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ARIB STD-B21

デジタル放送用受信装置(望ましい仕様) / アライブエスティーディービーニジュウイチ

BSデジタル、110度CS(広帯域CS)デジタル、地上デジタルテレビジョン放送を受ける受信装置について、基本の機能、定格、性能の望ましい仕様を定めたARIBの標準規格です。テレビやレコーダー、チューナーの設計の土台になります。

正式名称
デジタル放送用受信装置(望ましい仕様)
策定団体
電波産業会(ARIB)
1.0版(1999年10月)策定。5.14版(2026年4月)が最新
対象の放送
BSデジタル(11.7〜12.2GHz)、広帯域CSデジタル(12.2〜12.75GHz)、地上デジタルテレビジョン放送
対象の受信機
固定の受信アンテナで受ける標準受信装置。小型、車載、携帯の受信装置は準用・参照
主な章
受信部の定格、映像・音声の復号と出力、EPG、高速デジタルインタフェース、CAモジュールインタフェース、双方向通信、ダウンロード、権利保護
名称の変更
2.0版(2001年3月)で「BSデジタル放送用受信装置」から改称
4K8K衛星放送の受信機
ARIB STD-B63(高度広帯域衛星デジタル放送用受信装置)

受信機の開発案件で「ARIB STD-B21に準拠」と指定されるとき、求められているのは、日本のデジタル放送を受けるテレビやチューナーとして当然備えるべき受信性能と端子、機能の組み合わせです。題名に「望ましい仕様」とある通り、法令そのものではなく、メーカー間で受信機の互換性をそろえるための規格です。

ARIB STD-B21が使われる場面

中心になるのは、テレビ、ブルーレイレコーダー、外付けチューナー、パソコン用チューナーなど、2Kのデジタル放送を受ける機器の設計と検証です。アンテナ入力の周波数範囲や感度、映像と音声の出力、リモコンで選局してから画面が出るまでの信号処理といった土台が、この規格の章立てに沿って決まっていきます。

マンションの共同受信やケーブルテレビの再送信を受ける機器を作るときにも読みます。英語版の5.12-E2では、地上デジタル放送の入力をUHFの13〜62chとしたうえで、共同受信を想定する受信機にはVHFやケーブルテレビのMID帯、SHB帯も受けられることを推奨しています。

受信機に載せる機能の追加も、改定履歴を追うと見えてきます。2005年の4.4版で家庭内LAN向けのIPインタフェース(DLNAガイドライン準拠)、2006年の4.5版でBluetoothによる音声出力、2009年の4.8版で緊急地震速報を運ぶAC信号の受信機能が加わりました。2025年の5.13版では、CASチップやCASカードといった用語の定義がARIB STD-B25の7.0版に合わせて追加されています。

ARIB STD-B21の中身と章の構成

全体は17の章と付属で構成されています。受信装置の構成と周囲条件から始まり、衛星デジタル放送と地上デジタル放送それぞれの受信部の定格、映像・音声の復号処理と出力、基本データデコーダ、EPG、高速デジタルインタフェース、CAモジュールインタフェース、双方向通信、ダウンロード、受信機の信号処理、性能、共用化受信装置、サーバー型放送、権利保護と続きます。

番組表の元データの形はSTD-B10、スクランブルの方式はSTD-B25、映像と音声の符号化はSTD-B32がそれぞれ決めていて、B21はそれらを1台の受信機にまとめるときの受け皿の役割です。

ARIB STD-B21で間違えやすい点

B21を満たしても、それだけで日本の放送をすべて正しく受けられるわけではありません。データ放送の表示、EPGの細かな動作、緊急警報放送への反応などは、地上デジタル放送ならARIB TR-B14、BSと110度CSならTR-B15の受信機機能仕様書の編で決まります。受信機の開発では、B21とTRをセットで読むのが前提です。

4K8K衛星放送の受信機はB21の対象ではありません。高度広帯域衛星デジタル放送用の受信装置はSTD-B63が別に定めていて、衛星アンテナやコンバーターなど共通する部分は、2016年の5.9版でB21から削られB63の規定に統一されました。4K対応チューナーを作るなら両方を見比べる必要があります。

版の違いにも注意が要ります。映像出力の端子やインタフェースの規定は、2000年の1.2版で加わったD端子のあと、HDMI、GVIF、IPインタフェースと、版を重ねるごとに追加や見直しが入ってきました。2026年の5.14版では、SerDes技術を使ったデジタル出力の具体的なインタフェース規格を、規格本体ではなく運用規定で定める形に改めています。

よくある質問

ARIB STD-B21は無料で読めますか

英語版(5.12-E2)はARIBのサイトから誰でも無料でダウンロードできます。日本語の最新版(5.14版)は、会員以外はARIB Web Storeでの購入です。

ARIB STD-B21はワンセグやカーナビにも適用されますか

規格が直接の対象にしているのは、固定の受信アンテナで受ける標準受信装置です。小型の簡易受信装置、車載受信装置、携帯受信装置は、この規格を準用するか参照する扱いになっています。

4Kテレビの受信機はどの規格を見ればいいですか

2K放送の受信部分はB21、新4K8K衛星放送の受信部分はARIB STD-B63です。運用面の機能は、2KならTR-B14とTR-B15、4K8KならTR-B39が決めています。

似ている形式との違い

名前 主に使う場面 ARIB STD-B21との違い
ARIB TR-B14 地上デジタル放送の運用 B21が受信装置の定格と性能の土台を決めるのに対し、TR-B14は受信機が持つべき機能を放送の運用とセットで細かく決める
ARIB STD-B25 スクランブルと限定受信 スクランブルと関連情報の方式を決める規格。B21はそれを処理するCAモジュールと受信機のインタフェースを扱う
ARIB STD-B63 4K8K衛星放送の受信機 高度広帯域衛星デジタル放送用の望ましい仕様。衛星の受信系の共通部分は、B21からB63の規定に統一された

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