納品仕様書
ノウヒンシヨウショ
映像を納める相手が、ファイル形式、映像と音声の設定、素材の構成、タイムコード、ラベルの書き方などを指定した文書です。放送局では搬入基準、配信事業者ではデリバリースペックと呼ばれることもあり、これに合わない素材は受け付けてもらえません。
- 意味
- 納め先が映像素材の形式と構成を指定した文書
- 放送局での呼び名の例
- 番組搬入基準、テレビCM素材搬入基準
- よく指定される項目
- コーデックとビットレート、解像度とフレームレート、音声チャンネルの割り当て、ラウドネス、タイムコード、カラーバーと基準音、クレジット
- 国内の放送局納品での代表例
- XDCAM HD422 50MbpsのMXF、1080i 59.94Hz
- ラウドネスの基準
- ARIB TR-B32に沿った平均-24LKFS
- 海外の放送での例
- 英国の多くの放送局が納品仕様の土台にしているAS-11 UK DPP HD
納品した映像が「仕様と違う」と差し戻される原因は、映像の中身より、書き出しの設定や素材の頭と尻の構成にあることがほとんどです。納品仕様書は、その設定を納め先が1枚にまとめたものです。書き出しの前に、全項目を編集ソフトの設定と照らし合わせるのが基本です。
納品仕様書が使われる場面
テレビ番組の制作会社は、放送局の番組搬入基準に沿って完パケを作ります。国内の地上波では、XDCAM HD422 50MbpsのMXF、1080iの59.94Hzという組み合わせを指定されることが多く、プロフェッショナルディスクに記録するかネットワークで送ります。CMには業界共通のCM素材搬入の基準があり、ファイル名やクレジットの書き方まで決まっています。
配信サービスや海外の放送局も、それぞれの仕様書を持っています。英国ではDPPが放送局と共同で策定したAS-11 UK DPP HDを、多くの放送局が納品仕様の土台にしています。また、大手の配信事業者にはIMFでの納品を求めるところもあります。企業VPやWeb広告の案件でも、「H.264のMP4、1920×1080、字幕はSRTで別ファイル」のような簡単な仕様が発注書に書かれることがあります。
納品仕様書で指定される主な項目
放送向けの納品仕様書でよく並ぶ項目は次の通りです。
- 映像のコーデック、ビットレート、解像度、フレームレート、走査方式
- 音声のサンプリング周波数とビット数、トラックごとのチャンネルの割り当て
- ラウドネスの目標値と許容範囲
- タイムコードの方式(ドロップフレームかノンドロップか)と、本編の開始タイムコード
- 素材の頭に付けるカラーバー、基準音、クレジット、本編の前後の黒の長さ
- 字幕付きかどうか、字幕データの形式
- ディスクやファイルのラベル、ファイル名の付け方
国内の放送では、ラウドネスはARIB TR-B32に沿って平均-24LKFSを目標にするのが共通の前提です。
納品仕様書の読み違いで起きるトラブル
差し戻しが多いのは、似た数字の取り違えです。1080iの59.94Hzと1080pの29.97fpsを取り違える、ドロップフレームとノンドロップフレームを取り違える、といったミスは、再生して見ただけでは気づきにくく、局のチェックで初めて分かります。フレームレートとタイムコードの関係は29.97fpsとドロップフレームで解説しています。
音声トラックの割り当ても間違えやすいところです。ステレオのLとRをどのトラックに入れるか、ナレーションなしの音声を別トラックに入れるかは局ごとに違うことがあり、別の局の仕様のまま書き出して差し戻される例があります。仕様書が更新されていることもあるので、毎回その時点の最新版を納め先から受け取るのが確実です。
よくある質問
納品仕様書はどこで手に入りますか
放送局の番組やCMの搬入基準は、局の営業窓口や発注元の制作会社を通じて受け取るのが一般的です。一部の局は、CMの搬入基準をWebサイトで公開しています。
納品仕様書に書かれていない項目はどうすればいいですか
推測で決めず、書き出す前に納め先に確認してください。特に音声トラックの割り当てと、本編の開始タイムコードは局ごとに違うことがあります。
テレビ局の納品フォーマットはどこも同じですか
国内の地上波ではXDCAM HD422 50MbpsのMXFが広く使われていますが、音声トラックの割り当てや素材の構成の細部は局ごとに違います。系列局に同じ素材を納めるときも、各局の仕様書を確かめるのが安全です。
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