ノンリニア編集
Non-Linear Editing / ノンリニアヘンシュウ
映像や音声をファイルとしてパソコンに取り込み、タイムライン上で自由な順番に並べ替えて編集する方式のことです。英語のNon-Linear Editingを略してNLEとも呼び、テープを頭から順に記録していくリニア編集と対になる言葉です。
- 略称
- NLE(Non-Linear Editing)
- 対になる方式
- リニア編集(VTRからVTRへ順にダビングする編集)
- 素材の扱い
- ファイルとして取り込み、元の素材は書き換えない
- 主なソフト
- Avid Media Composer、Premiere Pro、Final Cut Pro、DaVinci Resolve、EDIUS
- プロジェクトの受け渡し
- EDL、AAF、XML
いま映像編集ソフトで行っている作業は、ほとんどがノンリニア編集です。わざわざ「ノンリニア」と呼ぶのは、かつてテープを頭から順に記録していくリニア編集が主流だった時代の名残で、2つを比べると編集ソフトの仕組みが見えてきます。
ノンリニア編集が使われる場面
テレビ番組、映画、CM、YouTubeの動画まで、映像編集の多くはノンリニア編集ソフトで行われています。代表的なソフトは次の通りです。
- Avid Media Composer:テレビ局や映画の編集室で長く使われてきた
- Premiere Pro:制作会社やWeb動画の現場で広く使われる
- Final Cut Pro:Macで動くAppleの編集ソフト
- DaVinci Resolve:色の調整とMAの機能まで1本に持つ
- EDIUS:日本の放送局や報道の現場で使われてきた
放送局の報道では、取材から戻った素材をサーバーに取り込み、複数の編集者が同じ素材を同時に使ってニュースを編集する体制が一般的です。ノンリニア編集の仕組みがあるから、放送直前にカットを差し替えるような作業ができます。
ノンリニア編集の仕組みとリニア編集との違い
リニア編集は、再生用のVTRから録画用のVTRへ、使うカットを順番にダビングしていく方式です。テープは頭から順に記録されるので、前の方のカットを1秒短くしたいときは、その後ろをすべて記録し直す必要がありました。
ノンリニア編集では、素材をファイルとして取り込み、タイムラインの上で「どのファイルの、どこからどこまでを、どの順番で使うか」という情報だけを組み立てます。元の素材ファイルは書き換えないので、途中のカットを差し替えても後ろに影響はなく、何度でもやり直せます。この編集の情報がプロジェクトファイルで、Premiere Proなら.prproj、DaVinci Resolveなら.drpとして保存されます。
素材のコーデックによって、編集のしやすさは変わります。前後のフレームを参照して圧縮するLong GOPのH.264やH.265は、再生位置を細かく動かすたびに計算が必要で重くなります。編集向けにはProResやDNxHRのようなフレーム単位で圧縮する形式が好まれ、重い素材はプロキシに置き換えて編集します。
ノンリニア編集で起きやすいトラブル
いちばん多いのは、素材ファイルの場所が変わってプロジェクトから見えなくなることです。プロジェクトファイルは素材の場所を記録しているだけなので、素材のフォルダを移動したり、別のパソコンに持ち出したりすると、Premiere Proでは「メディアオフライン」と表示されます。素材を再リンクすれば直りますが、ファイル名を変えていると探しにくくなります。
プロジェクトファイルの互換性にも注意が必要です。新しいバージョンのソフトで保存したプロジェクトは、古いバージョンで開けないことが多いので、共同作業ではバージョンをそろえます。ソフトをまたいで受け渡すときは、EDLやXML、AAFのような共通の形式に書き出します。
よくある質問
ノンリニア編集とリニア編集の違いは何ですか
リニア編集はテープを頭から順番に記録していく方式で、ノンリニア編集はファイルを自由な順番で並べ替えて編集する方式です。ノンリニア編集では途中のカットだけを差し替えても、後ろのカットに影響しません。
ノンリニア編集ソフトにはどんなものがありますか
Avid Media Composer、Premiere Pro、Final Cut Pro、DaVinci Resolve、EDIUSが代表的です。放送局、制作会社、個人の動画制作と、現場によって主に使われるソフトが違います。
NLEとは何の略ですか
Non-Linear Editing(ノンリニア編集)の略です。編集ソフトそのものを指して「NLE」と呼ぶこともあります。
似ている用語との違い
| 名前 | 主に使う場面 | ノンリニア編集との違い |
|---|---|---|
| リニア編集 | テープ時代の編集 | 再生用と録画用のVTRを使い、テープの頭から順番に記録していく方式。途中のカットだけを差し替えるのが難しい |
| オフライン編集 | 構成を決める工程 | 工程の名前。いまはオフライン編集もオンライン編集もノンリニア編集ソフトで行う |
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