ARIB STD-B24
デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式 / アライブエスティーディービーニジュウヨン
日本のデジタル放送で、データ放送と字幕・文字スーパーの符号化と伝送の方式を定めたARIBの標準規格です。放送波に乗る字幕の文字コード(8単位符号)や外字、色、表示位置の表し方はこの規格で決まっています。
- 正式名称
- デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式
- 策定団体
- 電波産業会(ARIB)
- 最新版
- 6.5版(2022年10月)
- 構成
- 第一編 データ符号化方式、第二編 XMLベースのマルチメディア符号化方式、第三編 データ伝送方式、第四編 アプリケーション制御方式
- 字幕の規定
- 第一編 第3部「字幕・文字スーパーの符号化」
- 文字符号
- 8単位符号(ISO/IEC 2022の枠組みに独自の文字集合を割り当てたもの)
- 放送波での運び方
- MPEG-2 TSの独立PESとして映像・音声と別に送る
- 字幕を扱えるソフトの例
- ffmpeg(libaribb24またはlibaribcaptionを組み込んだビルド)
録画したテレビ番組のTSファイルから字幕を抜き出そうとして、ffmpegが字幕トラックを認識しても中身を読めない。放送の字幕は、ARIB STD-B24が定める日本独自の符号で書かれているからです。字幕の変換や表示のプログラムを作る人が、最後に行き着くのがこの規格です。
ARIB STD-B24が使われる場面
地上デジタル、BS、CSのテレビで字幕ボタンを押したときに出る字幕は、B24の方式で符号化されて放送波に乗っています。視聴者が表示と非表示を切り替えられるクローズドキャプションの中身そのものです。
放送局や字幕制作会社の人がB24を直接読む機会は多くありませんが、字幕ファイルのARIB STD-B36も、SDI信号に字幕を載せるARIB STD-B37も、字幕の本文はB24の符号で書かれています。字幕の制作ソフト、送出装置、受信機、ビューアを作るメーカーにとっては実装の基礎になる規格です。
もう1つの場面が、録画した番組のTSファイルから字幕を取り出す作業です。アーカイブの検索用にテキストを抜き出したり、字幕の書き起こしを確認したりするときに、B24の字幕を読めるデコーダが必要になります。
ARIB STD-B24の字幕の仕組み
B24は全体としてはデータ放送の規格で、字幕を扱うのは第一編の第3部「字幕・文字スーパーの符号化」です。番組に合わせて出る字幕と、番組と関係なく出る速報などの文字スーパーを、同じ仕組みで扱います。
字幕のデータは、字幕の言語などを伝える「字幕管理データ」と、実際に表示する「字幕文データ」に分かれ、どちらも映像や音声とは別の独立したPESとしてTSに入ります。
本文の文字は「8単位符号」で表します。ISO/IEC 2022の考え方で、漢字、ひらがな、カタカナ、英数字の文字集合を切り替えながら並べる方式で、放送用に追加された記号(いわゆるARIB外字)もここに入ります。文字の大きさ、色、表示位置、点滅、ルビ用の小さい文字は、本文の途中に置く制御符号で指定します。辞書にない文字は、DRCSという図形データを送って受信機に描かせます。
ARIB STD-B24の字幕を変換するときに間違えやすい点
8単位符号はShift_JISやUTF-8とは別の符号なので、バイト列をそのまま文字コード変換しても読めません。制御符号を1つずつ解釈して、文字集合の切り替えを追いかけるデコーダが要ります。
ARIB外字の記号の多くは2009年のUnicode 5.2で収録されましたが、変換ツールやフォントが対応していなければ、変換先で豆腐(□)や別の記号になります。DRCSで送られた文字は画像なので、テキストに変換しても元の文字には戻りません。
ffmpegで扱う場合は、外部ライブラリのlibaribb24かlibaribcaptionをビルド時に有効にする必要があり、配布されているffmpegに含まれているとは限りません。libaribcaptionはテキスト、ASS形式、画像の3通りで字幕を出力でき、ASS形式なら画面上の位置も残せます。
ARIB STD-B24と似ている規格との違い
名前の近いARIBの規格は、役割で分かれています。B24は字幕の符号化と放送波での伝送、B36は字幕をファイルで交換する形式、ARIB STD-B37はスタジオのSDI信号で字幕を運ぶ形式です。4K・8K放送の字幕は別の規格(ARIB STD-B62)で定められています。
海外の方式とは互換がありません。北米はCEA-708、欧州はDVB字幕やテレテキストを使います。B24の字幕の方式は、ISDB-Tを採用したブラジル向けの規格(ABNT NBR 15606-1)などに形を変えて受け継がれています。
よくある質問
ARIB STD-B24の規格書は無料で読めますか
日本語の最新版は、ARIBの会員以外はARIB Web Storeでの購入になります。英語版(2017年の6.4-E1など)は、会員でなくてもARIBのサイトから無料でダウンロードできます。字幕の章だけを確かめたいなら英語版で足ります。
TSファイルの字幕をSRTに変換するにはどうすればいいですか
libaribcaptionかlibaribb24を組み込んだffmpegで字幕トラックをデコードし、SRTとして書き出すのが一般的です。外字の多い番組は、変換後に記号の置き換わりを目で確認してください。
ARIB外字とは何ですか
B24の8単位符号に追加された、放送用の記号や囲み文字の総称です。天気マークや番組の種類を示す記号などが含まれ、パソコンの一般的なフォントには入っていないものがあります。
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似ている形式との違い
| 名前 | 主に使う場面 | ARIB STD-B24との違い |
|---|---|---|
| ARIB STD-B36 | 字幕のファイル納品 | B24の方式で符号化した字幕を、制作会社と局のあいだでファイルとして交換するための規格 |
| ARIB STD-B37 | SDI信号・MXFへの字幕の重畳 | B24の字幕データをスタジオの映像信号の補助データ領域に載せて運ぶための規格 |
| CEA-708 | 北米のデジタル放送の字幕 | 米国ATSC方式のクローズドキャプション規格。符号化の方式も文字集合もB24とは別物 |
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