字幕形式字幕制作納品送出配信

CEA-608

Line 21 Data Services(ANSI/CTA-608-E) / シーイーエーロクマルハチ

北米のアナログテレビで、映像信号の21ライン目に字幕データを載せるために作られたクローズドキャプションの規格です。現在の名称はCTA-608で、デジタル放送や配信でも互換用の字幕として使われ続けています。

現在の規格名
ANSI/CTA-608-E(Line 21 Data Services)。旧称はEIA-608、CEA-608
策定団体
Consumer Technology Association(CTA、旧CEA)
もともとの伝送場所
NTSC映像信号の21ライン目(垂直帰線期間)
データ量
1フィールドあたり毎秒480ビット(1フレームに2文字分)
チャンネル
字幕用のCC1〜CC4、文字情報用のText1〜Text4
画面の枠
横32文字×15行
表示方式
ポップオン、ロールアップ、ペイントオン
文字
英字を中心に、スペイン語やフランス語などのアクセント付き文字。日本語は扱えない
ファイルにするとき
SCC、MCC

米国向けの納品仕様に「CEA-608 captions required」と書かれていて、字幕ファイルを付ければいいのか、映像に何かを埋め込むのか分からない。CEA-608はもともと、アナログテレビの映像信号の中に字幕データを埋め込む方式です。いまはSCCファイルとして渡すか、映像ファイルの中に字幕データとして入れて渡すのが一般的です。

CEA-608が使われる場面

米国とカナダのテレビ放送では、長くこの方式でクローズドキャプションが送られてきました。1990年のテレビデコーダ回路法により、1993年7月からは13インチ以上のテレビに608の字幕デコーダの搭載が義務づけられています。

アナログ放送が終わった後も608は消えていません。デジタル放送の字幕規格CEA-708は、互換のために608の字幕データを中に入れて運べるようになっており、北米向けの放送素材や配信用の映像にはいまも608の字幕が入っています。

日本の制作会社が608に出会うのは、北米の放送局や配信サービスへ番組を納めるときです。英語字幕をSCCファイルで求められる場合と、MXFやMOVの映像の中に字幕データを入れて求められる場合があります。配信では、HLSのプレイリストで映像に埋め込まれた字幕を「CC1」のような608のチャンネル名で指し示す仕組みも使われています。

CEA-608の仕組み

アナログのNTSC信号では、画面に映らない21ライン目に1フレームあたり2文字分のデータを載せます。1フィールドあたりの伝送量は毎秒480ビットしかなく、長い字幕は送り終えるまでに何フレームもかかります。

1つの信号の中に、字幕用のCC1〜CC4と文字情報用のText1〜Text4のチャンネルがあり、英語とスペイン語のように言語ごとにチャンネルを分けて送れます。番組名やレーティングなどの番組情報を送るXDSという仕組みも同じ21ライン目を使います。

表示方式は3種類です。ポップオンは字幕を裏で組み立ててから一度に出す方式で、収録済み番組の字幕の標準です。ロールアップは下から行がせり上がる方式で、ニュースや生放送のリアルタイム字幕に使われます。ペイントオンは1文字ずつ画面に書き足していく方式です。

CEA-608の字幕を作るときに間違えやすい点

1行は32文字までで、それを超える行は受信機で表示できません。字幕の制作ソフトで608の行数と文字数の検証をかけてから書き出します。

伝送量が少ないため、ポップオンの字幕は表示時刻より前にデータを送り始める必要があります。字幕の間隔が詰まりすぎていると、前の字幕を送り終わらないうちに次の表示時刻が来て、字幕が遅れたり欠けたりします。

608で扱える文字は英字とアクセント付きのヨーロッパの文字が中心で、日本語は入りません。日本語字幕を北米向けの配信に付けたい場合は、配信サービスが指定するTTML系の形式か、焼き込み字幕で対応します。

CEA-608とCEA-708の違い

608はアナログ時代の規格で、画面の枠も文字の種類も限られています。CEA-708はデジタル放送用の後継で、フォント、文字サイズ、色、背景の不透明度、複数の表示窓を指定でき、最大63の字幕サービスを持てます。米国のデジタル放送では708の中に608を同居させるのが一般的で、古い受信機やプレーヤーはそのうちの608を表示します。

よくある質問

CEA-608の字幕をPremiere Proで作れますか

作れます。キャプショントラックの形式にCEA-608を選び、書き出し時にSCCかMCCのサイドカーファイルにするか、対応する形式の映像に埋め込みます。

CEA-608とSCCは同じものですか

違います。608は字幕データの方式、SCCはその字幕データを保存するためのファイル形式です。クローズドキャプションと字幕全般の違いはクローズドキャプションとは?YouTubeのCCボタンと字幕の仕組みで解説しています。

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