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ARIB

一般社団法人電波産業会(Association of Radio Industries and Businesses) / アライブ

日本の通信・放送の電波利用システムについて、標準規格と技術資料を策定している一般社団法人です。デジタル放送の伝送方式、字幕、番組情報、ラウドネスの運用まで、放送の仕様書に出てくる「ARIB STD」「ARIB TR」はここが発行しています。

正式名称
一般社団法人電波産業会
英語名
Association of Radio Industries and Businesses
設立
1995年5月15日。財団法人電波システム開発センター(RCR)と放送技術開発協議会(BTA)の事業を引き継いで発足
法人格
2011年4月1日に一般社団法人へ移行
発行する文書
標準規格(STD)と技術資料(TR)。放送分野はSTD-B、TR-Bの番号
件数
2026年5月19日時点で標準規格161件、技術資料65件(廃止分を除く)
規格の入手
日本語版は会員が無料、会員以外はARIB Web Storeで購入。英語翻訳版は誰でも無料

放送局の納品仕様書や機器の要求仕様に「ARIB STD-B24準拠」「ARIB TR-B32に従うこと」と書かれていたら、その文書を出しているのがARIBです。番号の頭がSTDかTRかで文書の性格が違い、それを知っておくと、どこまでが方式でどこからが運用の約束なのかを読み分けられます。

ARIBの規格が使われる場面

日本のデジタル放送は、電波の送り方から画面に出る字幕まで、ほぼすべての層がARIBの文書で決まっています。地上デジタル放送の伝送方式はARIB STD-B31、映像・音声の符号化と多重化はSTD-B32、番組表の元になる番組配列情報はSTD-B10、字幕とデータ放送の符号化はSTD-B24です。

仕様書でARIBの番号に出会う人は、主に次のような仕事をしています。

  • テレビ、レコーダー、チューナー、カーナビなど受信機の設計や検証
  • 送出マスターの多重化装置、エンコーダー、SI送出装置の開発
  • 字幕制作ソフトやデータ放送の制作、字幕ファイルの納品
  • 番組やCMの音声を仕上げるMAと、局の搬入検査

MAの現場ならARIB TR-B32のラウドネス値、字幕制作会社ならSTD-B36のファイル形式、というように、職種ごとに付き合う番号が決まっています。通信分野ではワイヤレスLANのSTD-T66や920MHz帯無線のSTD-T108なども出していて、放送だけの団体ではありません。

ARIBの標準規格(STD)と技術資料(TR)の違い

標準規格は、電波の有効利用と混信防止のために国が定める技術基準と、機器の品質や互換性を確保するための民間の任意基準をまとめた民間の規格です。メーカー、放送事業者、通信事業者などが参加する規格会議の決議を経て策定されます。

技術資料は、放送分野では運用規定、制作のガイドライン、測定法などが並びます。たとえばARIB TR-B14は地上デジタル放送の運用規定で、STD-B10やSTD-B24が決めた方式を、実際の放送局と受信機でどう使うかを細かく決めています。受信機を作るときは、STDだけでなく対応するTRまで読まないと実装が決まりません。

ARIBの規格番号の読み方

「ARIB STD-B10 5.14版」のように、団体名、文書の種類、分野の記号と番号、版数の順に並びます。Bは放送、Tは通信の分野です。版数は改定のたびに上がり、2025年3月のSTD-B10は5.14版でした。仕様書に版数が書かれていないときは、最新版か、発注側が想定している版かを確認しておくと後で揉めません。

一覧には「BTA S-001」のような番号も残っています。ARIBの前身の一つである放送技術開発協議会(BTA)時代の規格で、ハイビジョンのスタジオ規格などが今も有効なものとして載っています。

ARIBの規格書の入手方法

日本語版は、会員企業なら会員ページから無料でダウンロードでき、会員以外はARIB Web Storeでダウンロード版を購入します。製本の印刷版も注文できます。英語翻訳版がある規格は、会員でなくてもARIBのサイトから無料でダウンロードできます。ただし英語版は最新版の翻訳とは限らず、内容に違いがあれば日本語の正本が優先されます。

各規格のページでは、最新版の表紙、まえがき、目次などの一部を閲覧でき、改定の概要も公開されています。どの章に何が書いてあるかを確かめてから購入する、という使い方ができます。

よくある質問

ARIBの読み方は何ですか

「アライブ」と読みます。ARIB自身が略称の読みとしてこう示しています。

ARIBの規格は無料で読めますか

日本語の最新版は、会員以外は有料です。英語翻訳版は無料で公開されているものが多く、方式の概要や表の構造を確かめる用途なら英語版で足りることもあります。

ARIBの規格の一覧はどこで見られますか

ARIBのサイトの「標準規格等一覧」に、通信分野と放送分野の標準規格、技術資料が番号順の表で並んでいます。規格名、最新の版数、改定日、廃止の有無まで一度に確かめられます。

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似ている形式との違い

名前 主に使う場面 ARIBとの違い
SMPTE 米国発の映像・放送の規格 映像信号やファイル形式の国際的な規格を作る団体。日本の放送波の方式や運用はSMPTEではなくARIBが決めている
民放連技術規準 民放局の運用ルール 日本民間放送連盟が加盟局向けに定める規準。ARIBの規格や技術資料をもとに、納品や検査の細部まで決めることが多い
DVB 欧州のデジタル放送 欧州の放送方式を検討する団体で、規格はETSIが発行する。日本の番組配列情報はDVBの方式を基本に選んでいる

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