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ARIB STD-B62

デジタル放送におけるマルチメディア符号化方式(第2世代) / アライブエスティーディービーロクジュウニ

新4K8K衛星放送のデータ放送と字幕・文字スーパーの符号化を定めたARIBの標準規格です。データ放送はHTML5、字幕はTTMLを土台にしたARIB-TTMLで記述し、2K放送のSTD-B24に代わる第2世代の方式になっています。

正式名称
デジタル放送におけるマルチメディア符号化方式(第2世代)
策定団体
電波産業会(ARIB)
1.0版(2014年7月)策定。2.3版(2024年10月)が最新
適用する放送
高度広帯域衛星デジタル放送(新4K8K衛星放送)
構成
第一編 データ符号化方式(第1部 レファレンスモデル、第2部 モノメディア符号化、第3部 字幕・文字スーパーの符号化)、第二編 マルチメディア符号化方式言語仕様
データ放送の記述
HTML5をテレビに適用したもの(CSS、DOM API、放送用拡張関数を含む)
字幕の記述
ARIB-TTML(W3CのTTML1とSMPTE-TTに準拠)
文字の符号化
ISO/IEC 10646の文字をUTF-8で符号化

4Kテレビの字幕表示やデータ放送の開発で「ARIB STD-B62準拠」と指定されたら、2K放送で積み上げてきたBMLや8単位符号の処理はそのままでは使えません。B62は字幕をXMLのARIB-TTMLで、データ放送をHTML5で書く方式で、2K放送とは土台の技術から違います。

ARIB STD-B62が使われる場面

新4K8K衛星放送の受信機を作るメーカーは、B62の第二編に沿ってHTML5のブラウザを組み込み、第一編第3部に沿って字幕の表示部を作ります。4K8K衛星放送のデータ放送(マルチメディアサービス)も、字幕ボタンで出る字幕も、この規格の範囲です。

放送局の側では、データ放送のコンテンツをHTML5、CSS、スクリプトで制作し、字幕はARIB-TTMLの文書として送出します。2K放送用に作った字幕を4K8K放送でも出すには、ARIB STD-B24の字幕をARIB-TTMLに変換する工程が要ります。制作会社と局のあいだで4K8K用の字幕をファイルで交換する形式はSTD-B69、データ放送のコンテンツを交換する方式はSTD-B70が別に定めています。

ARIB STD-B62の仕組み

第一編は3部に分かれます。第1部はデータ放送を受ける受信機のレファレンスモデルで、2018年の2.0版で端末連携の機能が加わりました。第2部は映像、静止画、図形、音声、文字といった素材ごとの符号化で、静止画はJPEGとPNG、図形はSVG、文字はISO/IEC 10646の文字をUTF-8で表します。EPG用の記号、異体字セレクタ、「令和」の合字も、改定を重ねてここに追加されてきました。

第3部が字幕・文字スーパーです。ARIB-TTMLはW3CのTTML1とSMPTE-TTに準拠した文書で、表示する文字、時刻、位置、スタイルをXMLで記述します。番組に合わせて順に送る生放送向けのライブモードの動作や、字幕データを圧縮して送る方式もここで決まっています。

第二編は、HTML5をテレビに適用するための言語仕様です。CSS、DOM API、スクリプト、セキュリティモデルに加え、放送の映像や音声、MMTで届くデータ、IPで取得するリソースを指定するための名前空間と、放送用拡張関数が定義されています。

ARIB STD-B62で間違えやすい点

ARIB-TTMLは、配信で使われるTTMLやIMSCと同じ系統ですが、同じものではありません。放送用の要素や制約が加わっているので、配信用の字幕プレーヤーに読ませても、位置や装飾が再現されないことがあります。反対に、配信用に作ったTTMLをそのまま4K8K放送に出すこともできません。

字幕の見え方の細部は、B62だけでは決まりません。文字の囲みやアニメーションの運用、字幕の初期化の動作などは、新4K8K衛星放送の運用規定ARIB TR-B39の改定で順に明確化されてきました。受信機の字幕表示を作るなら、TR-B39の該当する編も合わせて読みます。

文字の符号化の違いも見落としやすい点です。2K放送の字幕とSIは8単位符号でしたが、B62の文書はUTF-8です。2Kと4Kの両方の字幕を扱うシステムでは、同じ番組の字幕でも文字コードの変換経路が2つ必要になります。

よくある質問

ARIB-TTMLとは何ですか

新4K8K衛星放送の字幕・文字スーパーを記述する形式で、ARIB STD-B62の第一編第3部で定められています。W3CのTTML1とSMPTE-TTに準拠し、放送に必要な要素と制約を加えたXML文書です。

ARIB STD-B62は無料で読めますか

英語版はARIBのサイトから無料でダウンロードでき、2019年の2.2-E1は2分冊で公開されています。日本語の最新版(2.3版)は、会員以外はARIB Web Storeでの購入です。

4K放送のデータ放送はBMLですか

BMLではなくHTML5です。2K放送のデータ放送はSTD-B24のBMLで書かれていますが、4K8K衛星放送ではB62の第二編が定めるHTML5の仕様で記述します。

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名前 主に使う場面 ARIB STD-B62との違い
ARIB STD-B24 2K放送の字幕とデータ放送 第1世代の方式。字幕は8単位符号、データ放送はBMLで書く。B62はそれぞれをTTMLとHTML5に置き換えた
TTML 字幕ファイル全般 W3Cの字幕記述言語。ARIB-TTMLはこれに放送用の要素と制約を加えたもので、汎用のTTMLプレーヤーでそのまま表示できるとは限らない
ハイブリッドキャスト 2K放送と連動するアプリ 2K放送の番組と連動して動くHTML5のアプリの仕組み。B62は4K8K衛星放送のデータ放送そのものをHTML5で記述する

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