ノンモン
non-modulation / ノンモン
CM素材の頭と尻に置く無音の区間のことです。ノンモジュレーション(無変調)を縮めた現場の言い方で、放送で前後の素材とつながるときに音が食い込まないよう、本編の前後をあらかじめ無音にしておきます。
- 語の由来
- ノンモジュレーション(無変調)の略
- 指すもの
- CM素材の頭と尻に置く無音の区間
- 置く場所
- CM本編の前後
- 搬入基準での無音
- CM本編の開始から0.5秒と、終わりの0.5秒は無音とする
- よりどころ
- 日本民間放送連盟と日本広告業協会の「テレビCM素材搬入基準」と各局の基準
- 関わる工程
- 完パケの仕上げ、CM素材搬入、送出
CMの仕上げで「頭と尻のノンモンを取っておいて」と言われることがあります。ノンモンはノンモジュレーション、つまり無変調を縮めた言い方で、CM素材の本編の前後に置く無音の区間を指します。演出上の余韻ではなく、素材を放送に乗せるための余白です。
ノンモンが置かれる場面
出てくるのはCM素材搬入の工程です。テレビCMの素材は、広告会社を通じて放送局に届けられ、局のCMバンクに登録されてから放送時刻に送り出されます。この搬入に向けた素材の構成が、業界共通の搬入基準と各局の基準で決まっています。
素材の頭には、まずカラーバーと1kHzの基準音、続いて素材広告主名やCMコードを書いたクレジットが入り、その後に本編が始まります。日本民間放送連盟と日本広告業協会の「テレビCM素材搬入基準」では、CM本編の開始から0.5秒と、終わりの0.5秒を無音とすることが決められています。現場でノンモンと呼ぶのは、この本編の前後にある無音の部分です。
スポットCMでもタイムCMでも、素材として搬入する以上は同じ基準に沿って作ります。ポストプロダクションのMAの段階で、本編の頭と尻の音をどこで切るかを詰めます。
ノンモンを入れる理由
放送では、CMが1本だけ単独で流れることはほとんどありません。番組と番組の間のステブレでは、15秒や30秒の素材が何本も続けて送り出されます。素材の端ぎりぎりまで音が入っていると、切り替わりの瞬間に前の素材の音の終わりと次の素材の音の出だしが重なって聞こえます。頭と尻を無音にしておけば、つなぎ目で音が食い込みません。
素材の送出は、送出機がタイムコードの位置を見て頭出しをします。機器の動作や信号の切り替えには、わずかとはいえ時間の幅があります。端に無音の余白があると、この幅を吸収できます。
品質の確認にも関わります。放送の送出監視では、無音や無変調が続いていないかを機械が見張っています。素材のどこに無音があるのが正常なのかが基準で決まっていれば、異常との区別が付けやすくなります。
ノンモンで間違えやすい点
1つめは、尺の数え方です。搬入する素材の全体の長さと、放送で使われるCMの秒数は別の数え方になります。ノンモンを本編の尺に含めて考えてしまうと、15秒尺のつもりが本編14秒しかない素材になります。基準で決まっているのは、本編の内側に0.5秒ずつの無音を置くという形なので、本編の頭から無音が始まります。
2つめは、音の切り方です。波形の上では無音に見えても、フェードが残っていたり、環境音やノイズフロアが乗っていたりすることがあります。指定された区間はレベルを完全に落としておきます。
3つめは、素材を作り直したときの見落としです。差し替えで音を入れ替えると、無音の区間が短くなっていることがあります。搬入前にもう一度、本編の頭と尻の0.5秒を波形で確かめるのが確実です。
よくある質問
ノンモンは映像も黒くするのですか
ノンモンが指すのは無音の区間です。素材の頭にどのような映像を置くかは、カラーバー、クレジット、ファーストカットといった形で搬入基準と各局の基準に別に定められているので、そちらに従います。
ノンモンは何秒必要ですか
搬入基準では、CM本編の開始から0.5秒と終わりの0.5秒を無音とすると決められています。局ごとに追加の指定がある場合もあるので、搬入先の基準を確認してください。
番組素材にもノンモンは要りますか
番組の完パケは納品先ごとの納品仕様書で構成が決まります。頭に何を置き、本編の前後をどうするかは仕様書側の指定に従う形になるので、CMの搬入基準の数字をそのまま当てはめることはできません。
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