信号・規格収録編集納品送出

1080i / 1080p

センハチジュウアイ

縦1080本のHD映像のうち、1枚の絵を奇数行と偶数行の2回に分けて送るのが1080i、1枚をまとめて送るのが1080pです。日本のテレビ放送のHDは1080iで運用されています。

画素数
1920×1080(地上デジタル放送は横1440画素で送る局が多い)
走査方式
i=インターレース(飛び越し走査)、p=プログレッシブ(順次走査)
日本の放送の方式
1080/59.94i(1秒に59.94フィールド、29.97フレーム)
関連規格
SMPTE ST 274、ITU-R BT.709
フィールドの順番
HDのインターレースは上位フィールド優先(トップフィールドファースト)
SDIでの伝送
1080iはHD-SDI(1.5Gbps)、1080/59.94pは3G-SDI

納品仕様書には「1080/59.94i」とあるのに、手元の素材は1080pで撮ってある。この組み合わせで手が止まる人は多いのですが、iとpの違いは画素数ではありません。縦1080本という解像度は同じで、違うのは1枚の絵を画面にどう送るかです。

1080iと1080pが使われる場面

日本の地上波とBSのHD放送は、1080/59.94iで運用されています。スタジオカメラ、スイッチャー、送出サーバーまでこの方式を前提に組まれているため、局への番組納品では今も「XDCAM HD422、1080/59.94i」のような指定が一般的です。局内の配線では、1080iの信号はHD-SDI(1.5Gbps)で流れ、1080/59.94pを通すには3G-SDIが必要になります。

一方、YouTubeや動画配信サービス、映画系の制作ではプログレッシブが基本です。ミラーレスカメラやシネマカメラで1080pの23.98pや29.97pで撮り、テレビ向けの書き出しだけ1080iにする流れがよく見られます。スポーツ中継で1080iが長く使われてきたのは、1秒に59.94回画面が更新されるので、速い動きが滑らかに見えるためです。

インターレースの仕組み

インターレースは、1枚の絵を奇数行だけの「フィールド」と偶数行だけのフィールドに分け、交互に送る方式です。1080/59.94iでは1秒に59.94枚のフィールドが送られ、2枚で1フレームなので、フレームに直すと29.97枚になります。

同じ信号が「60i」とも「30i」とも書かれるのは、フィールド数で数えるかフレーム数で数えるかの違いで、中身は同じです。仕様書の表記が揺れていても、59.94と29.97のどちらの数字かを見れば整理できます。

止まっている部分では2枚のフィールドが重なって1080本の精細さになります。動いている部分では2枚のフィールドの撮影時刻がずれているため、パソコンで1コマ止めると輪郭に櫛のような横縞(コーミング)が見えます。

1080iと1080pの変換で間違えやすい点

変換の向きによって、気をつける点が変わります。

  • 29.97pの素材を1080/59.94iで書き出すと、2枚のフィールドが同じ時刻の絵になる。規格上は1080iでも、動きは29.97pのまま
  • 59.94pの素材を1080iにすると、1コマおきに奇数行と偶数行を取り出すので、動きの滑らかさは保たれる
  • HDのインターレースは上位フィールド優先。Premiere Proのシーケンスや書き出し設定で下位フィールド優先を選ぶと、動きが前後してガタつく
  • 1080iの素材をWeb用に書き出すときは、プログレッシブを選んでデインターレースをかける。そのままだと動く被写体に横縞が残る

地上デジタル放送では横1440画素に縮めて送る局が多いのですが、これは送出側の符号化の話です。制作側は1920×1080で作るのが普通なので、納品物の画素数を1440に合わせる必要はありません。フレームレートとタイムコードの関係は29.97fpsとドロップフレームで詳しく扱っています。

よくある質問

1080iと1080pはどちらが画質が良いですか

止まった絵の精細さは同じで、動きの表現が違います。1080/59.94pは1080/59.94iの2倍の情報量を持つので条件がそろえば1080pが有利ですが、放送の納品では局の指定に合わせるのが優先です。

1080iの映像をパソコンで見ると横縞が出るのはなぜですか

2枚のフィールドを1枚に重ねて表示しているためです。再生ソフトのデインターレース機能を有効にするか、書き出し時にプログレッシブへ変換すれば消えます。

地デジは1080iですか

はい、日本の地上デジタル放送のHDは1080iで、多くの局は横1440×縦1080で符号化しています。4K放送は4K / UHDの規格に沿ったプログレッシブで、1080iとは別の方式です。

1080/59.94iの納品で注意することは何ですか

フレームレート、フィールドの順番、開始タイムコードの3点を仕様書と照らし合わせることです。項目の読み方は納品仕様書の解説も参考になります。

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似ている形式との違い

名前主に使う場面1080i / 1080pとの違い
4K / UHD4K放送・配信3840×2160。規格にインターレースの方式が無く、プログレッシブだけで運用する
720p海外の一部の放送1280×720のプログレッシブ。日本の放送ではほとんど使われない
フレームレート1秒あたりのコマ数1080iの「i」は絵の送り方を表す。コマ数は59.94や29.97のように別に書く

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