ENG

Electronic News Gathering / イーエヌジー

肩に担げる業務用ビデオカメラで現場を撮影し、ニュースの素材を集める取材の方式です。転じて、そのカメラや取材班そのものも指します。撮った映像はメディアを持ち帰るか、回線で局へ送ります。

正式名称
Electronic News Gathering
意味
業務用ビデオカメラによるニュース取材。またそのカメラや取材班
主な機材
肩乗せ型の業務用カムコーダー、ガンマイク、ワイヤレスマイク、ライト
記録メディア
プロフェッショナルディスク、SxSメモリーカード、P2カード
素材の送り方
メディアの持ち帰り、FPU、携帯回線を束ねるIP伝送
似た語
EFP(Electronic Field Production)、SNG(衛星を使うニュース中継)

ニュースの現場で「ENG」と言えば、たいていは肩に担ぐ業務用のビデオカメラ、あるいはそのカメラを持って取材に出る少人数の班のことです。放送局が取材をフィルムからビデオへ切り替えたときに生まれた呼び名で、今もニュースの取材の基本の形として使われています。

ENGの現場での使われ方

典型的なENG取材は、記者、カメラマン、音声やライトを受け持つスタッフの2〜3人で動きます。事件や事故の現場、会見、街頭インタビューなどに、カメラ1台で向かいます。カメラマンは肩乗せ型のカムコーダーを担ぎ、音はカメラのマイクとワイヤレスマイクで録ります。

記録メディアは、ソニーのカメラならプロフェッショナルディスクやSxSカード、パナソニックのカメラならP2カードが使われます。どれもMXFのファイルで記録され、局に戻ればそのまま編集システムへ取り込めます。

急ぎのニュースでは、メディアを持ち帰る時間がありません。そこで、現場から回線で映像を送ります。以前は中継車やFPU(無線の中継装置)が中心でしたが、携帯電話の回線を何本も束ねて映像を送るIP伝送装置が広く使われるようになりました。LiveUやTVUといったメーカーの小型装置は、カメラマンが背負って移動しながら生中継できます。カメラ自体がネットワークにつながり、撮ったプロキシや本素材を局のサーバーへ送る機能を持つ機種もあります。

工程の中での位置

ENGはニュース制作の入口です。撮った素材は局の報道サーバーやMAMに取り込まれ、記者が原稿を書き、編集担当が放送用に編集します。夕方のニュースに間に合わせるには、撮影から数十分で素材を局に届けることもあります。

放送が終わった素材は、そのまま捨てずにアーカイブされます。数年後の特集で使われることがあるため、撮影日時や場所の情報を正しく残しておくことが大切です。

ENGで間違えやすい点・トラブル

現場で多いのは、記録設定の取り違えです。局の運用が1080i 59.94なのに別のフレームレートで撮ってしまう、記録フォーマットが局の標準と違う、といった失敗は、編集で変換が必要になり、急ぎのニュースでは致命的です。

音のトラブルも起きやすくなります。ワイヤレスマイクの電池切れや混信、風の音で声が聞き取れないといった問題は、現場で気づかないと後から直せません。IP伝送では、回線が混み合う大規模なイベント会場で映像が途切れることがあり、低遅延と安定性のどちらを優先するかで伝送方式の設定を変えます。映像伝送のプロトコルについてはSRTプロトコルとはで解説しています。

よくある質問

ENGとEFPの違いは何ですか

ENGは少人数でカメラ1台を持って動くニュース取材の方式で、EFPは複数のカメラや音声卓を持ち込んで番組をロケ収録する方式です。機材も人数もEFPのほうが大がかりになります。

ENGカメラと家庭用ビデオカメラは何が違いますか

ENGカメラは、交換式の放送用レンズ、プロ用の音声入力、放送局の運用に合わせた記録形式を持っています。長時間の取材に耐える電源や、肩に担いで安定させる形も業務用ならではです。

ENG取材の映像はどうやって局に送りますか

急ぎでなければ記録メディアを持ち帰り、急ぎなら携帯回線を束ねるIP伝送装置や中継車、FPUで送ります。最近はカメラから直接ネットワーク経由でファイルを送る方法も使われています。

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似ている用語との違い

名前主に使う場面ENGとの違い
EFP番組のロケ収録複数のカメラや音声卓を持ち込んで番組を収録する方式。ENGは少人数で身軽に動くニュース取材
SNG衛星での中継衛星回線を使って現場から映像を送る方式や中継車。ENGで撮った映像を送る手段の一つ
中継生放送の現場現場の映像をその場で放送に乗せる。ENGは素材を撮って局へ持ち帰ることが基本

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