CEA-708
Digital Television (DTV) Closed Captioning(CTA-708) / シーイーエーナナマルハチ
米国とカナダのATSCデジタル放送で使われるクローズドキャプションの規格です。映像データの中に字幕を埋め込んで送り、フォント、色、表示窓を細かく指定できます。互換用にCEA-608の字幕も一緒に運べます。
- 現在の規格名
- CTA-708(Digital Television Closed Captioning)。旧称はEIA-708、CEA-708
- 策定団体
- Consumer Technology Association(CTA、旧CEA)
- 対象
- 米国・カナダのATSCデジタル放送
- 伝送量
- 字幕全体で毎秒9600ビット。うち960ビットが608互換分、8640ビットが708字幕
- 字幕サービス
- 最大63。サービス1が主言語、サービス2が第2言語
- 放送波での運び方
- MPEG-2映像のピクチャーユーザーデータに埋め込む
- SDIでの運び方
- SMPTE ST 334で規定されるCDP(字幕配信パケット)としてVANCに格納
- ファイルにするとき
- MCC
- 受信機の義務
- 米国では13インチ以上のデジタルテレビに708デコーダの搭載をFCCが義務づけ
北米向けの納品仕様に「608と708の両方を入れること」とあり、どちらか片方ではだめなのかと迷う。CEA-708はデジタル放送用の字幕規格で、608の字幕を中に抱えたまま運べる作りになっています。受け手には608しか読めない機器も残っているため、両方を入れた素材が標準になっています。
CEA-708が使われる場面
米国とカナダのATSCデジタル放送では、クローズドキャプションはCTA-708の方式で送られています。字幕データは映像の圧縮データの中に埋め込まれ、受信機が字幕を描いて映像に重ねます。
放送局や配信サービスへの番組納品では、MXFやMOVの映像ファイルの中に708の字幕を入れて渡すか、字幕だけをMCCファイルで渡すよう指定されます。スタジオの中では、SDI信号のVANCに字幕配信パケット(CDP)の形で載せて、送出の設備まで運びます。
配信でも708は使われています。HLSでは、映像に埋め込まれた708の字幕をプレイリストの中で「SERVICE1」のようなサービス番号で指し示せます。放送で流した番組をネット配信するとき、字幕を別ファイルにせず映像に入れたまま届ける方法として使われています。
CEA-708の仕組み
字幕全体に割り当てられた伝送量は毎秒9600ビットで、そのうち960ビットが608互換の字幕、8640ビットが708の字幕に使われます。608の約9倍の容量があるため、字幕を送り終えるまでの遅れを気にする場面が大きく減りました。
708の字幕は「サービス」という単位で分かれ、最大63のサービスを持てます。サービス1が主な言語、サービス2が第2言語に割り当てられています。画面には複数の表示窓を開けて、窓ごとに位置、大きさ、背景の色と不透明度を決め、文字にはフォントの種類、大きさ、色、縁取りを指定できます。
視聴者の側で字幕の大きさや色を変えられるのも、608にはなかった特徴です。テレビの字幕設定で文字を大きくすると、708の字幕はその設定に従って描き直されます。
CEA-708の運用で間違えやすい点
708の字幕を一から作る現場は多くありません。608で作った字幕を変換して708の側にも入れる方法がよく使われ、この場合708の見た目は608とほとんど変わりません。仕様書が708の独自機能を求めているのか、608と708の両方が入っていればよいのかを確認してから作業を始めます。
トランスコードで字幕が消える事故もよく起きます。映像を再エンコードすると、エンコーダが字幕データの受け渡しに対応していない場合、映像の中に埋め込まれていた708の字幕は失われます。納品前に、字幕を読めるプレーヤーや検査ツールで字幕の有無を確かめます。
708の規格には多言語の文字を扱う拡張もありますが、北米向けの日本語字幕は、配信サービスが指定するTTML系の形式で別に用意するのが一般的です。
CEA-708と日本の字幕方式の違い
日本の地上デジタル放送の字幕はARIB STD-B24の方式で、708とは符号化も運び方も異なります。北米向けの素材を日本の放送に使う場合も、その逆の場合も、字幕は作り直しか専用の変換が必要です。
よくある質問
CEA-608とCEA-708はどちらを入れればいいですか
北米向けなら両方です。708の中に608を同居させた字幕が標準で、古い機器は608を、新しい機器は708を表示します。
CEA-708の字幕をファイルで渡すにはどうすればいいですか
MCCファイルに書き出して渡します。MCCは608と708の字幕データをまとめて持てます。Premiere Proも608と708のキャプショントラックをMCCとして書き出せます。仕組みの全体像はクローズドキャプションとは?YouTubeのCCボタンと字幕の仕組みでも解説しています。
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似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | CEA-708との違い |
|---|---|---|
| CEA-608 | アナログ時代からの北米の字幕 | 32文字×15行の枠と英字中心の文字しか持たない前の規格。708の中に互換用として同居する |
| MCC | 708字幕のファイル納品 | 708と608の字幕データをタイムコード付きで保存するファイル形式 |
| ARIB STD-B24 | 日本のデジタル放送の字幕 | 日本のISDB方式の字幕符号化。漢字や外字、ルビを扱い、708とは互換がない |
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