信号・規格 送出配信

ARIB TR-B15

BS/広帯域CSデジタル放送運用規定 / アライブ ティーアール ビージュウゴ

BSデジタル放送と110度CS(広帯域CS)デジタル放送について、放送局での運用と受信機の機能仕様を定めたARIBの技術資料です。衛星の2K放送のデータ放送、番組情報、限定受信、コンテンツ保護の実際の決まりがここにあります。

正式名称
BS/広帯域CSデジタル放送運用規定
文書の種類
ARIB技術資料(TR)
策定団体
電波産業会(ARIB)
1.0版(1999年10月)策定。8.9版(2026年4月)が最新
対象の放送
11.7〜12.2GHzのBSデジタル放送、12.2〜12.75GHzの広帯域CSデジタル放送
構成
第一部 BSデジタル放送運用規定、第二部 広帯域CSデジタル放送運用規定およびBS・広帯域CS共用デジタル受信機機能仕様
分冊
4分冊(第一部が第一〜第三分冊、第二部が第四分冊)
地上デジタル放送の運用規定
ARIB TR-B14

BSや110度CSの2K放送を受ける機器、衛星放送のデータ放送、有料放送の受信処理の案件では、仕様書の参照先にARIB TR-B15が入ります。地上デジタル放送のTR-B14と同じ役割の文書を、衛星放送向けに作ったものと考えると位置づけがつかめます。

ARIB TR-B15が使われる場面

BSデジタル放送は2000年12月に始まり、TR-B15の1.0版はその前年、1999年10月に策定されました。2001年の2.0版で110度CS(広帯域CS)デジタル放送の運用規定と、BSと110度CSを両方受ける共用受信機の機能仕様が第二部として加わり、今の二部構成になっています。

読み手の中心は、BSと110度CSを受けるテレビ、レコーダー、チューナーのメーカーです。受信機の機能は第一部と第二部それぞれの第二編(受信機機能仕様書)で決まり、有料放送の契約や視聴にかかわる処理は第五編の限定受信方式の運用規定と受信機仕様で決まります。

データ放送の制作や、番組情報を扱うシステムの開発でも読みます。衛星放送のデータ放送は第三編、番組情報は第四編のPSI/SI運用規定が基準で、送出の担当は第七編の送出運用規定を見ます。

ARIB TR-B15の構成と改定の中身

第一部と第二部は、どちらもダウンロード、受信機機能仕様書、データ放送、PSI/SI、限定受信方式、双方向通信、送出、コンテンツ保護の八編でできています。地上波のTR-B14にある送信運用規定の編はありません。

改定の中身には、衛星放送ならではのものが目立ちます。2021年の8.1版ではBSの右旋帯域の再編に伴う事業者のスロット割り当てと識別子を改め、2024年の8.5版ではNHK BSプレミアムのサービス廃止やリモコンのワンタッチボタンの番号の再割り当てを反映しました。2026年の8.9版では、2K専用のBS受信機でもCASチップを使えるようにする規定が加わっています。

2021年の8.0版では、限定受信の処理で使う修正ユリウス日(MJD)の扱いを明確にしました。TOTで送られる16ビットのMJDは2038年4月22日までしか表せないため、17ビット目があるとみなす基準日を決め、限定受信の処理がそれ以降も続けられるようにしています。

ARIB TR-B15で間違えやすい点

受信機の中で、チャンネルや事業者の一覧を固定値で持つ設計は避けたほうが安全です。TR-B15は放送事業者の参入や撤退、サービスの変更に合わせて各種一覧をたびたび更新していて、BSの帯域再編のようにスロットや識別子そのものが変わった例もあります。受信機は放送波のARIB STD-B10の情報を読んで追従する前提で作ります。

4K8K放送との取り違えにも注意が要ります。同じBSと110度CSの帯域を使っていても、新4K8K衛星放送の運用はTR-B39で決まり、多重化、字幕、データ放送の方式がすべて違います。TR-B15が扱うのは、TSで送る2K放送だけです。

使われなくなった機能の扱いも版で変わります。8.0版では、今後も運用しないとして、ブックマーク機能とそれにかかわる蓄積専用データサービスの記載が削除されました。古い版をもとに作られた資料を見るときは、その機能が今も生きているかを最新版で確かめます。

よくある質問

ARIB TR-B15は無料で読めますか

英語版は2008年の4.6-E1が4分冊で無料公開されています。日本語の最新版(8.9版)は、会員以外はARIB Web Storeでの購入です。英語版は最新版からかなり古いので、実装には日本語版が必要です。

ARIB TR-B15とTR-B14は何が違いますか

TR-B15はBSと110度CSの衛星放送、TR-B14は地上デジタル放送の運用規定です。編の立て方は似ていますが、階層伝送、ワンセグ、送信所の運用は地上波だけにあり、衛星の帯域やスロットの割り当てにかかわる規定はTR-B15の側にあります。

110度CSの4K放送もARIB TR-B15の対象ですか

対象ではありません。BSと110度CSの4K8K放送は、高度広帯域衛星デジタル放送の運用規定であるARIB TR-B39が扱います。

似ている形式との違い

名前 主に使う場面 ARIB TR-B15との違い
ARIB TR-B14 地上デジタル放送の運用 地上波の運用規定。編の立て方はTR-B15と似ているが、階層伝送やワンセグなど地上波だけの規定を持つ
ARIB TR-B39 新4K8K衛星放送の運用 同じBSと110度CSの帯域を使う4K8K放送の運用規定。MMTを前提にしていて、2K放送のTR-B15とは別の文書
ARIB STD-B21 受信装置の望ましい仕様 受信機の定格と性能の土台を決める標準規格。TR-B15は衛星放送に合わせた受信機の機能を細かく決める

関連する用語

最終更新