B-CAS
BS Conditional Access Systems / ビーキャス
日本のデジタル放送で、有料放送の視聴制限と番組のコピー制御に使われている限定受信システムと、そのICカードの呼び名です。株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズが運用し、地上・BS・110度CSの2K放送の受信機に同梱されています。
- 運用会社
- 株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(2000年2月設立)
- 方式
- ICカードを使う限定受信システム(CAS)
- 関係する規格
- ARIB STD-B25(デジタル放送におけるアクセス制御方式)
- 主な用途
- BS・110度CSの有料放送、NHK BSのメッセージ表示、地上・BSデジタル放送のコピー制御(ダビング10)
- カードの種類
- BS・CS・地上共用カード(赤)、地上デジタル専用カード(青)と、それぞれのミニカード
- カードの所有者
- B-CAS社。視聴者はカードを使用する立場
- 4K・8K放送
- 対応していない。新4K8K衛星放送はACAS
テレビにカードのエラーが出て映らなくなった、中古のレコーダーを買ったらカードが付いていなかった。B-CASは、そうした場面で必ず名前が出てくる、デジタル放送の受信に欠かせない仕組みです。無料の地上波しか見ない人にも関係があるのは、番組のコピー制御にもこの仕組みが使われているからです。
B-CASの現場での使われ方
B-CASカードは、原則としてすべての2Kのデジタル放送受信機に同梱されて視聴者の元に届きます。1枚のカードを複数の放送事業者が共同で使い、それぞれ独立して運用できるのが特長で、WOWOWやスカパー!のような有料放送は、専用のデコーダーを配らなくても、全国で契約者だけが見られる放送を行えます。
使い道は次の3つです。
- BS・110度CSの有料放送で、契約した人のテレビだけスクランブルを解く
- NHK BSの受信確認メッセージを表示する
- 地上とBSのデジタル放送で、番組のコピー制御(ダビング10)を受信機に守らせる
放送機器やレコーダーのメーカーは、ARIBの規格を守ることを条件にB-CAS社と契約を結び、カードの供給を受けます。放送局の側では、有料放送の契約管理や送出設備の暗号化が、B-CASの鍵の運用と結びついています。
B-CASの仕組みと歴史
放送局は番組にスクランブル(暗号化)をかけて送り、受信機はB-CASカードに入った鍵の情報を使ってそれを解きます。方式はARIB STD-B25で定められています。
B-CAS社は2000年2月、BSデジタル放送の開始に先立って放送事業者などの出資で設立され、同年12月に始まったBSデジタル放送(ISDB-S)からカードが使われ始めました。2002年に110度CS放送、2003年には地上デジタル放送が始まり、2004年4月からは無料の地上波とBSにもコピー制御が導入されて、その担保にB-CASが使われるようになりました。
カードは用途と大きさで4種類あります。BS・CS・地上共用の赤いカード、地上デジタル専用の青いカードに加え、それぞれ小型のミニカードが2009年と2011年に加わりました。2012年8月下旬からは、地上デジタル放送でカードを使わない「コンテンツ権利保護専用方式」の運用も始まり、2013年3月までに全国の地上テレビ放送局がこの方式に対応しました。
B-CASカードで間違えやすい点・トラブル
よくある行き違いは次の通りです。
- 地上デジタル専用の青いカードを挿した機器では、BSや110度CSは見られない
- カードの向きや裏表を逆に挿している、接点が汚れている。挿し直しで直ることがある
- 機器を売ったり譲ったりするとき、カードだけを別に売ることはできない。カードの所有権はB-CAS社にあり、視聴者は使用する立場
- 新4K8K衛星放送はB-CASでは見られない。4K・8Kには受信機に組み込まれたACASが必要
故障や紛失のときは、B-CAS社のカスタマーセンターやWebから再発行を申し込めます。
よくある質問
B-CASカードがなくてもテレビは見られますか
カードを挿す受信機では、無料の地上波も含めてカードがないと映りません。新4K8K衛星放送のチューナーを内蔵した機器のようにACASのチップを持つ機器は、B-CASの機能もチップに含まれているのでカードは要りません。
B-CASカードはなくなるのですか
新CAS協議会は、B-CASカードは4K・8K放送には対応していないものの、今の地上・衛星デジタル放送では引き続き使え、B-CASシステムの廃止等は予定されていないと説明しています。
B-CASカードを紛失したらどうすればいいですか
B-CAS社のカスタマーセンターかWebで再発行を申し込みます。盗難の場合も同じ窓口に連絡し、有料放送を契約していたなら放送局にも連絡します。
B-CASとACASの違いは何ですか
役割は同じで、有料放送の視聴制限とコピー制御に使われます。B-CASは視聴者が挿すICカード、ACASは受信機に部品として組み込まれたチップで、4K・8K放送にも対応しています。
似ている用語との違い
| 名前 | 主に使う場面 | B-CASとの違い |
|---|---|---|
| ACAS | 新4K8K衛星放送と現行の放送 | カードではなく受信機に組み込まれたチップ。B-CASの機能も含む |
| コンテンツ権利保護専用方式(地上RMP方式) | 地上デジタル放送のコンテンツ保護 | 2012年8月下旬から各局で運用が始まった地上デジタル放送専用の方式。カードを使わず、ソフトウェアで実現する前提になっている |
| ARIB STD-B25 | アクセス制御の規格 | B-CASが従っているARIBの規格。B-CASはこの方式を運用するシステムと会社の名前 |
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