DNxHD
Avid DNxHD(Digital Nonlinear Extensible High Definition) / ディーエヌエックスエイチディー
Avidが2004年に編集用として開発した、HD解像度向けの動画コーデックです。SMPTE VC-3として規格化され、DNxHD 145やDNxHD 220のようにビットレートの数字で種類を呼び分けます。
- 開発
- Avid。2004年に登場
- 規格
- SMPTE VC-3(SMPTE ST 2019-1)
- 圧縮の方式
- フレーム内圧縮(オールイントラ)、固定ビットレート
- 扱える解像度
- 1920×1080と1280×720などのHDのみ。それを超える解像度はDNxHR
- 1080・29.97fpsの主な種類
- DNxHD 45(29.97p)、145、220(8bit)、220x(10bit)
- 1080・25fpsと23.976fpsの主な種類
- 25fpsは36・120・185・185x、23.976fpsは36・115・175・175x
- 入れ物(コンテナ)
- MXF(Avidの素材はOP-Atom)、MOV
DNxHDの後ろに付く145や220という数字は、1080の映像をそのフレームレートで記録したときのおおよそのビットレート(Mbps)です。同じ画質の段階でもフレームレートによって数字が変わるので、名前だけで比べると取り違えやすくなります。
DNxHDが使われる場面
いちばん多いのは、Avid Media Composerでの編集です。Media Composerに素材を取り込むと、映像はDNxHDなどのコーデックに変換され、OP-Atom形式のMXFとして「Avid MediaFiles」フォルダに保存されます。放送局やポスプロでは、Avid NEXISのような共有ストレージにこのMXFを置き、複数の編集室から同じ素材を扱う運用が長く続いています。
オフラインとオンラインを分ける編集でも使われます。軽いDNxHD 36や45でオフライン編集を進め、仕上げでDNxHD 220xなどの高画質の種類に置き換える流れです。Avidの環境では、編集データをAAFで受け渡すときにもDNxHDのMXFが一緒に動きます。
Avid以外の編集ソフトでも、Windowsの環境で使いやすい編集用の中間ファイルとして、DNxHDのMXFやMOVが選ばれることがあります。
DNxHDの数字の見方(145・220・220xの違い)
DNxHDは固定ビットレートの方式で、1フレームあたりのデータ量が種類ごとに決まっています。そのため同じ画質の段階でも、フレームレートが上がると名前の数字が大きくなります。対応関係は次の通りです。
画質の段階 | 23.976fps | 25fps | 29.97fps |
|---|---|---|---|
高画質・10bit | 175x | 185x | 220x |
高画質・8bit | 175 | 185 | 220 |
標準・8bit | 115 | 120 | 145 |
末尾の x は10bitを表します。Log撮影の素材やグレーディングを前提にした素材を扱うなら、8bitの220より10bitの220xを選ぶと、階調の段差が出にくくなります。
DNxHDの書き出し・変換で間違えやすい点
DNxHDは、解像度・フレームレート・ビットレートの組み合わせが決まっています。1920×1080か1280×720以外の解像度や、決まっていないビットレートでは書き出せません。FFmpegでDNxHDを作るときに「サポートされていない」という旨のエラーが出るのは、多くがこの組み合わせの不一致です。4KやUHDの素材なら、DNxHDではなくDNxHRを選びます。
MacのQuickTime PlayerでDNxHDのMOVを開くには、Avidが配布しているコーデックを入れる必要があります。VLCやDaVinci Resolve、Premiere Proなら追加の導入なしで読み込めます。
よくある質問
DNxHDとDNxHRの違いは何ですか
DNxHDはHD解像度専用で、ビットレートの数字で種類を選びます。DNxHRは2014年に発表された後継で、解像度の制限がなく、LB・SQ・HQ・HQX・444の名前で品質の段階を選びます。
DNxHDのMXFが編集ソフトで開けないのはなぜですか
Avid Media Composerが作るMXFはOP-Atom形式で、映像と音声がトラックごとに別のファイルに分かれています。映像のファイルだけを持ち出すと音が無かったり、ソフトによってはクリップとして認識されなかったりします。受け渡しにはフォルダごと渡すか、OP1a形式のMXFに書き出し直します。
この用語を扱ったコラム
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | DNxHDとの違い |
|---|---|---|
| DNxHR | 2K・4K以上の編集 | DNxHDの後継。解像度の制限をなくし、数字ではなくLB・SQ・HQなどの名前で種類を選ぶ |
| ProRes 422 HQ | Final Cut Pro・納品マスター | Appleの同じ位置づけのコーデック。可変ビットレートでMOVが基本 |
| XDCAM HD422 | 局への納品 | MPEG-2のLong GOPで50Mbpsに抑えた納品向けの形式。編集中の扱いやすさはDNxHDが上 |
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