MHL.mhl
Media Hash List / エムエイチエル
カメラのカードからコピーした素材ファイルごとのハッシュ値(チェックサム)を記録したXMLファイルです。コピー先のファイルが原本と1ビットも違わないことを後から検証するために、撮影現場のデータ管理で使われます。
- 拡張子
- .mhl
- 種別
- XMLのテキスト。映像そのものは含まない
- 現行の仕様
- ASC MHL(米国撮影監督協会の技術委員会が策定)
- 記録するハッシュ
- xxHash(xxh64・xxh3・xxh128)、MD5、SHA1、C4 など
- ASC MHLの置き場所
- 素材フォルダ内の ascmhl フォルダ(世代ごとの .mhl と ascmhl_chain.xml)
- 作成できる主なソフト
- Pomfort Silverstack、Hedge、ShotPut Pro、YoYotta
納品されたカメラ原本のフォルダに .mhl というファイルが混ざっていて、消してよいのか迷うことがあります。MHLは素材ファイルが壊れずにコピーされたことを示す証明書のようなものなので、原本と一緒に保管し、次のコピー先にも必ず持っていきます。
MHLファイルが使われる場面
撮影現場では、DITやデータマネージャーがカメラのカードの中身を複数のドライブへコピーします。このとき、Pomfort SilverstackやHedge、ShotPut Proといったオフロード用のソフトは、コピーしながら各ファイルのハッシュ値を計算し、原本と一致したことを確かめてからMHLを書き出します。カードを消去して再利用してよいかの判断は、この検証が済んでいるかどうかで決まります。
ポスプロでは、受け取ったドライブのMHLを使って、輸送中にデータが壊れていないかを確かめます。最後にLTOなどへ映像アーカイブとして書き出すときにも、MHLの値と照合してから保存します。カメラによっては、本体でASC MHLを生成できる機種もあります。
MHLの仕組みとASC MHLの違い
ハッシュ値は、ファイルの中身から計算する短い文字列です。中身が1ビットでも変わると別の値になるので、コピー前後の値を比べれば同一かどうかが分かります。MHLは、この値をファイル名、サイズ、更新日時と一緒にXMLへ書き並べたものです。
最初のMHLは、オンセットのデータ管理ソフトのメーカーが使い始めた形式で、コピー先のフォルダに .mhl ファイルを置いて記録するものでした。現在はその後継として、米国撮影監督協会(ASC)の技術委員会がASC MHLを策定しています。ASC MHLでは素材フォルダの中に ascmhl フォルダを作り、コピーや検証をするたびに新しい世代の .mhl を追加し、世代のつながりを ascmhl_chain.xml に記録します。これにより、どのソフトがいつどこへコピーし、その都度検証したかという来歴を1か所でたどれます。
ハッシュの計算方式は、速度を重視する現場ではxxHash、互換性を重視する受け渡し先がある場合はMD5がよく選ばれます。
MHLで検証できない・エラーになるとき
よくある原因は、MHLを作った後にフォルダ構成を変えたことです。ファイル名の変更や、不要と思ったファイルの削除をすると、MHLに書かれたファイルが見つからずエラーになります。原本のフォルダは中身に手を付けずに丸ごと扱うのが原則です。
もう一つは、旧形式のMHLとASC MHLの混在です。旧形式しか読めないツールでは、ascmhl フォルダの中身を検証に使えません。受け渡し先が使っているソフトと、どちらの形式で書き出すかを事前に揃えておきます。
よくある質問
MHLファイルは何で開けますか
XMLなので、テキストエディタやブラウザで中身を読めます。検証まで行うには、SilverstackやHedgeなどのオフロード用ソフトか、ASCが公開しているコマンドラインツールの ascmhl を使います。
MHLファイルは削除しても問題ありませんか
素材の再生には影響しませんが、削除するとコピーが正しく行われた記録が失われます。アーカイブや納品の条件にMHLの添付が含まれていることも多いので、原本と一緒に残しておきます。
MHLとチェックサムの違いは何ですか
チェックサムはファイルの同一性を確かめるための値そのもので、MHLはその値をファイルの一覧としてまとめて記録する形式です。
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | MHLとの違い |
|---|---|---|
| MD5ファイル | 単体ファイルの検証 | ハッシュ値だけを並べた簡素なテキスト。MHLはコピー日時、作成したソフト、ファイルサイズなども一緒に記録する |
| ALE | 素材情報の受け渡し | ALEはシーンやテイクなど編集に使う情報を運ぶ。MHLはファイルが壊れていないかを確かめるための情報だけを運ぶ |
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