フレームレート
Frame rate / フレームレート
動画が1秒間に何枚の静止画(フレーム)で構成されるかを表す値で、単位はfpsです。日本の放送は29.97fps(59.94i)、映画は24fps、欧州などの旧PAL圏は25fpsが基準になっており、撮影から納品まで同じ値でそろえるのが基本です。
- 単位
- fps(frames per second)
- 日本・北米の放送
- 29.97fps(インターレースでは59.94i)、59.94p
- 欧州など旧PAL圏の放送
- 25fps(インターレースでは50i)、50p
- 映画
- 24fps(映像素材では23.976fpsも使う)
- 日本の4K・8K放送
- 59.94p
- インターレースとの関係
- 59.94iは1秒に59.94フィールド、フレームにすると29.97
スマホで撮った動画を編集ソフトに入れたら、音と口の動きが少しずつずれていく。海外から届いた素材をテレビ用に書き出したら、動きがカクついて見える。どちらもフレームレートの食い違いから起きる症状です。フレームレートは画質の設定というより、素材どうしをつなぐための共通の約束として扱うほうが、トラブルを避けやすくなります。
フレームレートが使われる場面
撮影の段階で、何を作るかに合わせてフレームレートを決めます。日本のテレビ番組なら29.97fps(1080/59.94i)、スポーツなど動きの速い映像を滑らかに見せたいなら59.94p、映画やドラマで映画らしい質感を狙うなら23.976fpsや24fpsが選ばれます。海外向けの番組やヨーロッパの放送局と素材をやり取りするときは、25fpsや50iが基準になります。
編集では、タイムラインのフレームレートを納品先の指定に合わせ、素材もできるだけ同じ値で撮っておきます。YouTubeなどの配信では多くのフレームレートを受け付けますが、テレビの納品では29.97fps(59.94i)のような指定が納品仕様書に書かれ、それ以外は受け付けられないのが一般的です。
照明の周波数との関係も、撮影では欠かせない知識です。東日本は電源が50Hz、西日本は60Hzなので、東日本で29.97fpsの撮影をすると、蛍光灯や一部のLED照明がちらついて写ることがあります。シャッタースピードを1/100秒にするのが定番の対策です。
フレームレートの仕組み
動画は、少しずつ違う静止画を速く切り替えて見せることで動いて見えます。1秒に何枚を見せるかがフレームレートで、枚数が多いほど動きは滑らかになり、データ量は増えます。
インターレースは、1枚の画を奇数行と偶数行の2つのフィールドに分けて交互に送る方式です。59.94iは1秒に59.94フィールドを送り、フレームに直すと29.97枚になります。これに対してプログレッシブ(p)は、1枚の画を丸ごと送ります。1080iと1080pの違いはここにあります。
29.97や59.94のような半端な値は、アメリカのNTSC方式がカラー化されたときの事情から来ています。詳しくは29.97fpsの項目で扱っています。
フレームレートを変換するときの注意点
違うフレームレートの素材を混ぜたり、書き出しで変えたりすると、次のような問題が起きます。
- 25fpsの素材を29.97fpsのタイムラインに置くと、足りないコマを複製で埋めるので、動きが周期的に引っかかる
- 23.976fpsの素材を59.94iで放送するときは、コマを決まった順番で2回と3回ずつ繰り返す2-3プルダウンという変換を使うが、横に流れる映像ではカクつきが目立つ
- スマホの動画は、撮影中にフレームレートが揺れる可変フレームレートで記録されることが多く、編集ソフトによっては音と映像が少しずつずれる。編集前に固定のフレームレートへ変換しておくと防げる
変換で動きを自然に保つには、動きを推定してコマを作る変換機やソフトの機能を使いますが、完全に元の滑らかさには戻りません。撮影の前に最終的なフレームレートを決めておくのが、いちばん確実です。タイムコードとの関係は、29.97fpsとドロップフレームのコラムで詳しく解説しています。
よくある質問
30fpsと60fpsはどちらがよいですか
動きの速い映像やゲーム実況のように滑らかさが大事なら60fps、会話や解説のように動きが少ない映像なら30fpsで十分です。60fpsはデータ量が増えるので、ビットレートの設定も上げる必要があります。
フレームレートを変換すると画質は落ちますか
1枚ごとの解像度は変わりませんが、コマの複製や間引きが入るので、動きの滑らかさは落ちます。特に25fpsと29.97fpsのように割り切れない組み合わせでは、引っかかりが目立ちます。
24fpsの映像はテレビで放送できますか
日本の放送は29.97fps(59.94i)なので、24fpsや23.976fpsの素材はプルダウンなどで29.97fpsに変換してから納品します。映画らしい動きの質感は、変換後もある程度残ります。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | フレームレートとの違い |
|---|---|---|
| シャッタースピード | 撮影の設定 | 1枚を撮るときに光を取り込む時間。フレームレートが同じでも、シャッタースピードで動きのぶれ方が変わる |
| リフレッシュレート | モニター・ディスプレイ | 画面が1秒に何回書き換わるかを表す値で、単位はHz。映像のフレームレートとは別に決まる |
| ビットレート | 圧縮の設定 | 1秒あたりのデータ量。フレームレートを上げると、同じ画質を保つのに必要なビットレートも上がる |
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