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29.97fps

ニジュウキュウテンキュウナナエフピーエス

日本や北米のテレビ放送の基準になっているフレームレートで、正確には30000÷1001、約29.97002997fpsです。NTSC方式のカラー化で30fpsをわずかに下げた名残で、ドロップフレームや30fps素材とのずれの原因になります。

正確な値
30000/1001(29.97002997…)
由来
NTSC方式のカラー化で30fpsを1000/1001倍にした
使われる地域
日本、北米など旧NTSC圏の放送
インターレースでの表記
59.94i(1080/59.94iなど)
タイムコード
ドロップフレームとノンドロップフレームのどちらでも数えられる
48kHz音声との関係
1フレームあたり1601.6サンプル(5フレームで8008サンプル)

カメラのメニューで「30p」を選んだのに、MediaInfoで調べると「29.970 fps」と出る。これは珍しいことではありません。放送と同じ系統の機材では、29.97fpsをまとめて「30」と表示することがよくあり、書き出しの設定で本物の30fpsを選ぶと、そこで初めて食い違いが生まれます。

放送で29.97fpsが使われる場面

日本の地上波やBSの番組は、HDでは1080/59.94i、つまりフレームにすると29.97fpsで作られています。テレビ局への納品では、フレームレートが29.97fps(59.94i)であることが前提で、30fpsの素材は受け付けられないのが一般的です。北米の放送も同じ系統で、日本と北米の間では、この点で素材をそのままやり取りできます。

業務用カメラの多くは、日本や北米向けの設定で29.97fpsを記録します。スマホやWebカメラ、画面録画ソフトの中には本物の30fpsや可変フレームレートで記録するものがあり、放送用のタイムラインにそのまま混ぜると、後で説明するずれが出ます。

フレームレート29.97fpsの仕組みと由来

白黒テレビの時代、アメリカのNTSC方式は毎秒30フレームでした。カラー放送を加える際、色の情報を運ぶ副搬送波と音声の信号が干渉しないよう、フレームレートを1000/1001倍に下げました。これが29.97fpsの由来で、白黒の受信機との互換を保ったまま、カラー化を実現するための調整でした。

値が30000÷1001で割り切れないことが、いまも実務に影響しています。30の数え方でタイムコードを振ると、1時間で約3.6秒実時間より遅れるため、番号を飛ばして補正するドロップフレームが生まれました。音声との関係も半端で、48kHzの音声は1フレームあたり1601.6サンプルになり、5フレームでようやく8008サンプルという整数になります。

30fpsと29.97fpsが混ざったときのずれ

29.97fpsと30fpsの差は0.1パーセントほどですが、混ぜると次のような症状が出ます。

  • 30fpsの素材を29.97fpsのタイムラインに置くと、約33秒ごとに1コマが間引かれ、動きがわずかに飛ぶ
  • 30fpsの素材を29.97fpsとして読み替える(コンフォームする)と、再生速度が0.1パーセント遅くなり、1時間で約3.6秒長くなる。音声も一緒に伸びる
  • 読み替えて長くなった映像に、元の30fpsの動画で作った字幕を当てると、後半ほど字幕が音声より先に出る

SRTのように実時間で時刻を持つ字幕ファイルは、フレームレートの違いの影響を直接受けます。字幕の時刻がどの基準で作られたかを確かめてから、素材に合わせるのが確実です。この話題は29.97fpsとタイムコードのずれを解説したコラムでも詳しく扱っています。

確認するには、MediaInfoでフレームレートの欄を見ます。29.970 (30000/1001) FPSと出れば29.97fps、30.000 FPSなら本物の30fpsです。可変フレームレートの素材は、フレームレートのモードがVariableと表示されます。フレームレートの変換が必要なら、編集を始める前に済ませておきます。

よくある質問

30fpsと29.97fpsは何が違いますか

29.97fpsは30000÷1001で、30fpsより1秒あたり0.03コマ少ない値です。見た目の違いはほぼありませんが、混ぜると音ずれやコマ飛び、タイムコードのずれが出ます。

なぜ30fpsではなく29.97fpsなのですか

アメリカのNTSC方式でカラー放送を始めるとき、色の信号と音声の信号の干渉を避けるため、30fpsを1000/1001倍に下げたからです。日本の放送もこの方式を受け継いでいます。

YouTubeには29.97fpsと30fpsのどちらでアップロードすればよいですか

撮影した素材と同じフレームレートのまま書き出すのが基本です。YouTubeはどちらも受け付けるので、わざわざ変換すると、かえってコマの複製や間引きが入ります。

この用語を扱ったコラム

似ている形式との違い

名前主に使う場面29.97fpsとの違い
30fpsWeb動画・一部の撮影機1秒にちょうど30枚。29.97fpsとは1001枚ごとに1枚の差が出る
25fps欧州など旧PAL圏の放送割り切れる値でドロップフレームが要らない。29.97fpsとの変換では動きの引っかかりが出やすい
23.976fps映画由来の映像素材24fpsを同じく1000/1001倍にした値。29.97fpsへはプルダウンで変換する

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