信号・規格 送出配信アーカイブ

EIT

Event Information Table / イーアイティー

デジタル放送の番組配列情報(SI)のうち、番組ごとの名前、開始時刻、長さ、内容の説明、ジャンルなどを運ぶ表です。テレビやレコーダーの番組表と録画予約は、放送波で届くこのEITを元に作られています。

正式名称
Event Information Table(イベント情報テーブル)
日本での規格
ARIB STD-B10(元の形は欧州のDVB-SI)
運ぶ情報
番組名、開始時刻、長さ、番組の説明、ジャンル、映像・音声の構成など
種類
EIT[p/f](現在と次の番組)とEIT[schedule](その先の番組表)
table_id
0x4E・0x4F(p/f)、0x50〜0x5F・0x60〜0x6F(schedule)
PID
0x0012。地上デジタル放送は0x0012、0x0026、0x0027
時刻の表し方
日本標準時。日付は修正ユリウス日(MJD)、時分秒はBCD
4K8K衛星放送
MMT-SIのMH-EIT(ARIB STD-B60)

レコーダーが番組の延長に合わせて録画を延ばせるのも、番組表に出演者やジャンルが並ぶのも、放送波にEITという表が流れているからです。番組の開始時刻、番組名、ジャンルといった情報を、放送局は映像や音声と一緒にこの表で送り続けています。

EITが使われる場面

放送局では、編成が決めた番組の情報を送出系に登録し、SI送出装置がEITに組み立ててTSに多重します。スポーツ中継の延長や臨時ニュースで時刻が変われば、EITの内容を書き換えて送り直し、受信機の番組表と録画予約がそれに追従します。

受信機では、EITの番組名と開始時刻からEPGを作り、番組ごとの識別番号(event_id)を手がかりに録画予約を管理します。予約した番組の開始時刻が変わっても、同じevent_idの番組を追いかければ録画をずらせる、という仕組みです。

放送を録画してアーカイブするシステムや、全チャンネルを録り続ける全録のレコーダーでも、EITは欠かせません。録画したTSからEITを読めば、どこからどこまでが1つの番組で、何という番組名かを後から確定でき、番組単位の切り出しや検索用のメタデータ作りに使えます。

EITの仕組み

EITには2つの種類があります。

  • EIT[p/f]は、いま放送中の番組と次の番組だけを運ぶ。自分のTSの分は2秒に1回以上送る
  • EIT[schedule]は、その先の番組表を運ぶ。ARIB STD-B10では、8日以内の番組は10秒に1回以上、それより先の番組は30秒に1回以上を目安にしている

1つの番組の情報は、event_id、開始時刻、長さ、進行状態などの基本の項目と、その後ろに続く記述子でできています。番組名と短い説明は短形式イベント記述子、出演者などの詳しい情報は拡張形式イベント記述子、ジャンルはコンテント記述子、映像や音声の構成はコンポーネント記述子と音声コンポーネント記述子が運びます。

ジャンルは大分類と中分類の2段で表します。大分類は、ニュース・報道、スポーツ、情報・ワイドショー、ドラマ、音楽、バラエティ、映画、アニメ・特撮、ドキュメンタリー・教養、劇場・公演、趣味・教育、福祉の12種類とその他で、たとえばドラマの下に国内ドラマ、海外ドラマ、時代劇が並びます。

番組が途中から別のチャンネルに移って続くリレーや、予定と違うチャンネルでの放送は、イベントグループ記述子で前後の番組を結び付けて知らせます。

EITを読むときに間違えやすい点

時刻は協定世界時ではなく日本標準時です。開始時刻は40ビットで、日付を修正ユリウス日の下位16ビット、時分秒を4ビットずつのBCDで表します。緊急ニュースのように終わりが決まっていない番組では、長さの欄が全ビット1になっているので、そのまま足し算すると終了時刻が壊れます。

番組名や説明文は、ARIB STD-B24の8単位符号で書かれています。バイト列をShift_JISやUTF-8として読んでも正しい文字にはなりません。

地上デジタル放送では、固定受信機向けのH-EIT、携帯受信機向けのM-EIT、ワンセグ向けのL-EITが使い分けられています。この使い分けは地上波の運用規定ARIB TR-B14で決まっていて、受信機の種類によって参照するEITが違います。解析するときも、どのEITを見ているのかを区別しておく必要があります。

新4K8K衛星放送の番組情報は、TSのEITではなく、MMTで送るMH-EITです。役割は同じでも、送り方と表の割り当てが違うので、2K用のEITの処理はそのまま使えません。

よくある質問

EITとEPGの違いは何ですか

EITは放送波に乗って届く番組情報の表そのもので、EPGはテレビやレコーダーがそれを受け取って画面に出した番組表です。EPGの中身が変わるのは、放送局がEITを書き換えたときです。

録画したTSファイルからEITの番組情報を取り出せますか

取り出せます。TSDuckのようなTS解析ツールでEITを表示すれば、番組名、開始時刻、長さ、ジャンルなどを確認できます。番組名の文字は8単位符号なので、それに対応したツールかどうかを先に確かめてください。

EITで番組表は何日先まで送られていますか

ARIB STD-B10は、EIT[schedule]の送出周期を8日以内の番組とそれより先の番組で分けて定めています。実際に何日先まで送るかは、放送の種類ごとの運用規定と各局の運用で決まります。

似ている形式との違い

名前 主に使う場面 EITとの違い
EPG 画面の番組表 EITは放送波の中の表で、EPGは受信機がそれを読んで画面に出した番組表
SDT チャンネルの情報 チャンネル(サービス)の名前や種類を運ぶ表。EITは番組(イベント)単位の情報を運ぶ
PSI/SI TSの制御情報の総称 EITを含む制御と案内の表の総称。PAT、PMT、SDT、TOTなどと組み合わせて使う

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