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ARIB TR-B14

地上デジタルテレビジョン放送運用規定 / アライブ ティーアール ビージュウヨン

日本の地上デジタルテレビジョン放送について、放送局での運用と受信機が持つべき機能を細かく定めたARIBの技術資料です。データ放送、番組情報、限定受信、コピー制御まで、方式の規格を実際の放送で使うための決まりが集まっています。

正式名称
地上デジタルテレビジョン放送運用規定
文書の種類
ARIB技術資料(TR)
策定団体
電波産業会(ARIB)
1.0版(2002年1月)策定。6.13版(2026年4月)が最新
分冊
5分冊
構成
運用概要と第一編〜第九編(ダウンロード、受信機機能仕様書、データ放送、PSI/SI、限定受信方式、双方向通信、送出、コンテンツ保護、送信)
BS・110度CSの運用規定
ARIB TR-B15
4K8K衛星放送の運用規定
ARIB TR-B39

地上デジタル放送の受信機やデータ放送の案件で「TR-B14に従うこと」と書かれていたら、方式の規格だけでは決まらない細部、たとえばリモコンの色ボタンの扱いや番組情報の送り方、コピー制御への受信機の反応まで、この運用規定に合わせることを意味します。STDの規格が「何ができるか」を決め、TR-B14は「日本の地上波では実際にこう使う」を決めています。

ARIB TR-B14が使われる場面

受信機メーカーにとっては、第二編の受信機機能仕様書が実質的な設計書になります。テレビ、レコーダー、カーナビ、ワンセグ対応のスマートフォンなど、地上デジタル放送を受ける機器は、この編と関係する各編に沿って機能を作り込みます。

データ放送の制作では、第三編のデータ放送運用規定が基準です。ARIB STD-B24が決めるBMLの記述の中から、地上波で使える機能と使い方を絞り込んでいます。2003年の1.4版では、リモコンの青、赤、緑、黄の4色ボタンと画面上の表示を対応させることや、色ボタンで選ばせるコンテンツを作るときのガイドラインが加わりました。

放送局の送出と送信の担当者は、第七編の送出運用規定と第九編の送信運用規定を参照します。検査放送のときのTSの送出や、放送事業者の設備が被災したときの運用も、2004年の1.6版で追記されています。番組情報を扱う開発者には、第四編のPSI/SI運用規定が必須です。固定受信機向け、携帯受信機向け、ワンセグ向けにEITを分ける考え方は、この編で決まっています。

ARIB TR-B14の構成と読み方

最新版は5分冊で、運用概要のあとに次の九編が並びます。

  • 第一編 ダウンロード運用規定
  • 第二編 受信機機能仕様書
  • 第三編 データ放送運用規定
  • 第四編 PSI/SI運用規定
  • 第五編 限定受信方式(CAS)運用規定及び受信機仕様
  • 第六編 双方向通信運用規定
  • 第七編 送出運用規定
  • 第八編 コンテンツ保護規定
  • 第九編 送信運用規定

どの編も、ARIB STD-B10やSTD-B24、STD-B25といった標準規格を前提に書かれているので、TR-B14だけを読んでも表の構造や符号の意味は分かりません。反対に、標準規格だけを読んで受信機を作ると、地上波の実際の送出とかみ合わない部分が残ります。両方を行き来しながら読むのが普通です。

ARIB TR-B14で間違えやすい点

BSや110度CSの運用規定であるTR-B15と取り違えやすいのが1つめの点です。編の立て方はよく似ていますが、識別子の割り当て、階層伝送、ワンセグの扱いなどは地上波だけの話で、TR-B15の値をそのまま使うことはできません。

2つめは版の違いです。TR-B14は今も年に1〜2回のペースで改定されていて、2025年の6.12版ではクラウド録画や視聴に対応した受信機の導入に向けた規定が、2026年の6.13版では車載などで使うデジタルインタフェースOpenGMSLの規定と、2K専用受信機でCASチップを使えるようにするための修正が加わりました。受信機の仕様を固めるときは、どの版に合わせるかを最初に決めておきます。

3つめは、技術資料という位置づけの受け取り方です。TRだから参考情報にすぎない、ということはなく、地上波の放送と受信機はこの運用規定を前提に作られています。

よくある質問

ARIB TR-B14は無料で読めますか

英語版(6.7-E1、5分冊)はARIBのサイトから誰でも無料でダウンロードできます。日本語の最新版(6.13版)は、会員以外はARIB Web Storeでの購入です。

ARIB TR-B14とSTD-B31の違いは何ですか

ARIB STD-B31は地上デジタル放送の電波の送り方を決めた標準規格で、TR-B14はその上で番組の送出、データ放送、番組情報、受信機の機能をどう運用するかを決めた技術資料です。

データ放送を作るのにARIB TR-B14は必要ですか

必要です。BMLの記述方法はSTD-B24で決まっていますが、地上波で使える機能や色ボタンの扱い、受信機の動作の前提は、TR-B14の第三編と第二編で決まっています。

似ている形式との違い

名前 主に使う場面 ARIB TR-B14との違い
ARIB TR-B15 BS・110度CSデジタル放送の運用 同じ編の立て方で衛星の2K放送の運用を決めた技術資料。地上波とは識別子の割り当てや受信機の機能が違う
ARIB STD-B31 地上デジタル放送の電波 伝送方式そのものを決めた標準規格。TR-B14はその上で番組を送り、受信機で見せるまでの運用を決める
ARIB TR-B39 新4K8K衛星放送の運用 4K8K衛星放送の運用規定。TSではなくMMTを前提にしている

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