Cinema RAW Light.crm

シネマローライト

キヤノンがCinema EOSなどのカメラ向けに用意したRAW記録形式で、拡張子は.CRMです。2017年のEOS C200で登場し、RAWの調整幅を残しながらデータ量を抑えて、本体のカードに直接記録できるようにしています。

拡張子
.CRM
開発元
キヤノン
登場
2017年のEOS C200
画質の段階
RAW HQ、RAW ST、RAW LT(機種により選べる段階が異なる)
記録する主なカメラ
EOS C500 Mark II、EOS C300 Mark III、EOS C70、EOS R5 C、EOS R5 Mark II
色の扱い
Canon Log 2やCanon Log 3、Cinema Gamutで現像できる
扱える主なソフト
DaVinci Resolve、Premiere Pro、Cinema RAW Development(キヤノン純正)
プラグインが要るソフト
Final Cut Pro、Avid Media Composer(キヤノンが配布)

キヤノンのカメラで撮った素材の中に .CRM という見慣れない拡張子が混ざっていたら、それがCinema RAW Lightです。Final Cut ProやAvid Media Composerでは、キヤノンのプラグインを入れないと読み込めません。一方で多くの機種は同時に小さなプロキシも記録しているので、編集はそちらで始められることがよくあります。

Cinema RAW Lightが使われる場面

RAWというと大がかりな外部レコーダーが必要な印象がありますが、Cinema RAW Lightはカメラ本体のCFexpressやCFastのカードに直接記録できる軽さを狙った形式です。EOS C500 Mark IIやEOS C300 Mark IIIを使うCM、ミュージックビデオ、配信ドラマ、ドキュメンタリーで、グレーディングの余裕を残したい場面に選ばれます。

EOS R5 Cのようなミラーレス型の機種も、8KのRAWをCinema RAW Lightで記録します。小さな機材で撮った素材を、シネマカメラと同じ流れで仕上げられるのが利点です。初代のEOS R5もRAW動画を同じ.CRMの拡張子で記録しますが、中身はCinema EOSのCinema RAW Lightとは別物と報じられています。EOS R5のRAW動画も、キヤノンのCanon RAW Pluginで読み込めます。

現場で便利なのは、プロキシの同時記録です。EOS C300 Mark IIIなどは、CFexpressにRAWを記録しながら、SDカードに2KやフルHDのXF-AVCを同時に記録できます。編集部はSDカードの軽いファイルでオフライン編集を進め、仕上げのときだけ.CRMに差し替えます。

Cinema RAW Lightの仕組みと画質の段階

センサーのデータをRAWのまま、容量を抑えて記録します。撮影後もISO、ホワイトバランス、Logのカーブを現像のときに選び直せるのがRAWの利点で、Canon Log 2やCanon Log 3、色域のCinema Gamutを選んで書き出せます。

画質はRAW HQ、RAW ST、RAW LTの3段階から選ぶ機種が多く、HQは仕上げの画質を最優先、STは画質と容量の釣り合い、LTは長回しやデータ量の多い撮影向けです。EOS C300 Mark IIIでは4KのRAWを最大約1Gbpsで記録します。

ビット深度は12bitが基本ですが、初代のEOS C200では60pなどの高いフレームレートで10bitになるように、機種と設定で変わります。

Cinema RAW Lightの開き方

DaVinci ResolveとPremiere Proは、.CRMをそのまま読み込めます。Final Cut ProとAvid Media Composerは、キヤノンが配布しているCanon RAW Pluginを入れると読み込めるようになります。

キヤノン純正のCinema RAW Developmentを使えば、RAWの現像設定を細かく決めて、ProResやOpenEXR、DPXなどに書き出せます。VFXの工程に渡す素材を作るときに使われます。

Cinema RAW Lightが開けない・読み込めないとき

プラグインを入れていない編集ソフトで開こうとしているケースが大半です。プラグインを入れても読めない場合は、カメラが新しく、プラグインやソフトの版が追いついていない可能性があります。キヤノンのサポートページで対応機種を確かめてから最新版を入れてください。

.CRMのファイルだけをカードから抜き出すと、ソフトによってはメタデータを読み取れないことがあります。カードの中身はフォルダの構造ごとコピーしておくのが安全です。

よくある質問

CRMファイルをMP4に変換するにはどうすればいいですか

DaVinci Resolveか、キヤノンのCinema RAW Developmentで読み込み、H.264のMP4やProResに書き出します。Canon Logのまま書き出すと色の薄い映像になるので、書き出す前にBT.709への変換を指定してください。

Cinema RAW LightとCinema RAWは同じものですか

別の形式です。Cinema RAWはEOS C500やEOS C700などが外部レコーダーと組み合わせて記録していた、より容量の大きいRAWで、拡張子も違います。Cinema RAW Lightは、その容量を抑えて本体のカードに記録できるようにしたものです。

Cinema RAW LightはPremiere Proで編集できますか

読み込んでそのまま編集できます。ただし4K以上のRAWは再生の負荷が高いので、同時記録したプロキシで編集し、仕上げで.CRMに戻す運用が一般的です。

似ている形式との違い

名前主に使う場面Cinema RAW Lightとの違い
Blackmagic RAWBlackmagicのシネマカメラ同じく容量を抑えたRAW。カメラ内で処理の一部を済ませる点とResolveとの結び付きが強い点が違う
REDCODE RAWREDのシネマカメラウェーブレットで圧縮するREDの形式。画質設定はHQ、MQ、LQなど
XAVCソニーの業務用カメラRAWではなく現像済みの映像を圧縮した形式。後からISOやホワイトバランスは変えられない

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