3G-SDI
スリージーエスディーアイ
伝送速度2.97GbpsのSDIで、1080pの50・59.94・60フレームの映像を同軸ケーブル1本で送れる規格です。映像の詰め方にLevel AとLevel Bの2種類があり、機器どうしの相性問題の原因になりやすい規格でもあります。
- 伝送速度
- 2.97Gbps(2.97/1.001Gbpsを含む)
- 電気的な仕様の規格
- SMPTE ST 424
- 映像の詰め方の規格
- SMPTE ST 425-1(Level A、Level B)
- 1本で運べる代表的な映像
- 1080pの50・59.94・60
- 4Kでの使い方
- 4本を束ねるクアッドリンク(SMPTE ST 425-5)
- コネクタ
- BNC(75Ω)
3G-SDI同士でつないだのに、映像が出ない。仕様表を見ると両方とも「3G-SDI対応」と書いてある。この組み合わせで多いのが、Level AとLevel Bの食い違いです。3G-SDIは伝送速度を決めた規格で、映像を信号の中にどう並べるかには2つのやり方があります。
3G-SDIが使われる場面
1080pの59.94フレームのように、HD-SDIでは1本に収まらない映像を扱うときに使われます。スポーツ中継やライブイベントなど動きの速い映像をプログレッシブで収録・中継する現場、1080pで制作するスタジオ、LEDビジョンや映像演出の送出などが代表的です。業務用カメラやスイッチャー、キャプチャーボードの多くは3G-SDIの入出力を備えており、HD-SDIの信号もそのまま受けられるのが一般的です。
4K制作の初期には、3G-SDIを4本束ねて3840×2160を送るクアッドリンクが広く使われました。12G-SDIが普及したいまも、既存の設備やルーティングスイッチャーを生かすために、クアッドリンクの3G-SDIで4Kを回している局や中継車は少なくありません。
3G-SDIのLevel AとLevel Bの仕組み
2種類の詰め方は、SMPTE ST 425-1で定められています。
- Level Aは、1080pの映像をそのまま1本の3G信号に並べる方式です
- Level Bは、HD-SDI 2本分のデータを1本の3G信号にまとめる方式です。1080pを2本のHD-SDIに分けて運ぶデュアルリンクの形(Level B-DL)と、別々の2本のHD-SDIを1本に束ねる形(Level B-DS)があります
伝送速度は同じ2.97Gbpsでも、中の並び方が違うので、片方にしか対応していない機器では映像が出なかったり、崩れて表示されたりします。いまの機器は両方を自動で判別するものが多いものの、古い変換器やモニター、一部の収録機では片方しか受けないことがあります。
3G-SDIの設定で間違えやすい点
現場でつまずくのは、主に次の場面です。
- 出力側の設定でLevel AかLevel Bを選べる機器があり、受け側が対応していないほうで出している
- クアッドリンクの4Kで、画面を4つの区画に分けて送る方式(スクエアディビジョン)と、画素を2つずつ交互に振り分ける方式(2サンプルインターリーブ)が送り側と受け側で違い、映像が4つに割れたり縮んだりする
- クアッドリンクの4本のケーブルの順番を入れ違え、画面の区画が入れ替わる
- 1080pを受けられない機器に1080pを入れて、何も映らない
クアッドリンクでは4本の信号のタイミングも揃っている必要があるため、ケーブルの長さを揃え、同じ基準信号にゲンロックしておくのが基本です。
3G-SDIとHD-SDI・12G-SDIの違い
HD-SDIとの違いは、伝送速度が2倍になり、1080pの50・60フレームを1本で運べる点です。12G-SDIとは、3G-SDIを4本使う4Kを1本で送れるかどうかが違います。配線の本数が4分の1になる一方、12G-SDIはケーブルや中継器に高い品質を求めるので、長い配線が多い既存の設備ではクアッドリンクの3G-SDIが選ばれることもあります。局の設備がIPへ移る流れは、ST 2110を解説したコラムで整理しています。
よくある質問
3G-SDIとHD-SDIの違いは何ですか
伝送速度が1.485Gbpsから2.97Gbpsに上がり、1080pの50・59.94・60フレームを1本で送れるようになったのが3G-SDIです。1080iや720pならHD-SDIで足ります。
3G-SDIで4Kは送れますか
1本では送れません。3G-SDIを4本束ねるクアッドリンクなら、3840×2160の60フレームまで送れます。1本で送りたいなら12G-SDIが必要です。
Level AとLevel Bはどちらを選べばよいですか
つなぐ相手の機器が受けられるほうに合わせます。両方に対応した機器が多いので、映らないときは出力側の設定をもう一方に切り替えて試すのが早道です。
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