コーデック ソニーが2003年に発表した業務用のファイル記録フォーマット群です。光ディスクのプロフェッショナルディスクやSxSカードに、MPEG-2などで圧縮した映像をMXFファイルとして記録し、放送局の取材・納品・保管で広く使われています。
- XDCAM EX .mp4 映像コーデック ソニーが2007年のPMW-EX1で始めた、SxSメモリーカードに記録するXDCAMの系統です。MPEG-2 Long GOPで最大35Mbps・4:2:0のHD映像を、MP4ファイルとしてBPAVフォルダの中に記録します。
- XDCAM HD422 .mxf 映像コーデック ソニーのXDCAMのうち、MPEG-2 Long GOPで1920×1080の映像を4:2:2・50Mbpsで記録する形式です。MXF OP1aのファイルに収めて扱い、日本の放送局の番組納品や送出サーバーで標準的に使われています。
- XMEML .xml 編集データ Final Cut Pro 7のタイムラインをXMLで書き表す形式です。Premiere ProやDaVinci Resolveが読み書きできるため、ソフトの間でシーケンスを受け渡す共通の形式として今も使われています。
Y
Z
0-9
- 1080i / 1080p 信号・規格 縦1080本のHD映像のうち、1枚の絵を奇数行と偶数行の2回に分けて送るのが1080i、1枚をまとめて送るのが1080pです。日本のテレビ放送のHDは1080iで運用されています。
- 12G-SDI 信号・規格 伝送速度11.88GbpsのSDIで、3840×2160の4K映像を60フレームまで同軸ケーブル1本で送れる規格です。SMPTE ST 2082として規格化され、4K制作のカメラやスイッチャー、モニターの接続に使われています。
- .1HD / .1SD .1HD .1SD 字幕形式 ARIB STD-B36に準拠した放送字幕ファイルに付く拡張子です。.1HDはHD放送用、.1SDはSD用の字幕データで、字幕制作会社から放送局への納品や、局内のアーカイブで受け渡されます。
- 29.97fps 信号・規格 日本や北米のテレビ放送の基準になっているフレームレートで、正確には30000÷1001、約29.97002997fpsです。NTSC方式のカラー化で30fpsをわずかに下げた名残で、ドロップフレームや30fps素材とのずれの原因になります。
- 3G-SDI 信号・規格 伝送速度2.97GbpsのSDIで、1080pの50・59.94・60フレームの映像を同軸ケーブル1本で送れる規格です。映像の詰め方にLevel AとLevel Bの2種類があり、機器どうしの相性問題の原因になりやすい規格でもあります。
- 3GP .3gp .3g2 コンテナ・ファイル形式 第3世代携帯電話(3G)で動画を撮影・送受信するために決められたコンテナ形式です。MP4と同じISOBMFFの構造を持ち、ガラケーで撮った動画の多くがこの形式で残っています。
- 3値シンク 信号・規格 HD以降の映像機器を同期させるための基準信号です。0Vから負、正へ振れて0Vに戻る3つの電圧レベルのパルスで、ブラックバーストより時間の基準点を正確に取れます。
- 4K / UHD 信号・規格 横およそ4,000画素の映像の総称が4Kで、テレビや配信で使う3840×2160をUHD、映画用の4096×2160をDCI 4Kと呼び分けます。UHDの画素数はフルHDのちょうど4倍です。
- 8K 信号・規格 横7680×縦4320画素の映像規格です。フルHDの16倍、4K(UHD)の4倍の画素数を持ち、日本では2018年12月からNHKがBS8Kで衛星放送を続けています。
ア
- アスペクト比 信号・規格 映像の横幅と高さの比率のことです。テレビやYouTubeは16:9、アナログ時代のテレビは4:3、縦型のショート動画は9:16が標準です。画面の比率と画素の形の比率を分けて考える必要があります。
- 色空間 信号・規格 映像の数値がどの色を指すかを決める約束事です。三原色の位置(色域)、白の基準(白色点)、明るさの変換(伝達特性)の組み合わせで決まり、BT.709、BT.2020、DCI-P3、sRGBなどがあります。
- インサート 現場用語 番組や映像の流れの中に差し込む別の映像のことです。インタビューの途中で現場の様子を見せるカットや、生放送中に流すVTRを指します。編集ソフトでは、既存のクリップを後ろへずらして素材を挿入する操作の名前でもあります。
- 映像アーカイブ 現場用語 放送済みの番組や取材映像を、後から探して再利用できる形で長く保存しておくこと、またその保存の仕組みや施設のことです。保存媒体の世代交代と、探すための情報付けが大きな課題になります。
- 映像メタデータ 現場用語 映像ファイルに付いて回る「このファイルは何か」を説明する情報です。コーデックやタイムコードのような技術的な情報と、タイトル・撮影日・出演者・内容のような記述的な情報に分かれ、検索や納品、アーカイブの土台になります。
- エンコード 現場用語 映像や音声を、H.264やProResなどのコーデックの方式に従って圧縮したデータに変換することです。動画の書き出しやライブ配信の送り出しで必ず通る工程で、設定次第で画質・ファイルサイズ・処理時間が大きく変わります。
- オープンキャプション 字幕形式 映像そのものに描き込まれていて、見る人が消したり切り替えたりできない字幕のことです。映画館の日本語字幕付き上映や、SNS向け動画に最初から入っている字幕がこれにあたります。
- オールイントラ 信号・規格 動画のすべてのフレームを、前後のフレームを参照せず1枚ずつ独立して圧縮する方式です。データ量は大きくなりますが、どのフレームでも単独で復元できるため、編集ソフトでの動作が軽く、切り出しも正確です。
- 押し・巻き 現場用語 番組の進行や撮影の予定に対して、時間が遅れていることを「押し」、早く進めること、または早く進んでいることを「巻き」と呼ぶ現場用語です。生放送や収録で、残り時間を調整するときに使われます。
- 帯番組 現場用語 月曜から金曜のように、複数の曜日の同じ時間に続けて放送する番組のことです。番組表で曜日を横に並べたとき、同じ時間に帯のように続いて見えることからこう呼ばれます。朝や昼の情報番組、夕方のニュースが代表例です。
- オフライン編集 現場用語 撮影素材を軽いプロキシなどで扱い、カットの取捨選択と並び順、尺を決めていく編集の前半工程です。仮編や粗編とも呼ばれ、ここで固めた構成を編集データとして書き出し、後のオンライン編集で本線の素材に差し替えて仕上げます。
- 音声認識 AI・自動化 人が話した音声をコンピューターがテキストに変換する技術です。英語の略称はASRです。映像の現場では字幕制作、インタビューの文字起こし、生放送の字幕、アーカイブの検索用テキスト作りに使われています。
- オンライン編集 現場用語 オフライン編集で決めた構成を本線の高画質素材で組み直し、色の調整、テロップ入れ、画質の規格合わせまで行って納品できる映像に仕上げる編集の後半工程です。本編集や本編とも呼ばれ、ポスプロの編集室で行われることが多い作業です。
カ
- 解説放送 現場用語 画面に映る人物の動きや場面の様子、字幕やテロップの内容をナレーションで補い、目の不自由な視聴者にも番組の内容が伝わるようにした放送です。多くは副音声で提供され、総務省の指針で普及目標が定められています。
- 改編期 現場用語 テレビ局が番組表を大きく組み替える時期のことです。主に4月と10月で、新番組の開始やレギュラー番組の終了、放送枠の移動が一度に起き、その切り替えの間を埋めるように特番が集中します。
- カラーグレーディング 現場用語 映像の色、明るさ、コントラストを調整して、作品全体の雰囲気や見た目(ルック)を作り込む工程です。映画、ドラマ、CM、ミュージックビデオで行われ、専門の技術者であるカラリストがDaVinci Resolveなどを使って仕上げます。
- カラーバー 信号・規格 白・黄・シアン・緑・マゼンタ・赤・青の縦縞を並べた基準映像です。映像レベルやモニターの色を合わせる物差しとして、機材の調整や番組素材の頭に入れて使います。
- カラコレ 現場用語 撮影した映像の明るさ、色味、コントラストを補正し、カットごとのばらつきをそろえる作業のことです。カラーコレクションの略で、ホワイトバランスや露出のずれを直し、放送の規格に収まる映像にする技術的な調整を主に指します。
- 完パケ 現場用語 映像編集、MA、テロップ入れまで終わり、そのまま放送・公開できる状態に仕上げた完成品のことです。「完全パッケージ」の略で、テレビ番組やCMの納品物を指す言葉として制作会社と放送局の間で使われます。
- カンペ 現場用語 テレビの収録や生放送で、スタッフが出演者に向けて指示や台詞、残り時間などを書いて見せる紙やボードのことです。カンニングペーパーの略で、ADやフロアディレクターがカメラの横でスケッチブックを掲げる形が一般的です。
- キー局 現場用語 テレビの系列(ネットワーク)の中心となり、全国に流す番組の多くを制作して系列の地方局に送る放送局のことです。民放では東京の日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビの5社を指し、在京キー局とも呼ばれます。
- 機械翻訳 AI・自動化 ある言語の文章をコンピューターが別の言語に訳す技術です。現在はニューラルネットワークによる方式が主流で、映像の分野では字幕の多言語化や海外向け番組の翻訳の下訳に使われています。
- キューシート 現場用語 番組や映像の中で「何が、いつ、どれだけの長さで」出るかを時間順に並べた一覧表です。番組の進行表を指す場合と、使用した音楽の曲名や秒数をまとめて権利処理に使う音楽キューシートを指す場合があります。
- 強制アライメント AI・自動化 話している内容が文章として分かっている音声に対して、単語や文字、音素ごとに「どの時刻に話されたか」を割り当てる技術です。台本や原稿がある番組の字幕タイミング付けや、歌詞の同期に使われます。
- 緊急警報放送 現場用語 大津波警報・津波警報や、自治体の長からの要請があったときに、特別な緊急警報信号を前に置いて行う放送です。対応した受信機は、待機中でもこの信号を受けると自動で電源が入ります。日本では1985年に始まり、放送法施行規則で使える場面が限られています。
- クローズドキャプション 字幕形式 映像とは別のデータとして送り、見る人が表示と非表示を切り替えられる字幕のことです。テレビのリモコンの字幕ボタンや、動画プレーヤーの「CC」ボタンで出し入れする字幕がこれにあたります。
- クロマサブサンプリング 信号・規格 映像を明るさ(輝度)と色差に分けたうえで、人の目が気づきにくい色差の情報を間引いてデータ量を減らす仕組みです。4:2:2や4:2:0のような比で表し、放送の素材は4:2:2、配信や家庭用の機器は4:2:0が一般的です。
- ゲンロック 信号・規格 カメラやスイッチャー、送出機器などの映像のタイミングを、共通の基準信号にそろえる同期のことです。フレームの頭と走査の位置が全機器で一致するので、スイッチャーで切り替えても映像が乱れません。
サ
- サブ(副調整室) 現場用語 テレビスタジオに隣接し、複数のカメラの映像、音声、テロップ、VTRを切り替えて1本の番組に組み立てる部屋です。ディレクターや技術スタッフが並び、生放送や収録の指揮はここから出されます。
- シーン検出 AI・自動化 映像の中でカットやシーンが切り替わる位置を自動で見つける技術です。1本につながった映像からカット点を復元する編集作業や、アーカイブの代表画像作り、チャプター分け、字幕のタイミング調整に使われます。
- 視聴率 現場用語 テレビを持っている世帯や人のうち、ある番組やCMをどれくらいの割合が見ていたかを示す数字です。国内ではビデオリサーチが調査対象の世帯に測定機器を置いて集計しており、世帯視聴率と個人視聴率、録画視聴を含む指標などがあります。
- 字幕放送 現場用語 番組の音声を文字にした字幕を映像とは別のデータで送り、視聴者がリモコンの字幕ボタンで表示と非表示を切り替えられるようにした放送です。聴覚障害者向けのサービスとして総務省の指針で普及目標が定められています。
- 尺 現場用語 映像や音声の長さ(時間)を指す、映像制作と放送の現場用語です。フィルムの長さで上映時間を数えていた名残で、「尺が足りない」「尺を詰める」「15秒尺」のように、番組やCM、1カットの長さを言うときに使います。
- 収録 現場用語 番組の映像と音声を、放送より前に撮っておくことです。スタジオでの撮影を指すことが多く、収録した素材は編集やMA、テロップ入れを経て完パケに仕上げてから放送されます。生放送と対になる言葉です。
- 白完 現場用語 映像の編集と色の調整は終わっているものの、テロップや字幕がまだ乗っていない完成映像のことです。「白完パケ」の略で、文字を後から差し替えたい再編集、海外販売、二次利用の元素材として納品や保管の対象になります。
- スーパー 現場用語 映像の上に文字や図形を重ねて表示すること、または重ねた文字そのものを指す現場用語です。英語のsuperimposeを縮めた言い方で、テレビではテロップとほぼ同じ意味で使われ、映画では翻訳字幕を「字幕スーパー」と呼びます。
- スクイーズ 信号・規格 横長の映像を横方向に縮めて、より縦長の記録枠いっぱいに収める方法です。SDの4:3の枠に16:9を記録するときや、アナモルフィックレンズで撮るときに使われ、表示や編集の段階で元の比率に戻します。
- ステブレ 現場用語 テレビの番組と番組の間にある短い時間のことで、ステーションブレイクの略です。この時間にはスポットCMや番宣、局のロゴの映像などが流れ、系列の地方局が自社のCMを差し込む枠にもなっています。
- スポットCM 現場用語 特定の番組を提供するのではなく、テレビ局が決めた時間帯の空いている枠に流すCMのことです。15秒のものが中心で、流す期間や地域、視聴率の合計の目標を決めて出稿します。番組と番組の間のステブレなどで流れます。
- セーフエリア 信号・規格 画面の端が切れて表示されても大事な要素が欠けないよう、映像の内側に設ける範囲の目安です。動きや人物を収めるアクションセーフと、文字を収めるタイトルセーフの2段階があります。
- 全録 現場用語 複数のチャンネルの放送を、予約をせずに一定の期間まるごと録画し続けることです。家庭用のレコーダーの機能として知られるほか、放送局や制作会社では放送内容の確認や番組の保存、他局の番組のチェックに全録の設備が使われています。
- 送出 現場用語 番組やCM、番宣などの素材を、放送スケジュールどおりの時刻に切り替えながら送信所へ送り出すことです。放送局ではマスター(主調整室)が担い、送出サーバーと自動番組制御装置が秒単位で動かしています。
タ
- タイムコード 信号・規格 映像の1コマごとに「時・分・秒・フレーム」の番地を振る仕組みです。SMPTE ST 12-1で規定され、編集点の指定、カメラと録音機の同期、納品素材の頭合わせ、字幕の表示位置まで、制作と放送のあらゆる工程で基準として使われます。
- タイムCM 現場用語 特定の番組のスポンサーとして、その番組の中の枠で流すテレビCMのことです。多くは番組を「提供」する形で、番組の始まりや終わりに社名が提供クレジットとして表示されます。30秒が基本の単位です。
- 提供クレジット 現場用語 テレビ番組の始まりや終わりに、その番組のスポンサー企業の名前やロゴを画面に出し、読み上げて示すことです。番組を提供するタイムCMの広告主に対して表示され、「この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします」という形がよく知られています。
- データカルーセル 信号・規格 データ放送のファイルなどを放送波で届けるために、同じデータを一定の周期で繰り返し送り続ける伝送の方式です。MPEG-2のDSM-CCで定められた仕組みで、日本のデジタル放送ではBMLの文書や画像をこの方式でTSに多重して送っています。
- データ放送 現場用語 テレビの映像や音声とは別に、ニュースや天気予報、番組に連動した情報を文字や画像で届けるデジタル放送のサービスです。リモコンのdボタンで呼び出し、日本の地上・BS・110度CSのデジタル放送ではBMLという言語で作られた画面が表示されます。
- テレテキスト 字幕形式 テレビ信号の画面に映らない部分に文字のページを載せて送る、欧州発祥の文字放送の方式です。ニュースや天気のページと並んで字幕も送られ、イギリスでは888ページが字幕の定番でした。
- テロップ 現場用語 テレビ番組や動画の画面に重ねて表示する文字や図形のことです。出演者の名前、発言の強調、場所や日時の表示などに使い、編集の段階で映像に合成されるため、視聴者が表示を消すことはできません。
- 同時配信 現場用語 テレビで放送している番組を、同じ時刻にインターネットでも配信することです。サイマル配信とも呼ばれ、国内では民放がTVerで、NHKがNHK ONEで行っています。権利の都合で配信できない番組や場面は、別の画面に差し替えます。
- 特番 現場用語 レギュラー番組とは別に、単発で放送する特別番組のことです。改編期や年末年始の長時間番組、選挙や災害の報道特番、スポーツ中継などがあり、放送する枠はレギュラー番組を休止したり短縮したりして空けます。
- トランスコード 現場用語 圧縮された映像や音声をいったん復号し、別のコーデックや設定で圧縮し直す変換処理のことです。編集しやすい形式への変換、納品形式への書き出し、配信用の複数画質の作成など、映像のファイルを扱う工程のあちこちで行われます。
- ドロップフレーム 信号・規格 29.97fpsや59.94fpsの素材で、タイムコードの番号を決まった規則で飛ばし、表示される時刻を実時間に合わせる数え方です。飛ばすのは番号だけで、映像のコマは1枚も捨てません。飛ばさない数え方はノンドロップフレームと呼びます。
ナ
- 生放送 現場用語 スタジオや中継先で撮っている映像と音声を、編集せずにその時刻のまま放送することです。ニュースや情報番組、スポーツ中継、選挙特番などで使われ、進行はサブ(副調整室)から秒単位で指揮されます。
- ネット局 現場用語 キー局と系列(ネットワーク)を組み、キー局などが制作した番組を受けて放送する各地のテレビ局のことです。系列局や地方局とも呼ばれ、全国ネットの番組を流しながら、ローカル番組やニュース、地域のCMを自社で差し込みます。
- 納品仕様書 現場用語 映像を納める相手が、ファイル形式、映像と音声の設定、素材の構成、タイムコード、ラベルの書き方などを指定した文書です。放送局では搬入基準、配信事業者ではデリバリースペックと呼ばれることもあり、これに合わない素材は受け付けてもらえません。
- ノンリニア編集 現場用語 映像や音声をファイルとしてパソコンに取り込み、タイムライン上で自由な順番に並べ替えて編集する方式のことです。英語のNon-Linear Editingを略してNLEとも呼び、テープを頭から順に記録していくリニア編集と対になる言葉です。
ハ
- ハイブリッドキャスト 配信・伝送 テレビ放送とインターネットを組み合わせ、放送中の番組に合わせてネットから取ってきた画面や動画をテレビに表示する日本の仕組みです。IPTVフォーラムが技術仕様を定め、アプリはHTML5をもとに作ります。対応テレビをアンテナとインターネットの両方につなぐと使えます。
- ハコ割り 現場用語 台詞やナレーションを、字幕として一度に表示する単位(ハコ、1枚)ごとに区切る作業のことです。1枚に入る文字数と表示時間の上限、話者の交代、カットの変わり目を見ながら、どこで切って何枚に分けるかを決めます。
- 番宣 現場用語 テレビ局が自局の番組を宣伝することです。番組の予告映像を放送の合間に流す番宣スポットと、出演者が自局の別の番組に出て告知する番宣出演が代表的で、新番組が始まる改編期や特番の前に集中します。
- ピー音 現場用語 放送できない言葉や個人を特定できる情報を隠すため、その部分の音声に重ねたり差し替えたりする「ピー」という電子音のことです。自主規制音とも呼ばれ、高さが一定の電子音が使われます。主にMAの工程で入れます。
- ビット深度 信号・規格 映像の1画素の明るさや色を、何段階の数値で表すかを示す値です。8bitは各成分256段階、10bitは1,024段階で、ビット数が多いほど滑らかな階調を記録でき、Log撮影やHDRでは10bit以上が前提になります。
- ビットレート 信号・規格 1秒あたりに使うデータ量のことで、動画では映像や音声を圧縮したあとの情報量を表します。単位はbps(ビット毎秒)で、Mbpsがよく使われます。画質とファイルサイズの両方を左右する数値です。
- ファイルベース 現場用語 映像と音声をビデオテープではなくファイルとして記録し、編集・納品・送出・保管まで受け渡していく運用のことです。放送局では、HDCAMなどのテープで素材を運ぶ運用から、MXFファイルを中心とした運用へ移ってきました。
- フリップ 現場用語 テレビ番組で、出演者が手に持ってカメラに見せる、図や文字を書いたボードのことです。ニュースや情報番組の解説図、クイズ番組の回答、ランキングの発表などに使われ、シールで隠した部分をはがして見せる「めくり」の演出もよく使われます。
- フルレンジ / リミテッドレンジ 信号・規格 映像の数値のうち、どこからどこまでを黒から白に割り当てるかの違いです。8bitなら16〜235を使うのがリミテッドレンジ、0〜255をすべて使うのがフルレンジで、解釈を取り違えると黒が浮いたり潰れたりします。
- フレームレート 信号・規格 動画が1秒間に何枚の静止画(フレーム)で構成されるかを表す値で、単位はfpsです。日本の放送は29.97fps(59.94i)、映画は24fps、欧州などの旧PAL圏は25fpsが基準になっており、撮影から納品まで同じ値でそろえるのが基本です。
- プロキシ 現場用語 編集を軽くするために、元の高画質な素材から作る低解像度・低ビットレートの代わりのファイルのことです。編集中はプロキシを使い、書き出しのときに元の素材へ切り替えることで、4Kや8Kの素材でも普通のパソコンで編集できます。
- プロフェッショナルディスク 現場用語 ソニーの業務用映像システムXDCAMで使う、カートリッジに入った光ディスクです。青紫色レーザーで記録し、カムコーダーでの収録からデッキでの編集、局への納品や保管まで同じディスクで扱えます。
- 編成 現場用語 テレビ局で、どの時間にどの番組を放送するかを決めること、またそれを担う部署のことです。番組表の枠を組み、新番組の採用や終了、特番の差し込み、放送時刻の変更を判断します。
- ポスプロ 現場用語 撮影が終わったあとに行う、編集、色の調整、合成、MA、テロップ入れ、納品データの作成までの工程をまとめた呼び方です。ポストプロダクションの略で、これらの作業を請け負う会社や施設を指して「ポスプロ」と呼ぶこともあります。
マ
- マスター(主調整室) 現場用語 放送局の中で、自局のスタジオ、ネット回線、中継、送出サーバーから来るすべての番組とCMを最後に切り替え、送信所へ送り出す部屋と設備のことです。放送が止まらないように24時間体制で運用されます。
- マルチDRM 配信・伝送 Widevine、PlayReady、FairPlay Streamingという複数のDRMを1つの配信で併用し、ブラウザやスマホ、テレビの種類を問わず暗号化した動画を再生させる運用のことです。有料配信や見逃し配信で求められます。
- 見逃し配信 現場用語 放送が終わった番組を、一定の期間インターネットで見られるようにする配信のことです。国内では民放の番組がTVerや各局のサービスで、NHKの番組がNHK ONEで配信されます。TVerでは次の回の放送の直前までが基本の配信期間です。
- モザイク処理 現場用語 映像の一部を粗いブロック状の模様やぼかしに置き換えて、見えなくする処理のことです。テレビでは一般の人の顔、車のナンバー、住所の分かる表札などを隠すために使われ、編集の段階で被写体の動きを追いかけながらかけます。
ヤ
ラ
- ラウドネス 信号・規格 人が耳で感じる音の大きさを数値にしたものです。放送では番組やCMの平均ラウドネスを一定の目標値に揃える運用が行われており、日本のテレビは-24 LKFSが基準です。
- ラテ欄 現場用語 新聞やテレビ情報誌に載っている、ラジオとテレビの番組表のことです。「ラジオ・テレビ欄」を縮めた言い方で、限られた文字数の中に番組名と見どころを詰め込むため、独特の略し方や書き方が生まれています。
- リニアPCM 音声形式 音の波形を一定の間隔で測り、その大きさを等間隔の数値でそのまま記録する、圧縮しないデジタル音声の表し方です。WAVやAIFFの中身、業務用カメラの音声、SDIやST 2110で送る音声まで、放送と映像制作の音の基本形になっています。
- リラップ 現場用語 映像と音声のデータには手を付けず、入れ物(コンテナ)だけをMXFからMOVへ、MTSからMP4へのように詰め替える処理です。再エンコードしないので画質は落ちず、処理もファイルのコピーに近い時間で終わります。
- レターボックス 信号・規格 横長の映像を、それより縦長の画面に比率を保ったまま収めたとき、上下にできる黒い帯、またはその表示方法のことです。左右に帯ができる場合はピラーボックス(サイドパネル)と呼び分けます。
- 連番画像 画像形式 映像の1フレームずつを、番号付きの静止画ファイルとして並べたものです。CGのレンダリング、VFX、アニメ、フィルムスキャンの受け渡しで使われ、DPX・OpenEXR・TIFF・TGA・PNG などの形式で書き出されます。
ワ
- ワイプ 現場用語 テレビ画面の隅に小さな窓を開けて、スタジオの出演者の表情など別の映像を重ねる演出のことです。もともとは、図形の境目が画面を横切って次の映像に切り替わる、スイッチャーの切り替え効果の名前でした。
- 話者分離 AI・自動化 複数の人が話している音声を、話し手ごとの区間に分けて「誰が、いつ話したか」を推定する技術です。字幕の話者ごとの色分けや、対談・会議の文字起こしで発言者を付ける作業に使われます。
- ワンセグ 現場用語 日本の地上デジタル放送で、1つのチャンネルを13に分けたうちの中央の1セグメントを使って送る、携帯電話やカーナビなど移動体向けの放送です。画質は小さい画面向けですが、弱い電波でも受かりやすく、2006年4月に始まりました。