ドロップフレーム
Drop Frame Timecode / ドロップフレーム
29.97fpsや59.94fpsの素材で、タイムコードの番号を決まった規則で飛ばし、表示される時刻を実時間に合わせる数え方です。飛ばすのは番号だけで、映像のコマは1枚も捨てません。飛ばさない数え方はノンドロップフレームと呼びます。
- 略記
- DF(ノンドロップフレームはNDF)
- 使うフレームレート
- 29.97fps、59.94fps
- 番号を飛ばす規則
- 毎分の先頭で00と01を飛ばす(59.94fpsは00〜03)。10で割り切れる分は飛ばさない
- 1時間で飛ばす番号
- 108個(29.97fpsの場合)
- 表記
- 最後の区切りをセミコロンにする(01:00:00;02など)
- 規格
- SMPTE ST 12-1
- 残る誤差
- 1日あたり約2.6フレーム
「ドロップフレームで納品してください」と言われて、映像のコマを間引く設定だと思って不安になる人は少なくありません。ドロップフレームが飛ばしているのはタイムコードの番号だけで、映像は1コマも欠けません。表示される時刻を実時間に合わせるための、番号の振り方の決まりです。
ドロップフレームが使われる場面
日本の地上波やBSの番組は29.97fpsで作られており、番組の尺やCMの位置を実時間で管理するため、ドロップフレームのタイムコードを使うのが一般的です。テレビCMの素材搬入基準でも、XDCAMのファイルで搬入するCMのタイムコードは「SMPTE ST 12-1に規定するドロップフレームモード」と定められています。
一方で、編集の途中やフレーム単位の計算を優先する工程、実時間と合わせる必要が薄いWeb動画では、ノンドロップフレームもよく使われます。どちらを使うかは工程の出口で決まるので、納品仕様書に書かれた指定に従うのが基本です。
ドロップフレームの仕組み
29.97fpsは正確には30000÷1001で、1秒に30コマより少しだけ少ない速さです。それなのに番号は1秒に30個ずつ振るので、番号のほうが先に進み、1時間で108個ぶん多くなります。
ドロップフレームは、この108個を次の規則で飛ばします。
- 毎分の先頭で、フレーム番号の00と01を飛ばす。00:00:59;29の次は00:01:00;02になる
- ただし00分、10分、20分のように10で割り切れる分では飛ばさない
- 1時間では、60分のうち飛ばす54分に2個ずつで108個になる
これで1時間の終わりのタイムコードと実時間がほぼ一致します。59.94fpsでは、同じ考え方で毎分4個の番号を飛ばします。23.976fpsにはドロップフレームがなく、25fpsや30fpsのように割り切れるフレームレートでは、そもそも番号を飛ばす必要がありません。
ドロップフレームの見分け方と設定
見分けるには、タイムコードの最後の区切りを見ます。01:00:00;00のようにセミコロンならドロップフレーム、01:00:00:00のようにコロンならノンドロップフレームです。機器によっては区切りをすべてセミコロンにしたり、ピリオドを使ったりします。MediaInfoで調べると、タイムコードの欄の区切りで判断できます。
編集ソフトでは、Premiere Proはシーケンスの設定の表示形式で、DaVinci Resolveはプロジェクト設定でドロップフレームを使うかどうかを選べます。業務用カメラでは、メニューのタイムコード設定にDFとNDFの切り替えがあります。
気をつけたいのは混在です。ノンドロップフレームで撮った素材をドロップフレームのタイムラインに置くと、中身は同じでも表示される時刻が変わります。長い素材ほど差は開き、1時間の素材の終わりでは3.6秒ほど違って見えます。タイムコードで編集点を受け渡すEDLや字幕の時刻がずれるのは、多くがこの混在から来ています。仕組みの背景は29.97fpsとドロップフレームのコラムでも詳しく扱っています。
よくある質問
ドロップフレームとノンドロップフレームの違いは何ですか
ドロップフレームは毎分の先頭で番号を飛ばして実時間に合わせ、ノンドロップフレームは番号を飛ばさずに数えます。29.97fpsの素材では、ノンドロップフレームは1時間で約3.6秒実時間より遅れて表示されます。
ドロップフレームにすると映像が欠けますか
欠けません。飛ばしているのはタイムコードの番号だけで、映像のコマはすべて残っています。
25fpsや24fpsにドロップフレームはありますか
ありません。ドロップフレームは、29.97fpsと59.94fpsのように30や60を1000/1001倍した割り切れないフレームレートのためだけの数え方です。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | ドロップフレームとの違い |
|---|---|---|
| ノンドロップフレーム | 編集途中の素材・Web動画 | 番号を飛ばさず30の数え方のまま進める。フレーム数の計算は楽だが、29.97fpsでは1時間で約3.6秒実時間より遅れる |
| 29.97fps | 日本・北米の放送 | ドロップフレームが必要になる原因のほうのフレームレート。数え方ではなく映像の速さを表す |
| フレームドロップ | 再生・配信のトラブル | 処理が追いつかず実際に映像のコマが抜ける現象。名前は似ているがタイムコードとは関係がない |
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