12G-SDI
ジュウニジーエスディーアイ
伝送速度11.88GbpsのSDIで、3840×2160の4K映像を60フレームまで同軸ケーブル1本で送れる規格です。SMPTE ST 2082として規格化され、4K制作のカメラやスイッチャー、モニターの接続に使われています。
- 伝送速度
- 11.88Gbps(11.88/1.001Gbpsを含む)
- 規格
- SMPTE ST 2082(電気的な仕様はST 2082-1)
- 4Kの詰め方
- SMPTE ST 2082-10(2160ラインの映像を1本で)
- 1本で運べる代表的な映像
- 2160pの50・59.94・60(4:2:2)
- 8Kでの使い方
- 4本を束ねるクアッドリンク(SMPTE ST 2082-12)
- コネクタ
- BNC(75Ω)。12G対応をうたうケーブルとコネクタが前提
4Kのカメラとモニターを12G-SDIでつないだら、短いケーブルでは映るのに、現場の長い配線に替えた途端に映像が途切れる。12G-SDIではこうした症状がHDの頃よりずっと起きやすくなります。1本で4Kを送れる便利さと引き換えに、ケーブルとコネクタに求められる品質が大きく上がった規格だからです。
12G-SDIが使われる場面
4K制作のスタジオや中継車、4K対応のカメラ、スイッチャー、収録機、モニターの接続が主な場面です。3840×2160の59.94フレームを1本で送れるので、それまで3G-SDIを4本束ねていた配線が1本で済みます。新しく組む4Kのサブや、4Kで収録するドラマやスポーツの現場で、12G-SDIの入出力を持つ機材が標準的に使われるようになりました。
8Kでは、12G-SDIを4本束ねるクアッドリンクで7680×4320を送ります。規格はSMPTE ST 2082-12で、8Kのモニターや収録機、変換器などにこの接続を持つ製品があります。ライブ配信や企業イベントでも、4Kカメラの映像をスイッチャーやエンコーダーに送る経路として12G-SDIが使われます。
12G-SDIの仕組み
中身の考え方は他のSDIと同じで、非圧縮の映像にエンベデッド音声やタイムコード、字幕などの補助データを加えて、1本の直列の信号として送ります。違うのは速さで、3G-SDIの4倍にあたる11.88Gbpsで信号を送ります。
12G-SDIの端子を持つ機器の多くは、低い速度のSDIも受けられるマルチレート対応になっています。12Gの入力にHD-SDIや3G-SDIの信号を入れても、ふつうは映ります。逆に12Gの信号を3Gまでしか対応しない機器に入れても映らないので、4Kの信号をHDの機器で確認したいときは、ダウンコンバーターを挟みます。
12G-SDIのケーブルと配線で間違えやすい点
伝送速度が上がるほど、ケーブルの中で信号は減衰しやすくなります。HD-SDIで問題なく届いていた長さでも、12G-SDIでは届かないことがあります。現場で気をつける点は次の通りです。
- ケーブルは12G対応をうたう製品を選び、メーカーが示す最大の長さを確かめる
- BNCコネクタや中継用のアダプター、パッチ盤も12G対応のものにそろえる。1か所だけ古い部品が混ざると、そこで信号が落ちる
- 長い距離は光ファイバーに変換して送る。SFPモジュールで光に変える機器が多い
- ケーブルを強く曲げたり踏んだりすると特性が崩れやすいので、仮設の配線ほど扱いに気を配る
映像が数秒おきに途切れる、ノイズが出るといった症状は、ケーブル長か品質の限界で起きていることが多いです。短いケーブルに替えて映るなら、原因はほぼ配線にあります。
12G-SDIと3G-SDIクアッドリンクの違い
どちらも4Kの60フレームを送れますが、12G-SDIはケーブル1本、3G-SDIクアッドリンクは4本です。12G-SDIは配線とルーターの端子が少なくて済む一方、長い配線には向きません。既存の3G対応のルーティングスイッチャーや長い配線が多い局では、クアッドリンクを使い続ける判断もあります。設備全体をIPへ移す流れについては、Media over IPを解説したコラムで扱っています。
よくある質問
12G-SDIのケーブルは何メートルまで使えますか
ケーブルの種類とメーカーによって大きく変わるので、製品ごとの仕様で確かめる必要があります。HD-SDIより短くなるのが一般的で、長い距離は光ファイバーへの変換で延ばします。
12G-SDIの端子にHD-SDIの信号を入れても映りますか
多くの機器はマルチレート対応なので映ります。念のため、機器の仕様表で対応する入力の形式を確かめておくと安心です。
12G-SDIで8Kは送れますか
1本では送れません。12G-SDIを4本束ねるクアッドリンクで8Kを送ります。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | 12G-SDIとの違い |
|---|---|---|
| 3G-SDIクアッドリンク | 4K制作の初期からの設備 | 3G-SDIを4本束ねて4Kを送る。配線は4倍になるが、既存のケーブルやルーターを使い回せる |
| HDMI 2.0 | 民生の4Kモニター | 4Kの60フレームを運べるが、ロックがなく配線は短い前提。業務の長い引き回しには向かない |
| SMPTE ST 2110 | 局内のIP伝送 | 4Kを含む映像をIPネットワークで送る。1本の線の速度で扱える解像度が決まるSDIとは考え方が違う |
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