オープンキャプション
Open Caption / オープンキャプション
映像そのものに描き込まれていて、見る人が消したり切り替えたりできない字幕のことです。映画館の日本語字幕付き上映や、SNS向け動画に最初から入っている字幕がこれにあたります。
- 英語表記
- Open Caption(略してOC)
- 表示の切り替え
- できない。常に表示される
- 字幕の持ち方
- 映像の画素の一部。別のデータとしては存在しない
- 作り方
- 編集ソフトやエンコーダーで字幕を映像に焼き付けて書き出す
- 主な使われ方
- 映画の字幕付き上映、SNS・広告動画、屋外や店頭のサイネージ
- 反対の概念
- クローズドキャプション(オン・オフできる字幕)
オープンキャプションは、どんな再生環境でも必ず字幕が見えることと引き換えに、誰にも消せない字幕です。字幕を入れるときに「焼き込むか、別ファイルで渡すか」で迷ったら、この性質を受け入れられるかどうかで決まります。
オープンキャプションが使われる場面
映画館では、邦画に日本語字幕を付けた「日本語字幕付き上映」がオープンキャプションの代表例です。台詞に加えて効果音や音楽の情報も文字にしたバリアフリー字幕を映像に入れた上映用の素材を用意し、特定の日時の回だけ上映します。すべての回で字幕が出てしまうため、上映回を分けて運用するのが一般的です。これと並んで、字幕を観客のスマートフォンや専用メガネに表示するアプリ方式もあり、こちらは他の観客のスクリーンには字幕が出ないクローズドキャプションの考え方です。
Webでは、SNSや広告の動画がオープンキャプションの主な舞台です。タイムラインでは音を消した状態で自動再生されることが多く、字幕ファイルを付けてもプラットフォームによっては表示されないため、最初から映像に入れて投稿します。駅や店頭のデジタルサイネージも、音が出せず字幕ファイルを読めない機器が多いので同じ理由でオープンキャプションになります。
テレビ番組では、発言を文字で見せるテロップが映像に入っていますが、これは演出として入れる文字です。聴覚に障害のある人に向けて台詞を文字にする役目は、リモコンで切り替える字幕放送のほうが担っています。
オープンキャプションとクローズドキャプションの違い
判断に使う軸は次の通りです。
軸 | オープンキャプション | クローズドキャプション |
|---|---|---|
表示 | 常に表示。消せない | 視聴者がオン・オフできる |
再生環境 | 映像が映ればどこでも出る | プレーヤーや受信機の対応が必要 |
多言語 | 言語ごとに映像を書き出す | 1本の映像に複数言語を付けられる |
修正 | 映像を書き出し直す | 字幕ファイルを差し替える |
見た目 | 書体・色・位置を制作側が決められる | 表示は受信側に左右される |
見た目を制作側で完全に決められるのは、オープンキャプションの長所です。ブランドの書体で入れたい広告や、画面のデザインの一部として字幕を見せたい動画では、この点が選ばれる理由になります。クローズドキャプションは逆に、文字の大きさや色を視聴者が変えられる環境もあり、見やすさを受け手に委ねられます。
オープンキャプションで間違えやすい点
いちばん多いのは、字幕を入れた映像だけを残して、字幕なしの映像や字幕のテキストを保管し忘れることです。後から誤字が見つかったとき、別の言語版を作るとき、字幕なしで放送や配信に回すとき、元の素材がないと作り直しになります。
もう1つは画面の端です。スマートフォンの縦型表示や、テレビで端が切れる環境を考えずに字幕を下端いっぱいに置くと、一部が見えなくなります。セーフエリアの内側に収めておくと安全です。
よくある質問
オープンキャプションの字幕は後から消せますか
消せません。字幕の部分も映像の画素として描かれているので、文字だけを取り除くことはできず、字幕なしの元素材から書き出し直すことになります。
オープンキャプションの作り方を教えてください
編集ソフトで字幕を配置し、書き出しのときに字幕を映像に焼き付ける設定を選びます。具体的な手順は焼き付け字幕の項目で説明しています。
字幕付きCMはオープンキャプションですか
テレビで流れる字幕付きCMの字幕は、リモコンで切り替えるクローズドキャプションの方式です。演出として焼き込むテロップとは別に扱われ、その違いはCM字幕とテロップの違いで解説しています。
この用語を扱ったコラム
CM字幕とテロップの違いとは?字幕付きCMの制作フローとCM考査を解説CMに表示される文字には、映像に焼き込まれたテロップと、視聴者がリモコンで切り替えられるCM字幕の二種類があります。両者の違いから、字幕付きCMの制作・搬入の流れ、放送前のCM考査、普及が進む背景までを解説します。放送技術解説
クローズドキャプションとは?YouTubeのCCボタンと字幕の仕組みYouTubeなどの動画プレーヤーにある「CC」ボタンで切り替わるのがクローズドキャプションです。映像に焼き込むオープンキャプションとの違いから、米国のCEA-608/708、日本のARIB方式、WebVTT/SRTまで規格の全体像を解説します。放送技術解説
似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | オープンキャプションとの違い |
|---|---|---|
| クローズドキャプション | テレビの字幕放送・配信の字幕 | 映像とは別のデータで届き、視聴者が表示を選べる |
| 焼き付け字幕 | 書き出しの設定・作業 | オープンキャプションを作る工程を指す言葉。結果として出来上がるのがオープンキャプション |
| テロップ | バラエティ・情報番組の演出 | 演出として画面に入れる文字。台詞をすべて文字にする字幕とは目的が違う |
関連する用語
最終更新