REDCODE RAW.r3d
レッドコードロー
RED Digital Cinemaのシネマカメラが記録するRAW形式で、ファイルの拡張子は.R3Dです。センサーのデータをカメラ内でウェーブレット圧縮して記録するため、RAWのまま容量を大きく抑えられます。2024年からRED社はニコンの子会社です。
- 拡張子
- .R3D(クリップごとのフォルダ.RDCに収まる)
- 開発元
- RED Digital Cinema(2024年からニコンの子会社)
- 圧縮方式
- ウェーブレット変換による非可逆圧縮
- 画質設定
- 現行機はHQ、MQ、LQ、ELQ。旧世代は5:1のような圧縮比で指定
- 色の扱い
- 現行の処理系IPP2ではREDWideGamutRGBとLog3G10
- 記録する主なカメラ
- V-RAPTOR、KOMODO、DSMC2世代のRED各機種、ニコンZR(R3D NE)
- 扱える主なソフト
- REDCINE-X PRO、DaVinci Resolve、Premiere Pro、Avid Media Composer、Final Cut Pro
REDのカメラで撮った素材を受け取ると、カードの中は .RDM と .RDC という名前のフォルダが入れ子になっていて、奥に .R3D のファイルが並んでいます。R3DはREDのRAW形式REDCODE RAWのファイルで、フォルダの構造ごと扱うことが開くときの前提になります。
R3D(REDCODE RAW)が使われる場面
映画、CM、ミュージックビデオ、配信ドラマなど、撮影後にグレーディングやVFXで手を入れる作品で広く使われています。8KのV-RAPTORで撮って4Kで仕上げ、画面の一部を切り出して別カットに使う、といった高解像度を生かした使い方もよく見られます。
2024年にニコンがREDを買収してからは、ニコンのミラーレスカメラにもR3Dが入りました。2025年に発表されたニコンZRは、R3D NEという12bitのR3Dを本体に記録でき、REDのカメラと同じ色の処理系で扱えます。シネマカメラより手軽な機材で撮った素材を、同じREDの流れで仕上げられるようになっています。
撮影現場では、DITがカードを吸い出してバックアップを取り、MHLなどで検証したうえで、編集用のProResやDNxHDのプロキシを作って編集部へ渡す流れが一般的です。
REDCODE RAWの仕組みと画質設定
RAWはふつう容量が大きくなりますが、REDCODE RAWはセンサーのデータをカメラの中でウェーブレット変換を使って非可逆に圧縮します。仕組みはJPEG 2000に近い系統です。そのぶん1枚ごとの画質を少し譲って、RAWの柔軟さと扱える容量を両立させています。
現行のカメラでは、画質設定をHQ、MQ、LQ、ELQから選びます。REDはHQをVFXの多い作品や静止画の切り出し向け、MQを映画やハイエンドのドラマ向け、LQをテレビやWeb、ドキュメンタリー向けとしています。ELQはLQよりさらに小さく、記録時間を延ばしたいときの設定です。DSMC2までの世代では、5:1や8:1のような圧縮比で指定していました。
色の処理は、現行のIPP2という仕組みで行います。記録された素材はREDWideGamutRGBとLog3G10という共通の色空間とガンマで表現され、機種が違っても同じ手順で色を合わせられます。
R3Dの開き方
REDが無償で配布しているREDCINE-X PROを使えば、R3Dの再生、RAW設定の調整、ProResなどへの書き出しができます。編集ソフトでは、DaVinci Resolve、Premiere Pro、Avid Media Composerが読み込みに対応しています。Final Cut Proは、REDが配布しているApple向けのインストーラーを入れると読み込めるようになります。
RAWの現像はGPUの負荷が高いため、8Kの素材をそのまま編集するとノートパソコンでは再生が追いつかないことがあります。その場合は再生時のデコード品質を下げるか、プロキシで編集します。
R3Dが開けない・読み込めないとき
いちばん多いのは、.R3D のファイルだけを持ち出したケースです。長いクリップは複数のR3Dに分割されて同じ .RDC フォルダに入っているため、一部だけコピーすると途中で映像が切れたり、クリップとして認識されなかったりします。受け渡しは .RDM のフォルダごと行ってください。
新しい機種の素材を古い版の編集ソフトで開こうとして読めない例も多くあります。R3D NEのように新しく加わった形式は、対応した版のソフトとSDKが必要です。
よくある質問
R3DファイルをMP4に変換するにはどうすればいいですか
REDCINE-X PROかDaVinci Resolveで読み込み、H.264のMP4やProResに書き出します。RAWの設定(ISOやホワイトバランス、ガンマ)を書き出し前に決めておかないと、Log収録のような眠い色のまま変換されます。
R3DとRED RAWは同じものですか
同じものです。形式の正式な名前がREDCODE RAWで、そのファイルの拡張子が.R3Dです。
ニコンのR3D NEは普通のR3Dと同じソフトで開けますか
REDCINE-X PROや主要な編集ソフトの対応版で開けます。ただし対応が加わったのは新しい版からなので、読めない場合はソフトを最新にしてから試してください。
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | REDCODE RAWとの違い |
|---|---|---|
| ARRIRAW | ARRIのシネマカメラ | 記録時に非可逆な圧縮をかけないRAW。画質の余裕は大きいが容量はR3Dよりずっと大きい |
| Blackmagic RAW | Blackmagicのシネマカメラ | カメラ内で処理の一部を済ませるRAW。DaVinci Resolveとの組み合わせが前提 |
| ProRes RAW | 外部レコーダーやミラーレス機のRAW | Apple製でFinal Cut Proと相性が良い。カメラメーカーをまたいで使われる |
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