CineForm

GoPro CineForm / シネフォーム

ウェーブレット変換を使う編集向けの中間コーデックです。GoProが2011年に開発元を買収し、2017年にオープンソース化しました。SMPTE ST 2073(VC-5)として規格化され、Windowsでも書き出せるProResの代わりとして使われてきました。

開発元
CineForm社(2011年からGoPro)
規格
SMPTE ST 2073(VC-5)
圧縮方式
ウェーブレット変換によるフレーム内圧縮。可変ビットレート
画素形式
10bit YUV 4:2:2、12bit RGB 4:4:4(アルファ付きも可)
主な入れ物
MOV、AVI(FourCCはCFHD)
ライセンス
2017年にSDKをオープンソースで公開(MITとApache 2.0の選択)
書き出せる主なソフト
Premiere Pro、After Effects、Adobe Media Encoder、FFmpeg

Premiere ProやAdobe Media Encoderの書き出し形式に「GoPro CineForm」が並んでいて、GoProのカメラと関係があるのかと迷う人は多いです。CineFormはGoProのカメラが記録する形式ではなく、編集の途中で素材を扱いやすくするための中間コーデックです。WindowsとMacのどちらでも書き出せる、アルファ付きの高画質な形式として選ばれてきました。

CineFormが使われる場面

多いのは、モーショングラフィックスやCGを編集側へ渡す場面です。After Effectsで作ったテロップや合成素材を背景透過のまま渡したいとき、「GoPro CineForm RGB 12-bit with alpha」を選べばアルファチャンネル付きのMOVになります。受け取る側がWindowsのPremiere Proでも問題なく読めるのが利点です。

かつてはWindowsの環境でProResを書き出しにくかったため、Windows中心のポストプロダクションでProResの代わりの中間コーデックとして定着しました。カメラ素材のH.264やH.265をいったんCineFormに変換してから編集すると、タイムラインの再生が軽くなります。

GoProとの縁は、2011年の買収にさかのぼります。GoProは立体視撮影用の3D HEROシステムにCineFormの3D対応を使うため同社を買収し、無償の編集ソフトGoPro Studioも、カメラのMP4をCineFormに変換してから編集する作りになっていました。

CineFormの仕組みとProResとの違い

ProResやDNxHRが画像を小さなブロックに分けて圧縮するDCT方式なのに対し、CineFormは画像全体を周波数ごとに分解するウェーブレット変換を使います。同じウェーブレット系のJPEG 2000よりもデコードの計算を軽くする方向に設計されていて、専用のハードウェアがなくてもCPUでリアルタイムに編集できることを重視した作りです。

ビットレートは固定ではなく、絵柄に応じて変わる可変方式です。細かい模様やノイズの多い素材では大きく、平坦な画面では小さくなるため、容量の見積もりはProResほど正確にはできません。

規格としてはSMPTE ST 2073(VC-5)にまとめられ、2017年にはGoProがSDKをオープンソースで公開しました。現在はFFmpegでもデコードとエンコードの両方ができます。

CineFormで書き出すときの設定

Adobe Media Encoderでは、形式に「QuickTime」を選び、ビデオコーデックに「GoPro CineForm」を指定します。アルファを残したいときはRGB 12bitのアルファ付き、通常の映像ならYUV 10bitを選ぶのが基本です。

納品先がProResやDNxHRを指定している場合は、CineFormで代用しないでください。放送局やポスプロの受け入れ仕様にCineFormが載ることはほとんどなく、社内や制作チーム内の受け渡しに使う形式と考えるのが実情に合っています。

CineFormのファイルが開けないとき

CineFormのMOVは、デコーダーを持たないソフトでは再生できません。Adobe製品以外で開けない場合は、FFmpegでProResやDNxHRなどへトランスコードすると、多くの編集ソフトで読めるようになります。アルファ付きの素材を変換するときは、変換先もProRes 4444のようにアルファを持てる形式を選ばないと透過が消えます。

よくある質問

CineFormはGoProのカメラで撮った映像の形式ですか

違います。GoProのカメラはH.264やH.265のMP4で記録します。CineFormは、そうした素材を編集しやすくするために変換する先の中間コーデックです。

CineFormとProResはどちらを使えばいいですか

受け渡し先が指定していればそれに従います。指定がなく、Windowsの環境でアルファ付きの素材を渡したいならCineFormが扱いやすく、放送局やポスプロへの納品ならProResを選ぶのが無難です。

CineFormは無料で使えますか

2017年からSDKがオープンソースで公開されており、Adobe製品やFFmpegでも追加費用なしで書き出せます。

似ている形式との違い

名前主に使う場面CineFormとの違い
ProRes編集・納品の中間コーデックApple製でDCT方式。業界での採用はProResのほうが圧倒的に広い
DNxHRAvid系の中間コーデックAvidが開発したDCT方式。MXFでAvid Media Composerに直接入る点が強み
HQXEDIUSの中間コーデックGrass Valley製。EDIUS中心の現場で使われ、Adobeでの扱いはCineFormほど一般的でない

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