DVCPRO HD.mxf.mov
ディーブイシープロ エイチディー
パナソニックが2000年に実用化した、DVの技術を拡張して最大100Mbpsでハイビジョンを記録する業務用の映像形式です。テープのほかP2カードにMXFで記録でき、報道の取材やVariCamによる撮影で使われました。
- 開発
- パナソニック(2000年)
- 規格
- SMPTE 370M(圧縮データ)、SMPTE 371M(テープの規格 D-12)
- ビットレート
- 最大100Mbps(フレームレートにより40〜100Mbps)
- 解像度
- 1080/59.94iは1280×1080、1080/50iは1440×1080、720pは960×720
- 色差・ビット深度
- 4:2:2、8bit
- 圧縮
- DCTによるフレーム内圧縮
- 記録媒体
- 1/4インチのDVCPROテープ、P2カード
- ファイル形式
- MXF(P2カードではOP-Atom)、QuickTime(.mov)
DVCPRO HDの素材を書き出したら、横長のはずの映像が縦に伸びて見えた。この現象は、DVCPRO HDが1920画素を横に1280画素や960画素まで間引いて記録し、再生のときに引き伸ばす仕組みを持っていることから起きます。
DVCPRO HDが使われた場面
DVCPRO HDは、2000年代のパナソニックの業務用HDの主力でした。報道の取材では、テープの代わりにP2カードへファイルで記録するカムコーダーが広がり、カードを挿せばすぐに編集機へ取り込める点が評価されました。P2の最初の世代のカメラは、このDVCPRO HDやDVCPRO50、DVCPROで記録しています。
撮影の世界では、VariCamシリーズの初期の機種が、720pのDVCPRO HDで記録しながら1コマ単位でフレームレートを変えられることで知られていました。4〜60コマの範囲で撮影の速さを変え、スローモーションや早回しをカメラの中で作れたため、CMやミュージックビデオ、ドラマで使われました。
2004年のFinal Cut Pro HD以降、Final Cut Proが追加のハードウェアなしでネイティブに編集できたこともあり、MOVに入ったDVCPRO HDは、2000年代の編集の現場でも広く使われました。いま出会うのは、この時期に撮りためた素材を編集し直すときや、テープやP2カードのバックアップをアーカイブに移すときがほとんどです。
DVCPRO HDの解像度の仕組み
DVCPRO HDは、映像を横方向に間引いて記録します。1080/59.94iでは1280×1080、1080/50iでは1440×1080、720pでは960×720です。画素そのものを横長として扱い、再生のときに1920×1080や1280×720へ引き伸ばして表示します。
この仕組みのため、ファイルの情報を正しく読めないソフトでは、画面が細長く縮んで表示されることがあります。変換するときは、出力の解像度を1920×1080などの正方形の画素の値に指定し、アスペクト比が16:9になっているかを確かめます。
DVCPRO HDの素材を変換・保存するとき
P2カードの素材は、映像と音声が別々のファイルになったOP-AtomのMXFで記録されています。CONTENTS フォルダごとコピーし、Premiere Pro、Avid Media Composer、EDIUSなどのブラウザ機能から読ませると、音声付きのクリップとして扱えます。
長く保存するなら、現在の編集ソフトで確実に開ける形式へトランスコードしたファイルも作っておくと安心です。ProRes 422やXDCAM HD422のMXFへの変換が一般的で、その際は元のタイムコードと音声のチャンネル数を引き継げているかを確かめます。元のMXFやMOVも、変換後のファイルと並べて残しておきます。
よくある質問
DVCPRO HDはフルHDですか
出力は1920×1080として扱われますが、記録されている画素は1280×1080や1440×1080です。見た目はハイビジョンでも、現在のフルHDの形式と同じ情報量ではありません。
DVCPRO HDのMOVが再生できないのはなぜですか
再生ソフトがDVCPRO HDのデコーダーを持っていないことが原因です。VLCや、FFmpegを使う変換ソフトなら開けることが多く、そこから扱いやすい形式に変換できます。
DVCPRO HDとDVCPROの違いは何ですか
DVCPROは25Mbpsの標準画質の形式で、DVCPRO HDはその仕組みを広げて100Mbpsでハイビジョンを記録する形式です。どちらもパナソニックの業務用で、テープやP2カードを共通の基盤にしています。
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