JPEG 2000.jp2.j2k.j2c.mj2
ジェイペグ ニセン
ウェーブレット変換で画像を圧縮する、ISO/IECとITU-Tの共通規格です。1枚ずつ独立して圧縮でき、可逆圧縮も選べるため、映画館向けのDCP、マスター納品のIMF、映像アーカイブ、中継回線の伝送で使われています。
- 規格
- ISO/IEC 15444-1、ITU-T T.800
- 策定
- JPEG(ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 1)とITU-T
- 圧縮方式
- 離散ウェーブレット変換。可逆(5/3)と非可逆(9/7)の両方を持つ
- 拡張子
- .jp2、.j2k、.mj2(Motion JPEG 2000)
- MIMEタイプ
- image/jp2、video/mj2
- 映画館での使い方
- DCPで1コマずつ圧縮してMXFに格納。ビットレートの上限は250Mbps
- 高速化した版
- HTJ2K(ISO/IEC 15444-15、2019年)
- 主なライブラリ
- OpenJPEG、Kakadu
写真の形式として登場したJPEG 2000は、ブラウザではほとんど見かけません。ところが映像の業務では、映画館のスクリーン、配信のマスター、放送局の保管庫と、目立たないところで長く使われ続けています。
JPEG 2000が使われる場面
いちばん大きいのは映画館です。デジタルシネマの配給で使うDCPは、映像を1コマずつJPEG 2000で圧縮し、MXFのファイルに格納しています。映画館のサーバーは、この1コマずつのデータを順に伸長して上映します。規格ではビットレートの上限が250Mbpsと決まっており、配信の動画よりはるかに高い画質で運ばれます。
配信や海外販売のマスターを受け渡すIMFでも、スタジオ向けのマスターの形式としてJPEG 2000が使われます。映像、音声、字幕を別々のファイルで持ち、版ごとの差分だけを足していく仕組みの中で、画質を落とさない映像の器を担っています。
保管の分野では、可逆圧縮で元の画を1ビットも変えずに容量を減らせる点が評価されています。フィルムやテープをデジタル化した素材を、可逆のJPEG 2000にしてMXFに収める運用が、米国議会図書館などの保存機関で採られてきました。放送の中継では、スタジアムや別の拠点からの映像をIP回線で送るときに、JPEG 2000で圧縮する伝送機器が使われています。
JPEG 2000の仕組みと特徴
一般的なJPEGは画像を8×8画素の小さな区画に分けて圧縮しますが、JPEG 2000は画像全体を周波数の成分に分けるウェーブレット変換を使います。高い圧縮率でも区画の境目のブロック状の乱れが出にくく、ぼやけるように画質が落ちていくのが特徴です。
1つのデータから低解像度の画だけを取り出す、画質を段階的に上げながら読み込むといった使い方もできます。その反面、処理が重く、4Kの映像を1コマずつ圧縮するには大きな計算量が必要です。この弱点を減らすため、2019年には処理を速くしたHTJ2Kが規格に加わりました。
JPEG 2000のファイルを開くとき
静止画の .jp2 は、macOSのプレビューで開けます。Webブラウザはほとんど対応していないため、Webで見せるならJPEGやPNGに変換します。
映像の場合は、1コマずつの .j2c などを並べた連番画像か、MXFの中にJPEG 2000が入った形で出会うことが多いです。FFmpegはOpenJPEGを使ってJPEG 2000をデコードできます。DCPの確認には、DCPを再生できる専用のプレーヤーを使います。暗号化されたDCPは、上映用の鍵が無いと再生できません。
よくある質問
JPEG 2000とJPEGの違いは何ですか
JPEGは8×8画素の区画ごとに圧縮し、JPEG 2000はウェーブレット変換で画像全体を圧縮します。JPEG 2000は可逆圧縮もでき、高い圧縮率でもブロック状の乱れが出にくい一方、処理が重く、対応するソフトが少ないです。
DCPのJPEG 2000はなぜファイルが大きいのですか
前後の画像の差分を使わず1コマずつ圧縮し、上映の画質を優先して高いビットレートを使っているためです。長編の映画では、DCPの容量が100GBを超えることも珍しくありません。
JPEG 2000の画像をJPEGに変換するにはどうすればいいですか
macOSならプレビューで開いて、JPEGとして書き出せます。WindowsではGIMPや画像変換のソフトを使うか、FFmpegなどのコマンドで変換します。
似ている形式との違い
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