カラーグレーディング
color grading / カラーグレーディング
映像の色、明るさ、コントラストを調整して、作品全体の雰囲気や見た目(ルック)を作り込む工程です。映画、ドラマ、CM、ミュージックビデオで行われ、専門の技術者であるカラリストがDaVinci Resolveなどを使って仕上げます。
- 英語
- color grading
- 目的
- 作品の雰囲気や見た目(ルック)を作る
- 担当
- カラリスト
- 主なソフト
- DaVinci Resolve、FilmLight Baselight
- よく扱う素材
- Log撮影の素材、RAW素材
- 関連する色の規格
- BT.709(SDR)、BT.2020・HLG・PQ(HDR)
- 色の受け渡し
- LUT、ASC CDL
同じ映像素材でも、カラーグレーディングの仕方で、冷たく静かな場面にも、暖かく懐かしい場面にも見えます。色を「直す」のではなく「作る」工程で、映画やCMの見た目の印象はここで大きく決まります。
カラーグレーディングが使われる場面
カラーグレーディングは、映画、ドラマ、CM、ミュージックビデオのように、映像の見た目そのものが作品の一部になる分野で行われます。撮影監督や監督が求める雰囲気を、カラリストと呼ばれる色の専門家が形にします。
作業の場所は、ポスプロのグレーディングルームです。部屋の明るさを抑え、色の基準に合わせて調整した業務用のモニターを置き、DaVinci ResolveやFilmLight Baselightを専用の操作パネルで動かします。CMの場合は、監督や広告会社の担当者が同席し、その場で色を決めていくことが多いです。
最近は、ミラーレスカメラやシネマカメラでLog撮影した素材が広く使われるようになり、YouTubeの動画や企業のPR動画でもグレーディングを行う例があります。Log素材はそのままでは色が薄く眠たく見えるので、グレーディングで見た目を作ることが前提になっています。
カラーグレーディングの工程での位置
グレーディングは、編集の構成が確定したあとに行います。流れの一例は次の通りです。
- 編集データと本線素材を受け取り、グレーディング用のソフトで組み直す
- LUTや色の変換で、Log素材を標準的な見た目に戻す
- カットごとの露出と色味のずれをそろえる(カラコレ)
- 全体のルックを作り、場面ごとに色の演出を加える
- 画面の一部だけを選んで、肌の色や空の色を個別に調整する
撮影現場で決めた色の意図は、ASC CDLやLUTでポスプロに渡せます。現場のモニターで見ていた色をグレーディングの出発点にできるので、撮影とポスプロの意図がずれにくくなります。
HDRで納品する作品では、HDR用とSDR用の2つの版を作ることがあります。HLGやPQの規格に合わせたHDRの版と、BT.709のSDRの版では、同じ場面でも色の作り方が変わります。
カラーグレーディングで間違えやすい点
色の見え方はモニターで変わるため、調整していないモニターでグレーディングすると、別の環境で見たときに色がずれます。業務では、定期的に色を合わせたリファレンスモニターを使うのが前提です。
色空間の設定の取り違えもよく起きます。Log素材にLUTを二重に当てて色が濃くなりすぎる、プロジェクトの色空間と書き出しの設定が合っていない、といったずれです。MacのQuickTime Playerなどで書き出した映像を確認すると、ソフトの画面より明るく見えることがあり、再生環境の違いで起きているのか、書き出しの設定が原因なのかを切り分ける必要があります。
よくある質問
カラーグレーディングとカラコレの違いは何ですか
カラコレは色のずれを直して正しい状態にそろえる補正で、カラーグレーディングは作品の雰囲気を作る色の演出です。作業の順番としては、カラコレで整えてからグレーディングで色を作ります。
カラーグレーディングにはどのソフトを使いますか
DaVinci Resolveが広く使われていて、無償版でも基本的な機能がそろっています。映画やCMの仕上げでは、FilmLight Baselightも使われます。
Log撮影の素材はグレーディングが必要ですか
Log素材は明暗の情報を広く残すために、コントラストが低く色の薄い状態で記録されています。そのままでは見た目が整わないので、LUTを当てるか、グレーディングで色を作ってから使います。
似ている用語との違い
関連する用語
最終更新