AVC-Intra.mxf
エーブイシー イントラ
パナソニックが2007年に実用化した、H.264をフレームごとの圧縮だけで使う業務用の映像形式です。10bitで記録し、P2カードのMXFファイルとして収録するほか、英国のAS-11 DPPなど海外の放送納品でも指定されています。
- 開発
- パナソニック(2007年)
- 映像圧縮
- H.264/MPEG-4 AVCのフレーム内圧縮(High 10 Intra、High 4:2:2 Intra)
- AVC-Intra 50
- 1440×1080、4:2:0、10bit、約50Mbps
- AVC-Intra 100
- 1920×1080、4:2:2、10bit、約100Mbps
- 上位のクラス
- AVC-Intra 200、AVC-Intra 4:4:4(AVC-ULTRAの一部)
- ファイル形式
- MXF(P2カードではトラックごとに分かれたOP-Atom)
- 記録メディア
- P2カード、microP2カード
- 主な採用例
- 英国のAS-11 DPPのHD納品(AVC-Intra 100)
仕様書に「AVC-Intra 100」と書いてあると、手元のH.264と何が違うのか迷います。中身は同じH.264ですが、前後の画像を参照せず1枚ずつ圧縮し、10bitで記録するように使い方を絞った形式で、配信用のH.264とは設定がまったく違います。
AVC-Intraが使われる場面
撮影では、パナソニックのP2カードを使う業務用カムコーダーやVariCamシリーズが、AVC-Intraで記録します。報道の取材からドラマ、ドキュメンタリーまで、パナソニックの機材を採用した現場の標準的な記録形式です。
納品では、英国の放送局が共同で定めたファイル納品の仕様AS-11 UK DPPが、HD番組の映像をAVC-Intra 100にすると決めています。海外の放送局や配信事業者に番組を販売するとき、先方の納品仕様書にAVC-Intra 100のMXF OP1aが指定されることがあるのはこのためです。
保管の場面でも、10bitのフレーム内圧縮で画質を保ちながら、非圧縮よりずっと小さくできる形式として、アーカイブ用のマスターに選ばれることがあります。
AVC-IntraとH.264・XAVCの違い
一般的なH.264は、前後のフレームとの差分を使ってファイルを小さくします。AVC-Intraはそれを使わないオールイントラで、どのフレームも単独で復元できます。編集点をどこにでも打て、書き出しを重ねても画質が崩れにくい一方、ビットレートは配信用のH.264の十倍以上になります。
ソニーのXAVC Intraも同じ考え方の形式ですが、ファイルの持ち方が違います。P2カードのAVC-Intraは、映像と音声がトラックごとに別々のMXFファイルになるOP-Atomで記録されます。AS-11などの納品では、これを映像と音声を1本にまとめたOP1aに書き出し直して渡します。
AVC-Intraの書き出しと変換
AVC-Intraで書き出せる編集ソフトやエンコーダーは限られます。Avid Media ComposerやEDIUSのような放送系の編集ソフトのほか、オープンソースのエンコーダーx264にもAVC-Intraのクラスを指定する設定があり、FFmpegから呼び出して作れます。
AS-11の納品では、映像の形式に加えて、音声のチャンネル構成や番組情報のメタデータまで決まっています。映像だけAVC-Intraにしても、仕様に合わないと検査で差し戻されるため、AS-11に対応した書き出しの機能やツールを使うのが安全です。
AVC-Intraが開けないとき
P2カードから映像の .MXF だけをコピーすると、音声が無い、あるいはクリップとして認識されないことがあります。P2カードの CONTENTS フォルダの下には VIDEO、AUDIO、CLIP などのフォルダが並び、映像と音声とクリップ情報を組み合わせて1本のクリップになるためです。取り込むときはカードの構造ごとコピーし、編集ソフトのブラウザ機能か、パナソニックのP2 Viewer Plusで読ませてください。
よくある質問
AVC-Intra 100とAVC-Intra 50の違いは何ですか
AVC-Intra 100は1920×1080の4:2:2、AVC-Intra 50は1440×1080の4:2:0で、どちらも10bitです。放送の納品で指定されるのはほとんどがAVC-Intra 100です。
AVC-IntraはPremiere Proで読み込めますか
読み込めます。P2カードの素材は、メディアブラウザからカードのフォルダを開くとクリップ単位で表示されます。
AVC-IntraをMP4に変換すると画質は落ちますか
配信用のH.264に再エンコードするとビットレートが大きく下がるので、画質は落ちます。視聴や確認用には十分でも、編集や納品のマスターとしては元のAVC-Intraを残しておいてください。
似ている形式との違い
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