TS.ts
MPEG-2 Transport Stream / ティーエス
映像・音声・字幕などを188バイトの小さなパケットに切って順に流す形式です。途中から受信しても再生を始められるため、デジタル放送の電波やIP伝送、HLSの配信セグメントに使われます。
- 拡張子
- .ts
- 規格
- ISO/IEC 13818-1(ITU-T H.222.0)
- MIMEタイプ
- video/mp2t
- パケット長
- 188バイト
- 番組の識別
- PID と PAT・PMT という表で、どのパケットが何かを示す
- 中に入る主な映像
- MPEG-2 Video、H.264、HEVC
- 主な用途
- 地上デジタル放送、BS・CSの2K放送、HLS、IP伝送
.ts という拡張子のファイルには、2種類あります。1つは放送や配信で使う映像のTS(トランスポートストリーム)、もう1つはプログラミング言語TypeScriptのソースファイルです。ここで扱うのは映像のTSで、ダブルクリックしてもエディタが開くなら、それはTypeScriptの方です。
TSが使われる場面
TSがいちばん使われているのは、放送の電波そのものです。日本の地上デジタル放送(ISDB-T)やBS・CSの2K放送では、映像・音声・字幕・データ放送・番組表を1本のTSに多重化して送っています。字幕はARIB STD-B24の形式で、映像とは別のパケットとして流れます。
放送局の中や局と中継先の間でも、TSはよく使われます。IP回線で映像を送るエンコーダーやデコーダーは、TSをSRTやRTPに載せて伝送するのが一般的です。ネット配信では、HLSが長くTSを断片の入れ物にしてきました。
TSの仕組み
TSは、すべてのデータを188バイトの同じ長さのパケットに切って流します。各パケットにはPIDという番号が付いていて、どの番号が映像でどれが音声かは、PATとPMTという案内表のパケットが定期的に流れて知らせます。受信機は途中から電源を入れても、次の案内表を受け取った時点で再生を始められます。
時間の合わせ方も放送向けです。PCRという基準時計の値がストリームの中に何度も入っていて、受信機はこれに自分の時計を合わせながら、映像と音声を決まった時刻に表示します。
TSファイルの開き方と変換
TSファイルはVLCでほぼ再生できます。中身を確かめるならMediaInfoで、映像がMPEG-2かH.264かHEVCかを見ます。
MP4にしたいとき、中身がH.264やHEVCなら再エンコードせずに入れ物だけ移せます。日本の地上デジタル放送のようにMPEG-2 Videoで入っている場合は、MP4では扱えない再生環境が多いため、H.264などへの変換が必要です。どちらの場合も、ARIB字幕やデータ放送のパケットはMP4に移すと消えます。字幕を残したいなら、TSのまま保管するか、字幕だけを別のファイル形式に取り出しておきます。
TSファイルが開けない・再生できないとき
テレビやレコーダーの録画を取り出したファイルは、著作権保護のために暗号化されていることが多く、パソコンでは再生できません。これはファイルの破損ではなく仕様です。
編集ソフトに読み込むと音と映像がずれる、長さがおかしい、という症状は、受信状態の悪い部分でパケットが抜けていたり、途中で時計の値が飛んでいたりするときに起きます。ffmpegで一度MP4などに書き直してから読み込むと、落ち着くことが多いです。
よくある質問
TSファイルとは何ですか
多くの場合、放送や配信で使われる映像形式(MPEG-2 TS)のファイルです。ただし同じ拡張子をTypeScriptのソースコードも使うので、開くソフトで区別してください。
TSとMP4の違いは何ですか
TSは途中から受信しても再生できるよう小さなパケットで区切って流す形式、MP4はファイルとして保存して頭から再生する形式です。TSはパケットの見出しのぶん容量がやや大きく、編集ソフトでの扱いはMP4の方が安定しています。
TSファイルの字幕は取り出せますか
放送のTSにはARIB字幕が別のパケットとして入っているので、対応するツールを使えば取り出せます。一般的な動画変換ソフトは字幕のパケットを捨ててしまうため、変換前に取り出す必要があります。
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