緊急地震速報
Earthquake Early Warning(EEW) / キンキュウジシンソクホウ
気象庁が地震のP波を検知して各地の揺れを予測し、強い揺れの前に知らせる情報です。テレビでは文字スーパーとチャイム音で伝えられ、気象業務法により気象庁以外は地震動の警報を出せません。
- 発表する機関
- 気象庁
- 一般への提供開始
- 2007年10月1日(警報の発表開始)
- 種類
- 緊急地震速報(警報)と緊急地震速報(予報)
- 警報の発表条件
- 2点以上の地震観測点で地震波が観測され、最大震度5弱以上または最大長周期地震動階級3以上と予想された場合
- 特別警報にあたる場合
- 震度6弱以上または長周期地震動階級4が予想される場合。ただし通常の警報と区別せずに発表する
- 警報で発表する地域
- 強い揺れが予想される地域と震度4が予想される地域の名称(全国を約200地域に分割)
- 予測の手法
- 震源とマグニチュードから各地の震度と到達時刻を予測する方法と、観測された揺れから予測するPLUM法
- 観測点
- 気象庁の地震計・震度計 約690箇所と、防災科学技術研究所の観測網 約1,000箇所
- 放送の義務
- 気象庁は警報を政令で指定された機関(日本放送協会)に通知し、通知を受けたNHKは直ちに放送しなければならない
テレビ番組の途中で独特のチャイムが鳴り、画面の上に地震の文字が出ます。放送局が地震を検知しているわけではなく、気象庁が出した情報を局の設備が受けて自動で画面に出しています。放送法ではなく気象業務法が根拠になっている情報です。
緊急地震速報がテレビに出るまで
地震が起きると、秒速約7kmで伝わるP波と、それより遅い秒速約4kmで揺れの強いS波が地中を進みます。気象庁は震源付近でP波を捉えた地震計のデータを解析し、震源、マグニチュード、各地の予測震度を計算します。地震波が届く速さと電気信号の速さの差を使う仕組みなので、震源に近い場所では原理的に間に合いません。
放送局側では、気象庁から届いた情報を受け取る装置がマスターに置かれ、放送中の映像に文字スーパーとして重ねます。番組の映像を作り直すのではなく、送出の最終段で文字を合成する形です。合わせて鳴るチャイムは局が送る音声で、受信機が自前で鳴らす文字スーパーの内蔵音とは別の経路です。
生放送の現場では、速報が入った瞬間に番組の進行を変える判断が必要になります。予定していたVTRを止め、スタジオに戻して呼びかけを入れ、震度情報が出たら報道特別番組に切り替えるところまでが、送出と報道の運用手順として決められています。
緊急地震速報の警報と予報の違い
気象庁は緊急地震速報を警報と予報に分けています。警報は、2点以上の地震観測点で地震波が観測され、最大震度5弱以上または最大長周期地震動階級3以上と予想された場合に発表されます。2点以上としているのは、地震計の近くへの落雷などによる誤報を避けるためです。テレビやラジオ、携帯電話に届くのはこの警報です。
警報で発表するのは、地震の発生時刻、震源の推定値、震央地名と、強い揺れが予想される地域および震度4が予想される地域の名称です。全国を約200地域に分けた単位で出し、具体的な予測震度や到達までの秒数は発表しません。予測の誤差が震度で1程度あることと、対象地域の広がりの中で場所によって条件が違うことが理由です。
予報は、機器の制御や家庭用の端末向けに、より低いしきい値で出される情報です。いずれかの観測点でP波またはS波の振幅が100ガル以上になった場合や、マグニチュード3.5以上あるいは最大予測震度3以上と求まった場合に発信され、1つの地震について数秒から1分程度の間に5回から10回程度出ます。第1報は速さを優先し、続報で精度が上がっていきます。
緊急地震速報と緊急警報放送の違い
名前が似ていますが、別の仕組みです。緊急警報放送は、津波警報などのときに特別な緊急警報信号を前置して放送するもので、対応した受信機は待機中でも自動で電源が入ります。根拠は放送法施行規則で、使える場面が限られています。
緊急地震速報は気象業務法にもとづく地震動の予報および警報です。受信機を起動させる機能はなく、テレビが付いている人に文字と音で伝えるのが基本です。法律上は、気象庁以外の者が地震動の警報をしてはならないと定められ、地震動の予報を業務として行うには気象庁長官の許可が必要です。
よくある質問
緊急地震速報が鳴ったのに揺れなかったのはなぜですか
予測震度には1程度の誤差があるため、震度4以上と予想された地域まで含めて発表しています。実際には予想より弱い揺れで済むことがあります。気象庁は、落雷などを地震と誤認した誤報だけを取り消し、予想より弱かった場合は取り消しません。
テレビの緊急地震速報を消すことはできますか
視聴者側で表示を止める手段は用意されていません。文字スーパーは自動表示の指定で送られるため、字幕ボタンの設定とは連動しません。
緊急地震速報は放送局が独自に出せますか
出せません。地震動の警報は気象庁以外の者がしてはならないと気象業務法に定められています。放送局は気象庁の情報を受けて伝える側です。NHKについては、気象庁からの通知を受けたら直ちに放送する義務が規定されています。
似ている用語との違い
関連する用語
最終更新