送出

playout / ソウシュツ

番組やCM、番宣などの素材を、放送スケジュールどおりの時刻に切り替えながら送信所へ送り出すことです。放送局ではマスター(主調整室)が担い、送出サーバーと自動番組制御装置が秒単位で動かしています。

英語表記
playout
意味
番組・CM・番宣を放送スケジュールどおりに送信所へ送り出すこと
担う場所
マスター(主調整室)
主な設備
送出サーバー、CMバンク、マスタースイッチャー、自動番組制御装置
スケジュールの元
営業放送システムから受け取る番組進行表(運行表)
素材の主な形式
MXF(XDCAM HD422など)
局内での別の使い方
テロップ送出、VTR送出、字幕送出のように、サブや各部署から素材を出すこと

テレビの画面は、番組からCM、CMから番宣、また番組へと、秒単位で切り替わっていきます。この切り替えを1日24時間、放送スケジュールどおりに続けるのが送出です。人がボタンを押すのではなく、ほとんどの部分は機械が決められた時刻に自動で動かしています。

送出が使われる場面

放送局の送出は、マスターと呼ばれる主調整室で行われます。営業部門や編成部門が作った番組進行表(運行表)が営業放送システムから送出系へ渡され、自動番組制御装置がその表に従って、送出サーバーやスイッチャーなどの機器に制御信号を送ります。

素材は放送前にサーバーへ登録されます。番組の完パケは番組用のサーバーへ、CMはCM素材搬入で届いたものがCMバンクと呼ばれるサーバーへ入ります。生放送の時間帯は、スタジオのサブから来る映像をマスターが受けて送り出します。系列のネット局は、キー局から回線で届く番組を受け、ローカルのCMや番組を差し込みながら送出します。

局の中では、テロップ送出や字幕送出のように、各部署が素材を出す作業にも「送出」の語が使われます。聞いたときは、放送全体の送出なのか、特定の素材の送出なのかを文脈で読み分けます。

送出の仕組み

送出系は、止まらないことを最優先に組まれています。送出サーバーやスイッチャーは本系と予備系の二重化が基本で、本系に異常が出たら予備系へ切り替えます。映像が黒になった、音が無音になったといった異常は、監視装置が検出して知らせます。

音量も送出の段階で揃える必要があります。番組とCMで音の大きさが大きく違わないように、国内の放送ではラウドネスの基準に沿って素材を作り、送出前に確認します。

最近は、送出系の一部をクラウド上に組む例も出てきました。ネット配信専用のチャンネルや、臨時のチャンネルを短期間で立ち上げたいときに検討されます。クラウドの構成要素はAWS Media Servicesとはで整理しています。

送出で間違えやすい点・トラブル

送出のトラブルは、そのまま放送事故になります。典型的なものは次の通りです。

  • 素材の尺が進行表とずれていて、番組の終わりが切れる、または黒が出る
  • CMの差し替えの反映漏れで、古い素材が放送される
  • 素材の音声チャンネルの割り当てが仕様と違い、片側だけ音が出る
  • 生放送が延びたときの後続番組の調整が進行表に反映されない

多くは、素材が搬入された時点で仕様どおりかを確認することで防げます。

よくある質問

送出と配信の違いは何ですか

送出は放送局が番組を放送波の送信所へ送り出すことで、配信はインターネットで視聴者に映像を届けることです。ネット同時配信では、送出した映像と同じものを配信用に分けて圧縮し、別の経路で届けます。

送出サーバーとは何ですか

放送する番組やCMのファイルを蓄えておき、制御装置の指示どおりの時刻に再生して送り出すサーバーです。テープの時代のVTRと自動装填の設備に代わって使われています。

送出マスターとは何ですか

送出を担う主調整室のことで、単に「マスター」と呼ばれることがほとんどです。局内外のすべての番組とCMが最後にここを通って送信所へ向かいます。

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似ている用語との違い

名前主に使う場面送出との違い
配信インターネット向けネットの視聴者へ映像を届けること。送出は放送波の送信所へ送り出すことを指す
マスター送出の場所送出を担う部屋と設備の名前
伝送拠点間の映像の受け渡し中継先から局、局から局へ映像を運ぶこと。放送スケジュールに沿った切り替えは含まない

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