SCC.scc
Scenarist Closed Caption / エスシーシー
北米のテレビ字幕(CEA-608)のデータを、タイムコードと16進数で書き並べたテキスト形式の字幕ファイルです。DVDオーサリングソフトScenaristの形式が元で、米国向けの字幕納品で今も広く使われますが、日本語は表せません。
- 拡張子
- .scc
- 名前の由来
- DVDオーサリングソフト Scenarist の字幕形式
- 中身
- CEA-608 の制御コードと文字を16進数の2バイト単位で記述
- ファイルの先頭
- Scenarist_SCC V1.0 の1行
- タイムコード
- 29.97fps。ドロップフレームは秒とフレームの間をセミコロンで区切る
- 表示の制約
- 1行32文字まで、1画面4行まで
- 扱える主な場所
- YouTube、Premiere Pro、Final Cut Pro、FFmpeg
SCCファイルをテキストエディタで開くと、9420 9420 94ae 94ae のような16進数の羅列が並んでいて、字幕の文字がどこにも見当たりません。SCCは字幕の文章ではなく、北米のテレビ字幕の信号をそのまま書き写した形式なので、読むには専用のソフトが必要です。
SCCファイルが使われる場面
SCCは、米国のテレビで使われてきたCEA-608方式の字幕を受け渡すための形式です。もとはDVDオーサリングソフトのScenaristが使っていたファイル形式でしたが、608の字幕をそのまま表せることから、北米の放送局、字幕制作会社、配信事業者の間で事実上の標準になりました。
日本の制作現場でSCCを求められるのは、米国向けに番組や映画を納品するときや、北米の配信プラットフォームに英語字幕を付けて出すときです。YouTubeはSCCを放送向けの字幕形式として受け付けており、テレビ番組の字幕をそのまま流用したい場合に推奨しています。編集ソフトでは、Premiere ProがCEA-608の字幕としてSCCを読み込み・書き出しでき、Final Cut ProもSCCを読み込めます。
SCCファイルの仕組み
1行目は Scenarist_SCC V1.0 と決まっています。その後は、タイムコード、タブ、16進数4桁の組という行が、空行を挟んで並びます。4桁の1組が608の2バイト分で、字幕の文字か、表示を制御する命令のどちらかです。
よく出てくる命令は、字幕の読み込み開始(9420)、表示中の字幕の消去(942c)、画面外に準備した字幕の表示(942f)です。放送では信号の欠落に備えて、同じ命令を2回続けて書くのが慣習になっています。表示の方法には、1枚ずつ切り替えるポップオン、下から行が送られるロールアップ、1文字ずつ現れるペイントオンの3種類があります。
タイムコードは29.97fpsが前提で、ドロップフレームの場合は 01:00:00;00 のように秒とフレームの間をセミコロンで区切ります。
SCCで間違えやすい点
最大の制約は文字です。608の文字セットは英字とラテン文字の一部に限られ、日本語の字幕はSCCでは作れません。日本語を含む字幕が必要なら、納品先と相談してTTMLやIMSCなど別の形式にします。1行32文字、1画面4行までという制約もあり、他の形式から変換すると長い行が勝手に折り返されたり、切られたりします。
フレームレートの違いも差し戻しの原因になります。23.976fpsや25fpsの映像に合わせて作った字幕を、29.97fpsのタイムコードのSCCへ変換すると、時刻の換算を誤って字幕がずれることがあります。変換後は、映像の最初と最後の字幕が合っているかを確認します。
よくある質問
SCCファイルは何で開けますか
テキストエディタでも開けますが、中身は16進数なので字幕として読むことはできません。字幕の内容を確認するには、Premiere ProやFFmpeg、SCCに対応した字幕ソフトで読み込みます。
SCCファイルをSRTに変換するには
FFmpegや字幕変換ソフトでSRTに変換できます。変換後はSRTの時刻の書き方に置き換わり、SCCが持っていた表示位置やロールアップの動きは失われます。
SCCで日本語の字幕は作れますか
作れません。SCCの元になっているCEA-608は英語圏の放送のための規格で、日本語の文字を持っていないためです。日本語の字幕にはTTMLやIMSC、Web向けならSRTやWebVTTを使います。
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